** 明らかに真面目な話 その4 ** 第14話 * 02センサーでの燃調マップの学習は信頼に足りうるのか? * と 大仰なタイトルですが さて第13話にて予告した通りお待ちかね! 今回は実際の空燃比の計測結果を公表します フリーダムコンピューターの学習機能を使いO2センサーのフィードバック値を使って作り上げた燃調マップでの空燃比です この空燃比の測定はおなじみ!マルハモータースで行いました 皆さんも良くご存知のあのナイスガイなひと達のいるお店(実際はモータース、いわゆる町の修理工場なんですけれどね)です エンジンの仕様はきんぱら君から借用中のBPノーマルエンジンです(圧縮比&カムも純正のまま) このエンジン 走行距離は12万キロとも8万キロとも言われています またひん曲がったクランクプーリーが付いているものでした おっといけない いけない ひと様から借りているエンジンの悪口を言ってはいけませんね ひととして・・ 膨大な走り込みとフィードバック値からの手打ち修正(またいつかその方法はお話します)によって作り上げた入魂の全域仮想理想空燃比マップに出力増量値1.157を掛け出力空燃比12.7となるようにして空燃比の測定を始めました 理想空燃比14.7×出力増量値1.157=出力空燃比12.7という計算です さて結果は如何に! 下記が全負荷(=アクセル全開)でのその結果のグラフです 赤がその時の燃料噴射時間=大体の吸入空気量 青が空燃比 です 6000回転位までしか測定されていないのが残念なところですがそれはしょうがありません。どうですか 思った以上に空燃比はズレてはいないでしょ? 特に実際のトルクピークあたりでは計算通りの値を示しています あながちO2センサーのフィードバック値を信用したセッティングも捨てたものではないでしょう また空燃比が13位を示している回転数は吸気圧が一番高い値を示す部分でここを濃くしてもフリーダムは一生懸命薄くしようとガンバリます この辺はフィードバックと若干のズレが生じていると言えますね それにしても5500回転からまた空燃比が12.7から薄くなっているのは気になるところですが? そこから先に展開される未知の世界のお話はまた次回のチャンスのお楽しみといったところでしょうか BPノーマルエンジンの場合 メーカー公表のトルクピークは4500回転となっております が今回のこのエンジンでは5500回転でトルクのピークが出ると推測します その根拠は? 空燃比がそれなりに一様で5500回転にて一番燃料を吹いている ということはここが一番空気が入る回転数である と考えられるのではないでしょうか またそこから先はグッと燃料噴射量が減っていることが見て取れます つまりここから上はもう空気が入って来ていない! という証拠なのでしょう つまりメーカーの設定したインマニの特性が検証されたのでは? 確かにカムも純正のままですからこの結果も当然と言えるでしょうが たとえ高開度のカムに変えたからといってこの特性が劇的に変わりさらに高回転でも圧倒的なボリュームの空気が入ってくるとは思えません (さてこれからがここでの本題です ちょっと熱くなっています) それはBPよりも高回転よりに設定されているらしいB6のインマニでも同様なのではないでしょうか! つまりいくら高回転型のカムを入れ 圧縮を上げ 燃調と点火時期を適正化しても シングルスロットル&純正のインマニの呪縛に縛られていてはエンジンが求める空気が入ってこないわけですから 8000回転!!!を越える領域までしっかりと回りきると言うにはかなり厳しいものがある筈です でも世間ではそれが実現出来るかのようなまことしやかな噂が都市伝説の如く囁かれています この実験結果がそれに対する私なりの今の答えでもあります さて世間に波紋を起こせるか? 実はこのデータはパワーチェックの際に一緒に計測してもらったものなのですが シャーシがこの時調子悪かったらしくトルク&パワーの信頼に足る正確なデータは出てきませんでした だって以前にも書いた通り137馬力 トルク19kgf・mでしたからね ですから空燃比値だけを掲載することとしました それから空燃比計は確かNGKのものだったと思います この高価な空燃センサーも消耗品のようで計測にはそれなりの金額が掛かります この結果から思ったよりは02センサーも賢いことが分かりました が!! 