高木の赤い花

鉢植の木らうんじ4 短歌





ケアンズ郊外


グレートバリアリーフ
・梢高く燃えて咲く花 熱帯の真日(まひ)は注ぐもケアンズは真夏
・ああここは南半球と思うとき潮(うしお)は静かに満ちくるものか
・あか・き・あお・むらさき・みどりのサンゴの群れ真命(まいのち)耀う熱帯の海
・生涯の希有なるときにいる我かグレートバリアリーフ凪ぎたり
・今かくしてグレートバリアリーフにある我は現し身かサンゴの大海(おおうみ)
・珊瑚礁の島に風聞く 珊瑚礁成りつつありし太古の大海(おおうみ)
・珊瑚礁このままであれ上空よりグレートバリアリーフよさよなら
・大いなる三日月形の珊瑚礁まなうらに留まれ我の一生(ひとよ)を


グリーン島海岸 車窓風景
グレートバリアリーフの島、グリーン島の海岸 熱帯雨林の町に向かうキュランダ鉄道の車窓より



<熱帯雨林>
・大気さえ厳(いつ)なるものか熱帯の暗き雨林の葉末そよがず
・木々の霊この身を囲む仄暗き熱帯雨林の中に立つとき
・身の丈に届く長さの木の笛の低き音色(おんしょく)木の霊の声
・笛を吹くこのアボリジニの若者の祖先の大地熱帯多雨林
・そのかみのアボリジニの人々を顕(た)たせて暗し熱帯多雨林
(1994年作)

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