台湾の凍頂烏龍茶を日本で買う


2003/10/3更新

凍頂烏龍茶を台湾まで買いに行かなくても、日本の我が家からFAXで注文して送って貰えないかなぁ。
って、思ったのでした。

2003年
9月29日

昨年10月、台湾へ凍頂烏龍茶を買いに行った。その後、長男が台湾に行く機会があった時にも、買ってきてもらった。
朝入れたお茶を、大事に晩まで飲んでいる。その凍頂烏龍茶が心細くなってきた。

長男のお嫁さんの義姉が台湾語が出来る方なので、個人輸入なんて大それたことではなく、お店にお金を振り込んでお茶を送って貰えないかと真剣に考えた。駄目もとでお願いしたら、台湾語のいくつかのフレーズを書いてくれた。

@下記の注文をお願いします。
   我要請以下的訂貸

A振込先などFAXにて連絡して下さい。
   麻煩?、請用FAX教我支付方式銀行帳号等々

Bカタログまたは値段表などあれば一緒に送って下さい。
   如果有商品目録、表示价格的東西請把它一、起送給我

C半斤(300g)づつの袋に入れて下さい。
   請把茶葉分成半斤(300g)之後放在袋子
   (正安渓福記名茶さんは、半斤もOKなので、このフレーズは不必要)

以上のフレーズを参考に、台北市廸化街の正安渓福記名茶さんにFAXした。

この現地への電話のかけ方も、インターネットで検索した。

日本から現地は
010−886−地域番号(台北は2)ー先方のFAX番号

現地から日本の我が家へは
002−81−(最初の0をとった我が家の番号)これもFAX用紙に記載する。

この正しい電話のかけ方をマスターするまで、何度エラーが出たことだろう。これも根性です。

こうしてFAXのやりとりの結果、凍頂烏龍茶を5斤(3kg)、龍井茶(ろんじんちゃ)の半斤を3個、碧螺春(ぴーろーちゅん)の半斤を3個注文し、航空運賃を加えて7400台湾ドルが合計金額になりました。取引成立です。これが昨日1日の出来事で、今朝は台湾へ送金するため銀行に出かけました。

銀行からの外国送金は、用紙に英語で書かなくてはなりません。ここは一度戻ってまたFAXし、名前も住所も英語で送り返してもらいます。再び銀行に出向くと、送るお金は日本円で、なんと銀行は台湾ドルの相場は分からないと言うのです。たぶん1台湾ドルは3・6円くらいかなと思ったのだけど、4円くらいで計算して29600円、両替手数料もかかるだろうしと3万円送ることにした。

その後、送金手数料が4000円、台湾と日本の取扱手数料が各1500円で、3万円以外に7000円もかかってしまった。

お茶は100g480円だったけど、手数料を加えたら100g770円になった。これでもネットで買える、一番安いお茶の半額ほどの値だ。

早速、送金証明をFAXしたら、ほどなく送り状のFAXが入った。
10月1日
29日に航空便で送ってくれて、いつ送られてくるのか、わくわくして待っています。
乞うご期待!!
10月2日 今日の10時20分、「台湾から小包です」って宅急便が来た。台湾から4日でお茶が届いた。昼食の時に「龍井茶」と「碧螺春」を飲んでみた。両方とも緑茶で、発酵茶ではない。日本の緑茶は蒸してから炒るのだけど、台湾の緑茶は釜入り茶だ。茶葉の香りを嗅ぐと、碧螺春は香りはほとんどないが、龍井茶には香りがある。炒ったような香りかと聞かれても、うむむと唸るしかない。飲んでみると、明らかな違いがある。

龍井茶は、日本茶の新茶を飲んだときに、喉の奥で感じる香気のようなものが口の中に残った。緑茶の中でも高級茶として知られるのが、この龍井茶だ。
碧螺春は、これこそお日様の匂いのお茶だ。意識を集中しないと、お茶の正体がまるでつかめない。亭主殿も楽しみに飲んでみたのだけど「なんだ、何も味がないぞ」が第一声だった。たぶん、なかなか無くならないのがこの碧螺春だと思う。

なぜ碧螺春を買ったのかというと、朝日新聞に台湾の三峡で買った碧螺春が、安かったけど美味しかったと、投稿されていたからだ。この碧螺春が買いたくて、三峡祖師廟まで行って探したが、どこにも売っていなかった。聞いてもらうと「近所の農家の人が、お寺の境内で売ったのだろう」と言うことだった。・・という訳だから、別に後悔しているわけではないんです。

今日から私は、贅沢三昧だ。
10月3日
美味しかった碧螺春

今朝一番で碧螺春を煎れた。
見た目は高級茶の様相の碧螺春だ。姿は、龍井茶よりも数段上だ。美味しくないはずがないと、まづ香りを嗅ぐ。昨日は分からなかった茶の香が、ほのかに立ち上がってくる。脳細胞に、昨日はなかった鍵穴が、今朝は出来上がっていたようだ。

急須に茶の葉を入れ、湯の温度も適温で、湯飲み茶碗2杯分の湯を注ぐ。待つことしばしで茶を出すと、きれいな黄緑色だ。口に含むと、まづ甘い・・清涼な感じで、上等な日本茶を飲んでいるようだ。

亭主の感想を聞きたくて、さあさあと促すのだが、いつものようにヨーグルトを冷蔵庫から取り出し、蜂蜜をかけ、ヨーグルトを食べ終わってからお茶を飲む気だ。

やっと碧螺春を口に含んだ亭主に「どう?」と聞く。「うまいな。でも香りはないな」

そうなのだ。日本の緑茶は、茶の葉に高温の蒸気で発酵を止めるため、茶の葉の味と香りが残るが、中国・台湾の緑茶は、高温の蒸気を当てる代わりに、茶葉を釜で炒って、ほんの少し発酵させてから揉みと乾燥をして仕上げるので、日本の緑茶のような香りはなく、日向の香りがするという。あちらの国では、日本の緑茶は生臭く感じるらしい。

日本のお茶の種類は、煎茶にほうじ茶に抹茶くらいで、後の違いは産地と等級ではないだろうか。その煎茶すらも、最近は「やぶきた茶」一辺倒だ。在来種の茶は人気がなく、茶どころの静岡では在来種をやぶきた茶に植え替えてきた。でも、もうやぶきた茶は飽きた。もっと別の種類のお茶が飲みたい。

そんな時に、中国武威岩茶を飲んだ。目からうろこが落ちたように美味しかった。それから台湾の凍頂烏龍茶に出会った。このお茶は、我が家では大人気だ。誰でもいっぺんにファンになる。香りが良くて味も良い。誰も口に含んだ途端に目を輝かす。「なに、これ!」・・でも、ちょっとお高いのが難点です。

中国茶の魅力は、種類が多く、製法の違いがあり、そのため各々に味わいの違いがあると言うことです。
まだ中国茶の入り口に立ったばかりだけど、ゆっくりと訪ねていくつもりです。