県民大運動対県教委交渉の内容から

 定数内講師はクッション!?

 10月26日、県内の労働組合や市民団体などが参加する県民大運動実行委員会による県教委交渉が行われました。先に提出してあった「暮らしと福祉・教育の充実を要求する申入書」にそって県教委側の回答とそれに対する論議が行われました。その中から臨時教職員問題に関わる部分を紹介します。

定数内講師任用の法的根拠を答えられない県教委

 県教委 「現在、県立学校の常勤講師は164人、非常勤講師が795人、養護学校では常勤講師84人。義務教育諸学校では220人の定数内講師が任用されている。」

 大運動 「義務制だけで毎年200人、300人という定数内講師が存在しているというのはなぜか?突然の欠員でやむを得ずと言うには多すぎる数だ。」

 県教委 「定数内講師の分をすべて正式採用してしまうと来年からは採用ゼロということもあり得る。できるだけ安定して採用するために必要。」

 大運動 「だからこちらは30人学級や養護教諭の複数配置をして教員を増やせと言っている。ところがあなた方は国の標準法があるからそれ以上は採用できないと言う。それだけ標準法が大事なら定められた定数どおり正式採用するべきではないか。」

 県教委 「・・・・。」

 大運動 「そもそも定数内講師を任用してもいいという法律がどこにあるのか?法律にない任用の仕方は違法ではないのか?」

 県教委 「・・・・。法的根拠については今調べてくるので待ってほしい。」

   (休憩後の論議で)

 県教委 「標準法には算定された人数をすべて正式採用しなければならないとは書いてない。」

 大運動 「そんなことを言ったら教員を全員臨時雇いにしてもいいということになるではないか。そんな都合良く拡大解釈をしていいのか。」

 県教委 「・・・・。」

定数内講師はクッション

 大運動 「以前の交渉で県教委は定数内講師の任用は地公法22条の2項によるもので、採用候補者名簿がない場合に当たると言った。」

 県教委 「そうだ。」

 大運動 「この条文の趣旨は突然の欠員が生じたときに採用候補者名簿がなかったら、ということだ。しかし実際にははじめから欠員が生じることが分かっていてそれよりも少ない採用候補者名簿しか作成していない。法の悪用ではないか。」

 県教委 「私たちだって正規採用をもっと増やしたい。しかし今は定数内講師というクッションを置くことでなんとか毎年の正規採用を減らさないようにするのが精一杯だ。」

  大運動 「クッションと言うが、そのクッションを毎年やらされて30歳を過ぎても正規採用されない人がたくさんいる。この人たちに対する補償はどうなるのか。」

 県教委 「選考をクリアしなければ正規採用にはならないので・・・。」


「求める会」が県教委に要求書を提出

 県民大運動の交渉では、県教委から「正規教員と講師とでは採用選考審査に合格したかしていないかの大きな差がある。」「県の臨時職員に比べて講師の待遇はかなり良い。」等の発言が聞かれ、私たちの主張との開きが予想以上に大きいと感じました。

 そこで、11月19日、「求める会」は「臨時教職員の待遇改善及び教員採用制度の見直しに関する要求書」をまとめ、県教委に提出しました。昨年も要求書を提出し、今年の3月に「請願」という形で話し合いを持つことができました。今回も年明け早々に話し合いを持ってほしいと要望してあります。