ニューラルネットワークによる文字認識


 

4.2 ニューラルネットワークによる学習と判断

 ニューラルネットワークではノイマン型のコンピューターの様にアルゴリズムの作成によって文字認識を可能にするのではなく、ネットワークに学習させることにより文字認識を可能にする。

 つまり、ある入力パターンと出力パターンを与えて、それをネットワークに学習させることにより、そのパターンが入力されると正しい出力パターンが出力される様になる。

 認識(フォワードプロパゲーション)をおこなう際は、先程の式4−1を使って入力層から中間層、出力層へと計算を行っていき、最終的な出力が0.5以上の場合は1、0.5未満の場合は0と判断される。

 ニューラルネットワークの学習方法は色々あるが、一般的に良く使われているバックプロパゲーション法を使用する。式の流れは以下の通りである。

 したがって、認識の場合は入力層から出力層へと計算が進み、学習の場合は出力層から入力層へと計算が進む。

この様な計算によって、荷重、しきい値が変化し、学習したパターンと似たようなパターンが入力された場合、正解に近い値が出力される。

また式から分かるように、荷重、しきい値の値が変わるだけなので、判断の時間は学習前とまったく変わらない。

いいかえれば学習によってデータの量が増えるのではなくデータの質が良くなるだけなので、計算速度は変わらない。


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