公文書公開条例に基づき、

「求める会」が筆記試験問題などの公開を請求しました。

 8月31日、「求める会」の長澤事務局長が県教委総務課へ出向き、教員採用選考審査での筆記試験問題など4点の公文書開示請求書を提出しました。

 今回開示請求した公文書は次の通りです。

 ●本県の教員採用における選考基準

 ●1999年実施分を含む過去5年間の教員採用審査における筆記試験(論文を含む)の問題と模範解答あるいは採点基準、及び面接試験の質問

 ●面接試験で面接官が記録するための用紙

 ●一次審査及び二次審査の合格者を決定する際の資料

 条例の規定では、請求書の提出を受けた県教委が請求された文書の存在を確認した時点で正式受理となり、その後15日以内に開示か非開示かの決定を出すことになっています。

愛媛県が筆記試験問題を全面開示

 7月30日、愛媛県教委が教職員組合の要求 に応え、筆記試験問題を全面開示 しました。

 これまでにも愛知県や三重県、広島県、高知 県などで開示請求が行われましたが、どの県で もあれこれ困難な理由をつけて非開示にしてき ました。しかし、愛媛県教委は「開示しても何 ら困るような問題はない。」と明言しており、各 県教委の言う非開示の理由をあっさりとうち消 してしまった形になりました。

 また、これより先に広島県の公文書公開審査会が「公開すべき。」という回答を出したり、高知県教組が県教委を相手取り争ってきた裁判で高松高裁が「公開できない理由は何もない。」と、原告全面勝訴の判決を出すなど、新しい情勢の変化が見られていました。愛媛県の決断も、こうして流れの中で起こったものと言えるでしょう。

 静岡県が「求める会」の請求に対し、どのような回答を出すかはわかりませんが、もしも「全面非開示」などという回答を出せば、全国的な世論からの批判を浴びることになるでしょう。

このほかにも新しい情勢の変化が

(1)ボーナスの基準日問題で前進〜人事院勧告〜

 8月11日、人事院勧告が出されました。0.28%という超低額勧告に加え、一時金0.3ヶ月カットという許し難い内容を含んでいます。この勧告は正規・臨時の区別なく適用されますから、ただでさえ条件の悪い臨時教職員にとっては大打撃です。

 しかし、わずかに前進と言えるのは、ボーナス(一時金)の基準日の撤廃です。

 現行では6月1日と12月1日の基準日に勤務していなければ、ボーナスは1円も出ません。そのため、育児休業者とその代替者の双方から不満が出ていました。

 今回の勧告では「勤務実績があるものに在職期間に応じて支給」とあります。この改訂が実施されれば、わずか数日のことで悔しい思いをするということはなくなります。

(2)臨時教員経験者に特別選考〜教養審「論点整理」〜

 7月13日、文部大臣の諮問機関である教育職員養成審議会の特別委員会が、「論点整理」を発表しました。これは実質上の中間まとめに当たります。  この「論点整理」の「T、採用の改善」の項で、次のような注目すべき内容が書かれています。

 ウ、臨時採用経験者、社会人経験者については、選考において知識・技能が一定の水準に達していることを測るほかは、一般の学力試験を課さず、臨時採用の実績、十分な社会経験などに基づいた専門的能力・識見を評価するなど、新規卒業者とは別途の方法により選考を行う仕組みを工夫することが必要である。

 経験豊富な臨時教員を新卒者と同じ条件で試験を受けさせ何度も不合格にすることがどれほど矛盾しているか、行政側の諮問機関もこの点を指摘せざるをえなかったのでしょう。「論点整理」そのものには問題点もありますが、臨時教職員の特別選考は「求める会」でも要求してきたことであり、実現への可能性が出てきたと言えます。