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県情報公開審査会が筆記試験問題の全面開示を求める答申

 「求める会」は1999年8月に県教委に対し採用審査に係る公文書の開示請求を行いました。しかし、県教委が開示請求された公文書のほとんどを非開示としたため、「求める会」は県情報公開審査会(角替弘志会長)に異議申し立てを行いました。

 今年の3月には審査会からの直接の意見聴取も受け、答申が出るのを待っていましたが、9月14日、ようやく送付されてきました。

 答申の内容は次の通りです。


 県教委が非開示とした部分のうち、次の部分は開示すべきである。 (1)義務教育課、高校教育課及び養護教育課の保有する「教員採用選考試験  問題(平成7年から平成11年実施分)」 (2)義務教育課、高校教育課及び養護教育課の保有する「教員採用選考試験  解答(平成11年実施分)」の客観問題に係る部分のうち、論述問題に係る  部分と密接な関連を有しない部分及び論述問題に係る部分と密接に関連す  る部分のうち開示することにより採点事務に支障が生ずるおそれがないと  実施機関が認める部分 (3)義務教育課の保有する「教員採用選考第2次試験実施要領(平成11年  実施分)の面接問題試験に係る部分」、高校教育課の保有する「教員採用選  考試験実施要領(平成11年実施分)の面接問題試験に係る部分」及び養  護教育課の保有する「面接質問事項(平成11年実施分)」  


 県教委はこれまで、「問題作成者に開示することを前提として依頼していない。」「試験問題を公開すると受験テクニックばかり磨く傾向が生じる。」ということを理由に試験問題の公開を拒否してきました。それに対し私たちは「問題作成者に対し開示に同意するよう求めるべき。」「問題が公表されることで静岡県の求めている教師像がより一層鮮明になり、優秀な人材を確保できる。」「すでに試験対策の問題集や参考書が市販されており、今さら受験テクニック云々ということにはならない。」と反論してきました。

 今回の答申では私たちの主張がほぼそのまま認められており、県教委のあげた非開示の理由はすべて退けられています。

 また、答申では「審査会からの要望」として県教委に対し次のようなことが書かれています。


 実施機関は、今後の教員採用選考試験において本県が求める教員像を一層鮮明にするとともに選考事務の透明性の向上を図るため、出題のねらい、配点及び採点のポイント等を明らかにすることに努めていただきたい。  


 これはまさに、私たちが今まで何度も力を込めて訴えてきたことです。

 一般の公務員が地公法で「競争試験」により採用を決定すると定められているのに対し、教員の採用は教特法で「選考」による、と定められています。「競争試験」が受験者どうしの相対的な順位をはかるものであるのに対し、「選考」とはある一定の資質や能力を満たしているかどうかという絶対的な評価を決めるものです。ですから、「選考」を行うためには客観的な「選考基準」が必要となるのです。

 しかし、これまでの交渉で何度質問しても、県教委の答えからはどのような資質や能力を測ろうとしているのかが明らかになりませんでした。

 そこで私たちは今回の開示請求で「選考基準を示した文書」の開示を求めたのですが、結局それに該当する文書は存在しませんでした。つまり、明らかな「選考基準」なしに「選考」を行っているのです。これは重大な法律違反です。

 私たち「求める会」は今後、答申で開示するべきとされた文書の公開を求めると同時に、「選考基準」を明らかにするよう県教委に迫っていきたいと考えています。