気をつけて下さい これで信頼出来る空燃比計がいらなくなる ということではありません やはり理想空燃比というのは高負荷領域ではエンジンにキツイわけで これは無知たるが故の無謀なセッティング手法なのです ただフリーダムユーザーの皆さんも気になっていたでしょう? この件 ですからあえて私は捨石となりました 皆さんは私の屍を乗り越えて花を咲かせてください (おお! 今回は格好良くまとまりましたね) この実験結果を見た方々から下記の情報を掲示板に頂きました 非常に興味深い話なのでこちらに転載致します *Good Speedさんからの情報 見せて頂きました。データはかなり正確ですねー まさしくメーカの狙い通りの特性(笑)でしょう。 ベンチデータでも5500rpmでηvはMaxです。なぜかトルクは5000rpmでMax。 ところでピークは本当に変わらないのでしょうか? この評価をジゴロ、ではなくニゴロカムで測定した結果はないですか。 (”角”のコメント 残念ながら有りません エキストラコストが測定時にかかるもので すから) ちなみに280°、圧縮10、インマニはSTDでηvピーク6500〜7000に移行 するデータがありますが・・この時のηvはMax98で約148psです。 確かにインマニは等長でショートにしたいピークずらしたいですね。(”角”のコメント ワ ンオフのインマニ 作ってみたいですね でもアルミの溶接機が有りません ここは是非 ともG/Sさんに!) NBのVICS付きに変えれば? *きんぱら君の情報 オイラのは6000rpmあたりで1番空気が入ってきている・・・ハズ ただオイラのはしっかり燃調詰めてないから信頼性には欠けるが・・ カクさんの”赤”は自作ビックスロットル、ノーマル流用カムで7000rpmあたりでピークパワーがでていましたよね? あのデータではどーなってました? (“角”のコメント 下に“赤”の最終パワーチェック時の各種データのグラフを示します 自作大容量インマニを使っているのでB6純正とは傾向が異なるとは思いますが6200 回転辺りから燃料噴射量は減っていますね でもその辺りでもトルクと燃料噴射量の関係 水色の線は一様となっていますから空燃比もピークトルク辺りと同じような値となってい たと推測します このときは理論空燃比学習マップ×出力増量値1.18で測定しました) *キャブのマジシャン MBWまつざきさんの情報 角さんのコラム読みました、空燃比が点火時期により変化するのか?ですけど多分角さん のご指摘どおり「しない」と思います。何故連動すると考えられているのか、角さんはご 承知で書いておられるでしょうが連動しているのはノッキング限界でしょう。濃ければフ レームスピードが落ちてノッキング限界が上がる=点火が進む。燃料と空気の比である以 上変化しようがないです。大きく点火時期が変われば燃焼が変わるので吸入空気量もかわ ってくるでしょうからその場合はA/Fも変化するといっていいかも知れません。けど現 実にはそんなセッティングにはしないでしょう。 *MoTeC使い 古田@岐阜さんからの情報が入りました ”まじめな話”シリーズ、楽しませてもらってます。 吸入空気量に関してのインプレッションはアッシと非常に近い感じでした。 MoTeCのロガーで以前データを取ったときの経験ですがλ=0.9固定フィードバッ クでの全開加速で、開弁時間のピークは5500〜6000rpmでしたね。256カム を入れたばっかりだったのでもう少し高回転型にならないかと思ってinのバルタイを 105度から112度ぐらいで変えてみましたが 余り変化ありませんでした。やっぱりインマニなんですかねえ。 またまた、4スロへの欲望がふつふつと… * “角”のコメント 古田さんへ MoTeCでも同じ結果が出ましたか これで私の検証もあながち誤りでは ないと分かって一安心です 情報ありがとうございます 私もこのインマニには見切りをつけたいですが今はガマンです が やはり最終目標は独 立スロットル!ですね でもシングルの下からのレスポンスも捨てがたい 迷うところで す 本実験結果から考察した通り NA−BPのシングルスロットルインマニは上のほうで空 気が入って来ないということになると思います それがやはりパワーアップへの大きな足 枷と言えるでしょう 悩みはつきないですね |