パンク顛末記
●ビート君、パンク!!●
5月の某日、いつものように出勤先にビートで乗り付ける。
駐車場に止め、颯爽とビートから降りる俺。
うーん、いい天気だ。
見上げると雲ひとつ無い青空が広がっている。
抜けるような青空が初夏の訪れを感じさせる。
やはり人間、天気がいいと清々しい気分になるものだ。
このところ雨の日が多く、ちょっと気分が沈みがちだっただけに、こういう晴天に恵まれると、俄然仕事にもやる気が出てくる。
深呼吸して、今日も一日頑張るぜ!・・・と心の中でつぶやく。
店に向かって歩き出す俺。
ビート、今日はこんなにいい天気だぞ。やっぱこういう日って気持ちいいもんだな、とビートの方を振り向くと、
ふとビートの様子がいつもと違うことに
気づく。
??なんか、車体が傾いてないか??
あせった俺はすぐに駆け寄り、ビートのリアを見る。確かに傾いている。よぉ〜く見ると
左リアタイヤの空気が抜けている。
パンクしてんじゃん。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
ま、まさか!!
あれが原因かな・・・・。
心当たりは、あった。それは前日の夜の事・・・。
●原因●
パンクを発見する前日。この日俺はオフだった。
夜10時頃、前にいた店の仲間から電話があった。一緒に飯でも食わないか、とのこと。
次の日クローズ・シフトだった事もあり、すぐに快諾。牛角にいるとのことで、すぐビートに乗り込み店に向かう。
到着するとNとAが既に飯を食っている最中。その内クローズを終えたSがくわわり、いつものようにくだらない話をしては盛り上がっていた。
12時を回った頃、Aが先に帰宅。NとSで、これで解散するのもなんだし、どっか行かねぇ?って話になり、海岸に行くことになった。
野郎3人でど〜して海に行かにゃならんの?という疑問は無視の方向で、無事G海岸に到着。
ここで、NとSが、ビートに乗りたいと言い出した。
まあ、二人とも免許を持っていることだし車もあまり通らないし、とりあえず運転させてやることに。
とはいえNもSも免許とりたて。ビートに何かあっては困るので色々と運転の手ほどきをしようと俺も同乗。
それから小一時間。俺、N、Sと交代で何度か乗っているうちに、Sが言い出した。
「けいすけさん、ドリフトやりません?」
悪魔の囁きだった。
Sと俺で交代でドリフトをかまし始める。Nはこういうのはあまり好きではなく、あきれて見ているだけだった。
俺もドリフトは未経験だったが、サイドブレーキをつかってビートをドリフトさせる。
キ、キキキキーッ!
S:「いやー楽しいっすね!」
俺:「おう、俺もドリフト初めてだけど、サイドブレーキでこんなにケツすべるとは思わんかった!めっちゃ面白ぇ〜」
そんなこんなで数十分、Sの運転中に悲劇は起こった。
キ、キキキキー!
ズザザザザーーー!!
ズボッ!!!
俺・S「!?」
♪砂地にはまってさぁ〜大変♪
いや、歌ってる場合ぢゃね〜だろ・・・(涙)
いや〜今だから笑って話せるけど、こん時はマジ焦りました。ホント。
前進も出来ないし、バックギアに入れてもウンともスンとも言わないんだもん。
S:「ああああ〜けいすけさん、マジすいません!!!」
Sが顔面蒼白で俺に平謝り。
俺:「お、おぅ、とりあえずなんとかしねーとな・・・・。」
素でブルー入ってる俺。
N:「誰か応援呼びましょうよ。」
だからいわんこっちゃないってな顔でNがそう言った。
周りには車はいなかったが、週末だった事もあり
こんな時間でもこれまでに何台か車は通っている。
何とかロープか何かで牽引してもらえれば・・・と3人は考え、
車が通るのを待つ。
と、数分後、案の定1台が通りかかった。責任を感じたSがその車に応援を頼みに駆け寄る。
Sはその車のドライバーに話し掛け、そしてこちらに戻ってきて一言。
S:「とりあえずロープは持ってないみたいスけど、手伝ってくれるみたいスよ!」
よかった〜!
他人に対して無関心と言われる世知辛いこのご時世だが、やっぱり捨てたもんじゃないな。
どれどれ、どの車かな?
その車はいったんビートの側を通り抜け、ちょっと行った先で停まった。
ベンツでした(汗)
(続く・・・この後俺の運命やいかに??)
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