** チョット真面目な話 **
吸入空気の温度を下げるとパワーが出るという話はご存知だと思いますが,実際その効果は
どのくらいあるのでしょうか?またロードスターをキャブ化するに当たってちゃんとセッテ
ィングを出せば夏と冬でセッティングを変える必要はないという話を聞きます。実際メーカ
ーセッティングのバイクはそれで何の問題もなく走っています。でもインジェクションでは
わざわざ吸気温度センサーなどを使って外部環境の状態を逐一計測して、それに合わせて燃
料の量を変えています。手間をかけてまで行っている事ですから何かしらの理由があるはず
です。(当然燃費や排ガス対策が第一であることは明白ですが)
気になりだすと眠れなくなるので、簡単な計算でこれを検証してみたいと思います。まず参
考書から出力空燃比=12.5とします。
* 吸気温度の影響について *
−50 |
1.533 |
1.315 |
−40 |
1.477 |
1.266 |
−20 |
1.348 |
1.156 |
0 |
1.251 |
1.073 |
20 |
1.166 |
1.000 |
40 |
1.091 |
0.936 |
60 |
1.026 |
0.880 |
80 |
0.968 |
0.830 |
100 |
0.916 |
0.786 |
上記の結果から吸入空気温度を低くする事はエンジン出力向上にかなりの効果があることが
分ります。(ただし燃料の気化を阻害するほ吸気温が低いのは別ですが)
また吸気温度が上がるとノッキングが発生しやすくなります。これが実車ではどんな現象と
して現れているのでしょうか?
ロードスターの純正エアクリーナーボックス位置の空気はちょっと信号待ちをすれば、簡単
に吸気温60度以上にあがってしまいます。そのため外気を取り込むように、ダクト付きヘ
ッドライトカバーが各社から発売されていますが、実際のところその効果は本当に微々たる
物(自分の車にも付いてるからこそわかったことですが・・・)ちゃんとした太いダクトを
引張れば良いのですが、もっと手軽に出来る方法があります。それはヘッドライトを上げて
走る事です。
高速道路で実験してみましたがヘッドライトを下げた状態では、エンジンルームに隙間風が
入っているはずなのに吸気温度は40℃以上となってました。また、一度吸入空気温度が上
昇すると走り続けてもなかなか温度が下がってくれません。そこでヘッドライトを上げると
どうでしょう、みるみる温度が下がり30℃以下となりました。その効果は絶大です、この
時から自分はいつでもヘッドライトを上げたまま走るようになりました。皆さんも一回試し
てみる事をお勧めします。高速道路では燃費にも差が出るはずです。
但し、自分は吸入空気温度が下がった事による5馬力の差は体感出来ませんでしたが・・・
これはFREEDOMを使って普段の吸気温度を見た結果なので信頼は出来ると思います。
* 外気圧の影響については *
600 |
0.789 |
620 |
0.816 |
640 |
0.842 |
660 |
0.868 |
680 |
0.895 |
700 |
0.921 |
720 |
0.947 |
740 |
0.974 |
760 |
1.000 |
780 |
1.026 |
このことから標高の高い場所を走る場合、空気を圧縮して密度を上げているターボ車に比ベ
NA車は絶望的ともいえるハンデを背負ってる事が分かります。
*上記に示してある値はあくまでも理論値であり、実際の燃焼室に入る空気の状態とは明ら
かに異なるハズです。今、気になっているのは純正ECU内部の各種補正係数です。基本燃
料噴射量に対しての吸気温度補正値や水温補正値等を知りたいと思っています。この値はメ
ーカーが実験を繰り返して定めたもののはずなので、それを使えばもっと厳密な計算結果が
出る事と思います。ご存知の方は御一報いただければ幸いです
このコーナーは決して”だからキャブやNAはダメなんだ”と否定する事が目的ではありま
せん。実はここに重大な人生訓が隠されているのです。それは
相手の欠点から目を背けるのではなく、逆にそれさえも愛してあげる事。それが男の
包容力ではないか?という事です。
それではまた次回の”男の人生を語る”のコーナーをお楽しみに!
** 軽量化 VS パワーアップ **
**ご使用上の注意**