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<ポテト>

(注意)
AIR発売前に書いたSSです。あくまでも作者のフィクションですので、ゲーム本編とはいっさい関係ない事をご了承ください。



   ・・・え〜ん!え〜ん!!

んっ?どこからか泣き声が聞こえる・・・

   「え〜ん!え〜ん! ポテトォ〜!!」

子供の泣き声・・・

   「目を覚ましてよぉ〜!」

昔の記憶・・嫌な思い出・・・

   「死んじゃ嫌だよぉ〜!!」

これは私・・・わたしだ・・・・


  ・
  ・
パチッ

 「んっ・・・・あれ、わたし・・」
目の前には見慣れた天井のパネルが見える。
2〜3度、まばたきをしながら記憶を辿ってみると1つの結論が出た。
 「・・・いつの間にか寝ちゃってたんだね」
大の字になって寝てしまってた自分に照れて軽く笑う。
 「よいしょっと・・・」
歳寄り臭いセリフを吐き上半身を起こす。 次は・・・
 「ふぅ〜・・・」
と一息を吐いてみる。 何だか疲れたため息みたい。
後ろ手にして床に手を着くと、

コンッ

何か手に当たる感触。そのまま振り返って触ったモノを見る。
 「あっ、こんなところにあったんだぁ!」
今度は無くさないように大事そうに拾い上げると、傍にある部品箱に収める。
 「さて、もうちょっと頑張ろうかなぁ」
夏休みに入ってからずっと頑張ってるけど、まだまだみたい・・・大丈夫かなぁ

 「佳乃、ご飯できたよ。 ・・って、あんたまだやってたの?」
ノックの後に入ってきた姉の聖は、部屋の中を見渡しながら呆れたように呟く。
 「ふんだ、私の勝手でしょう! 絶対に直すから、後でビックリさせてやるんだからぁ」
プンプンッ!
っと言ったマンガの擬音が似合いそうな頬を膨らませた顔で姉に言い返す。
それを慣れたように受け流すと、「早く来なさいよ」とだけ残して部屋を出て行った。
 「はぁ〜い!」
さっきの勢いも何のその、明るい返事を返すとパソコンをサスペンドにして部屋を出て行った。

   ・
   ・
それは夏休み前の最後の試練とも言える期末テストが終わった頃。
開放感から、1人学校帰りにちょっとだけ遠出をして岬の灯台まで行った帰りだったかな。

 「やぁ〜ん、なんで急に雨なんて降ってくるのよぉ!」
パタパタと言う音にパシャッと水溜りをはじく音を付け加えて走る。
だけど雨は強くなっていって、仕方なく途中で雨宿りをする事にしたんだ。

 「ふぅ・・・これが夏の天気と乙女心、オマケに狐の嫁入りってやつかな」(違います)
どこからかツッコミのような声が入った気がするけど気にしない気にしない。
 「まぁ、夕立みたいなものだからすぐに止むよね」
激しさを増す雨を見ながら呟く。

ふと視界の先に何かが見えた・・ううん、感じたのかもしれない。

雨宿りしてる軒先から飛び出して、雨に濡れるのもお構いなくその場所に走り着く。
 「はぁ・・はぁ・・・」
目の前にある・・・置いてあるダンボール箱を抱えると元の軒先に戻ってくる。
 「ふぅ・・・ふぅ・・・さてと」
地面に、ちょっと重めのダンボール箱を置くと恐る恐る開ける。
 「・・・・・ポテト」
中には、2〜3年前に流行っていたロボットペットと呼ばれる物が入っていた。
壊れて捨てられたのか、ピクリとも動かないそのロボットペットは、犬らしいデザインをしていた。

犬と言うより、怪しげなスタイルにしか見えないけどね。

そっと手で触れてみる。ヌイグルミみたいなふわふわした感じがした。
 「ふふっ、可愛いねぇ♪」
箱から取り出し、頬で撫でてみる。
雨に濡れてちょっとゴワゴワするところもあるけど気に入っちゃったよ。

ポタッ・・ポタッ・・・

軒先から落ちる雫が静かになったのに気づき、外を見上げてみると、雨は止み、雲の切れ間から青空が見えてきていた。
 「さてと、行こうかポテト」
まったく動かないそれを大事そうに元のダンボール箱にしまうと大事そうに抱える。
 「絶対に直して見せるよぉ! 今度は、ずっと一緒だからね!」
ニッコリと笑うと軽やかに家へと続く道を歩いて行く。


ただ、箱の代わりに置き忘れた学生鞄を慌てて取りに戻ったのは家に着いてからだった。

      ・
      ・
 「よしっ、これでOKと!」

パソコンから繋いであったケーブルを外すとメンテナンスカバーを元に戻し再起動を掛ける。

ピピッ

っと言う音と共にペットロボットが起動・・・生き返った。

 「えっと、ちゃんと聞こえてるかな? ・・コホン」

1つ咳払いをして、ドキドキする心を静める。 ・・・でも、止まらないよぉ!

 「わたしの名前は佳乃って言うんだよぉ。そしてキミはポテト! ・・・わたしの親友だよぉ!」

元気一杯に声を掛ける。

そして、ロボットペット・・・ううん、ポテトはこう答えてくれたんだ!

   「ぴこ♪」


   ・・・(if)END・・・


  ★ヘッポコな言い訳第2弾(^^;
さて、またやってしまいました! なんとポテトはメカだった!? (自爆)
まぁ、「ピコ」と言う泣き声(?)が妙に気になるんですよねぇ、
 「普通の犬じゃないな・・・」
なんて考えた結果・・・ポテトはメカ! と言うヘッポコな結論に到達!
まるでガンダムのハロみたいなものですね。(笑)
あと、初めて1人称っぽい書き方をしてみたんですが・・・性格とか話し方が分からないので無謀でした。(涙)
さてゲームをプレイしたらボロが出てくるぞぉ! (^^;

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