ミュージック・シーケンサー:音楽専用
(シーケンサーって、音楽用以外にもあるんですヨ)
| シーケンサーは音そのものを録音するのではなく、デジタル信号の読み出し方を記録&出力します。
カセットテープを再生する時、目的の録音にたどり着くまでは「途中通過」しなければなりません。これに対し、レコードやMD、CDなどは「曲順」さえわかっていれば一発でたどり着けるので「頭だし」というニュアンスがありません。これを「ランダム・アクセス」と呼び、対してカセットなど順を追って探す方式を「シーケンシャル・アクセス」と言います。(本と巻物の関係も同じですね)
音源一体型シーケンサーの古典的代表格は「オルゴール」です。 ミュージックシーケンサーは「どの高さの音を」「どんな強さで」「どれくらいの長さで」「いつ」「どんな音色で」演奏したかを電子処理し、音源や電子楽器に渡します。また、曲順に応じてミキサーや照明器機など舞台装置をコントロールする事も出来るので、パソコンによる一括管理にも利用されています。
オーディオ信号とMIDI信号の比較イメージ 音源(つまり楽器)に届ける、一定の様式で書かれた仕様書のような感じですので、音そのものを記録するオーディオ信号と比べて格段に少ない情報量で済む上、原理上複写や転送が簡単で壊れにくいのです。 MIDIの原理を料理に例えれば 誰かに得意料理を教えるとき、伝え方として次の2通りの方法が考えられます。
この「世界共通規格」こそが、デジタル楽器の飛躍的な発展を呼び、安価で統一性の保たれた音楽作成環境を形作ったと言って過言ではないと思います。MIDIによる楽器間の通信統一無しには「ネットとパソコンによる音楽の双方向性」も、「通信カラオケの高速レスポンス」も、「携帯の着メロ」も実現しなかったことでしょう。 また、2007年に発売されネット上に演奏が多数公開されている 初音ミク などのボーカロイドは、「音源限定」「ノート毎の多様なパラメータ」「リアリティ追求」といった機能を持った「サンプラー音源一体型のシーケンスソフト」と言えます。
電子楽器の背面にある MIDI 端子 (5pin)
当初はメーカーによって楽器の定義や発音の過程がまちまちでしたが、今日では雛型を定めたGM(General MIDI)が一般的になりました。これにより、楽器やデータにGMマークさえ付いていれば作成された時と同類の楽器が鳴り、編成上の矛盾は起こらなくなります。ただし、一部の音が出なかったり楽器のニュアンスが違ったりで「音楽」としての表情は上手く伝わらないことが多いようですので、作り手としては「動作確認」がとても大切になります。 GMより綿密な再現の為のGSやXGなど上位規格もありますが、ここまでくるとそれぞれ開発元の戦略的な意図が表面化していて、結局製作側は細かい規定を無視して下位規格のGMに絞った音作りをする事が多くなります。(それぞれ更に上位規格があるようです。私は興味なし。) 音源マークが同じであっても、音が全く再生されない事があります。それは「楽器の並び方」が正しくても、「楽譜の読み方」が異なる場合があるからです。MIDIデータの読み書きでは SMF(Standard MIDI fail)という統一規格が一般的です。今日ほとんどのMIDI対応機はこれに準拠しているので、意識しなくてもめったに問題は起こりません。 しかし異なる器機で伴奏データのやり取りをする(メール添付などを含む)時など、この形式の呼び名がいろいろあるので混乱を招いている事がしばしばあります。古い電子楽器ではデータ保存の際に「 MIDIファイルとして・・・」 「標準MIDI形式で・・・」 など様々な表現がされています。近年SMFの概念が普及した為「SMFで保存」という表記が多く見られるようになりましたが、古い楽器でもそれ固有の保存形式以外のものはおおよそSMFの事を指しているようです。SMFが普及し始めた1990年頃を境に考えるとよいでしょう。また、2000年以降のシーケンサー内蔵型の電子ピアノなどにはSMFではないファイル形式が標準になっている場合が多く、これらからデータ(フロッピーやフラッシュメモリなどを介したもの)を取り出して編集などする場合は、SMFにしないとパソコン編集などが出来ません。
SMFにもフォーマット0や1など種類がありますが、単純演奏データは通常「フォーマット0」です。演奏以外(楽譜作成など)で使用する時は必ずフォーマットの確認しましょう。たとえば「パートを別々に認識させる」機能があるフォーマット1は多段楽譜(フルスコア)としてMIDIデータを使う場合に必須です。これを無視して楽譜作成ソフトにフォーマット0でフルバンドを読み込ませると、全パートが1段の楽譜になってしまいます。(その様は笑えないほどスゴイものですヨ) 手動入力(リアルタイムレコーディング)の手順
