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<かのん日本史 『本能寺の変』>
天下をいままさに手中に収めんとす、相沢信長を討つべく
明智真琴は計略を練り――遂に時は来れり!
「あぅー!敵は本能寺よーっ」
<本能寺――>
「ふふ、このライターでお寺ごと丸焼きにしてやるんだからぁ」
カチ カチ
「真琴ー!」
「うわ!な、なによぉ!真琴忙しいの」
ぱこん
「あ、あぅー」
「主君に対してその呼び方はなんだ!“信長さま”だろうが」
「…なによぉ、信長――さま」
「よろしい。それより真琴、なにか『カチカチ』音が聞こえるんだが、気のせいか?」
「あ、あぅっ…それは…えーっと……こ、この寺は『カチカチ寺』だからよ」
「そうかぁ?う〜ん」
「そ、そうよ」
*
「あぅー、意外に鋭いんだからもぅ。でもこれで…よーし、火がついた」
ぼう ぼう
「あはは。これで天下は真琴のものね」
「誰のものだって?」
「だから真琴があのバカに代わって天下を・・・・げっ」
「誰がバカだよ」
「あ、あぅー…ま、真琴です」
「いまさら気づいたのか。それより真琴、さっきから『ぼうぼう』聞こえるんだが…」
「あ、あはは!…だってこのお寺『ぼうぼう寺』だもん。当然よ」
「? さっきと違うこと言ってないか?」
「気のせいよ!気のせい」
「それに、なんかきな臭いし」
「そ、それは……真琴が花火してたから…」
「ふ〜ん。バカやってないでさっさと寝ろ。明日は京へ上洛するんだぞ」
「はーい」
*
ゴゴゴ…
「うわ!あ、あたりが火の海じゃねーか。真琴!」
「なに?」
「おまえ昨夜花火消し忘れただろ!このバカ!」
「…ふふふ」
「な、なにがおかしい!まさか…」
「やーい。いまさら気づいたって遅いもん♪」
「ちくしょう!謀反かぁ!」
「ふふ〜ん、くやしいでしょ。いいきみー」
「な、なぜだ」
「う〜ん。理由は忘れたけど、なんとなく」
「お、おのれぇ〜。記憶喪失でぷーしてたのを拾って飼ってやった恩を忘れやがって」
「真琴、頼んでなんかないもん♪これで天下は真琴のものねー」
「………」
「あはは、命乞いして真琴の奴隷になるって言うなら、助けてあげてもいいわよ」
「だ、だれが!――だいたいおまえ、ここからどうやって脱出するんだ?」
「…へ?」
「………」
「あぅーーーーー!それ考えてなかったぁ〜」
「このバカ野郎〜。うわっぁあ」
「あぅうう」
がらがらがら…
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・
天正10年
六月二日払暁
風雲児相沢信長は、本能寺にてその波瀾の一生を終えた。
いまなお、事件の真相は、謎につつまれている――
(おしまい)