外交特権?

 静岡エコパでのベルギー戦のとき、リエゾン車のドライバーが僕の役目だった。試合中はスタンドの下にある駐車場に停めた車の中で、ずっーと待機していた。ロシア対ベルギー戦のラジオをやっているはずもなく、しかたないので、同時刻に放送されていた日本対チュニジア戦を聞いていた。ときおり、エコパのスタンドが湧くんだけど、そのタイミングって日本が得点したタイミングなんだよね。みんな、ラジオを聞きながらロシア対ベルギー戦を観てたんだ。気持ちはわかるけど、変なところで歓声をあげるのは両チームに失礼だ!結局、試合は2−3で負け、ロシアの1次リーグ敗退が決まった。
 試合が終わるとすぐにロマンツェフ監督以下、チームスタッフが僕の車に乗ってきて「すぐに出発しろ!」と言った。通訳できる人がいなかったので訳がわからないまま、出発すると、ちょうど護送船団(護送船団を参照)の出発とぶつかった。携帯電話で警備担当のリエゾンに護送船団の中に入れてもらえるよう頼み、入れてもらった。しかし、助手席に座ったマネージャーは「もっと飛ばせ!」と言う。しかたないので、パトカーを追い越し、東名高速道路を1△0km/時でぶっとばしてトレセンへ帰った。パトカーをぶち抜くのも、これで最後だと思う。あ〜、気持ち良かった。

記者室

 2月に行なわれた日本代表紅白戦のときには、400人の報道陣が日本平スタジアムに集まった。記者やカメラマンが試合を取材するスペースは、ゴール裏とメインスタンドに十分にとったので問題なかったが、困ったのは記者室だ。そんなに大勢入るような構造になっていないので、机や椅子が足りないというレベルではなく、立っている場所が無い!という状況だった。部屋の中はおろか、西サイドスタンドの中の通路まで取材陣がごった返していて、我々、スタッフも通りぬけるのがやっと。こんなことは、二度とないだろうなあ。
 ちなみに、プロスポーツの取材って、普通の地方紙の取材とは趣きが異なるんだよね。地方紙の記者がアマチュアの試合を取材すると、少し写真撮って、必要なことを聞き出したら帰っちゃうけど、プロスポーツの記事は、翌日の朝刊に間に合うようにその場で書いてメールで送っちゃうんだ。だから、ナイトゲームだと、夜中の11時を過ぎることもある。書く方も大変だけど、終わるのを待っている施設管理スタッフや主催者も大変だよ。

着付け教室

 日本の文化を伝えたい、知りたいということで、ロシア代表文化交流団、着物着付け教室に挑戦。白い肌に浴衣が似合い参加者大満足。着物ファションショーにカメラフラッシュ。振袖姿のツクマノフ夫人に拍手喝采。帯同した某日本人スタッフは、日本人以上に着物が似合うと絶賛。振袖は、イブニングドレスと同格。日本の若い女性に着物着用を日常化して欲しい。

黒パン

 まだ、どのチームも来日していない頃、どんな風にもてなすか、そんな記事やら番組がたくさん出ていたときがあった。本国の料理とか、キャンプ地の名物料理とか。でも、どのチームもコックを連れてきていて、メニューで悩むことはなかったのではないだろうか。生ものや、脂っこいものはダメ。だから、清水名物のマグロの刺身や寿司はダメだ。むしろ、困ったのは仕入れの方だろう。保存のきくものは持ってきていたと思うけど、生鮮食品は困るよね。
 キャンプ中に彼らが、一番、喜んだのは横浜から取り寄せた黒パンだ。ロシア人は黒パンが主食で、これがないと生きていけないらしい。日本人にとっての白いごはんのようなもの。チーム帯同のコックが日本に来てから初めて取り寄せた黒パンの臭いを嗅いで、ニタッと嬉しそうに笑った顔が印象的だった。
 ちなみにロシア選手が食べていたのは、横浜にある「サンドリヨン」というパン屋のもの。「アルプスの少女ハイジ」では、黒パンは固くてまずい安物ということになっているが、そんなことはない。酸味があって好き嫌いがあるが、チーズをのせて食べると、すごくおいしい。ウォッカのおつまみに最高だ。楽天市場で買えるよ。

県内有名スポーツ店

 日本代表チームの紅白戦では‘県内有名スポーツ店’でチケットを販売した。清水サッカー協会のノウハウが元になって運営したので、販売網は、いつも日本平会場の天皇杯のチケットを売るお店が中心だった。それで、県内でも西部地区には販売店がない。西部地区のみなさんにはずいぶんお叱りを受けてしまいました。どうも、すみません。
追伸:シラ○リや興○スポーツでも売ってませんでしたが、両店が‘有名スポーツ店’じゃないなんてことはありません。重ね重ねごめんなさ〜い。

護送船団

 護送船団とは、キャンプ地と試合会場や空港の間をチームが移動するときの車両の隊列のことを言います。@パトカー(先導)、A大型バス(選手・監督・チームスタッフ)、B小型バス(リエゾン)、Cパトカー(後詰)がバス移動時の基本形だ。
 できる限り高速道路を使うのだが、大型バスは遅いし、ドライバーによってはすごく安全運転なので車間距離が空いてしまうことがある。そこに一般車が紛れ込んでしまうと大変だ。パトカーが前に出て一般車を自分の後ろに置いた上で、バスを自分の前へ入り込ませる。愛知県警などと比べると、静岡県警のパトカーは本当に先導がうまい。