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| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| ソロ(任意) | ベース | 左手 | 右手 | 任意 | 任意 | 任意 | 任意 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
| 任意 | リズム | 準リズム | 任意 | 任意 | 任意 | 任意 | 任意 |
各トラックに推奨されているパート設定(16トラックの場合)
| ボタン | R | 1 | 2 | 3 | 4 |
| 実際のトラック | 10、11 | 1 | 2、 5〜9、 12〜16 |
3 | 4 |
| 役割 | リズム&効果音 | ソロなど | 伴奏一括 | 左手 | 右手 |
学習用シーケンサー(MT300等)のボタン対応一覧
16トラックで作成したデータが自動的に割り振られます。
保存作業は途中でも出来るだけマメに行います。手順では6番目になっていますが、上記4の直後などに一度保存し、後で加工したデータをその都度「上書き保存」すれば、不注意やトラブルでデータが全滅する恐れは減ります。また、うっかり操作で全滅するのを防ぐ為、「下書き」に相当する初期データを別にとって置くことを強くお勧めします。
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シーケンサーの長所 |
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「速度、キーが自由に変えられる」 |
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「演奏を後から細かく編集できる」 楽器型ではないPCソフトシーケンサーなど、「一定時間ごとに自動保存」が設定されている事もあるので、いつの間にか元のデータがなくなっている場合があります。オプションで自動保存を無効にし、区切りごとに手動で保存する習慣を持ったほうが無難です。 |
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「多重録音が出来る」 |
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「情報量が少ない」 |
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「信号劣化がない」 |
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「クオンタイズが使える」 |
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「弾いた情報を元に楽譜を作る」 |
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「選曲が素早い」 |
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「アシスタントプレーヤーになる」 |
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実 例 渡辺総生のMIDIハウス+実録(別窓)から MIDIファイル( .mid) 「ボエルマン:ノートルダムへの祈り(ゴシック組曲より)」 「ショパン:エチュード10−4」 |
シーケンサーの短所 |
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「生楽器からの入力は難しい」 「どうがんばってもMIDIは本物にかなわない」わけですから、シーケンサー入力は「シーケンサーのための演奏=データ作成」と割り切るべきです。 |
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「互換性の差」 そういう意味で、MIDIと対応電子楽器の普及は、決して旧来の楽器やライヴシーンにとって変わるものではない、と言えるのです。 |
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「器械が合わせてくれない」 |
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他にもシーケンサーの長所短所はあると思います。私も新しい機種と向き合うたびに頭を悩ませていました。でもこれだけは言えます。 シーケンサーの長所は、短所を補って余りある!実際にアンサンブルを演奏し、聞いた結果を反映して音楽を組み上げる。この過程で「どんな神経と技術を使い」「どんな思いを込めて」音楽が作られてゆくかを疑似体験する事が出来ます。表面的なサウンドに左右されず、演奏者全員の苦労を(わずかですが)知る事も出来ます。 シーケンサーは不可能を可能にする「忠実な道具」と言えます。 |