土壌分析用語
1)土壌の酸性 土壌の酸性(H+)やアルカリ性(OH-)を測定し、土壌の健康状態が推定できます。 pHとは酸性かアルカリ性かを示す指標で、1〜14の数値で表します。 (土壌pHの測定方法の違い) 蒸留水出だした pH・・・土壌から遊離している水素イオンの濃度を示しますが、これは現時点での土壌pH値です。 IN−塩化加里液で出した pH・・・ 土壌に吸着されている部分を含めた全体の水素イオン濃度を示しますが、化成肥料等を施用したときの土壌pHと考えることができます。 作物によって適正phは異なります。 酸性土壌の作物生育阻害要因は、 @低pHそのものの害作用、 A可溶化する高濃度のアルミニウム、マンガンの害作用、 Bリン酸の不足、C塩基類、特にカリ、マグネシウムの不足、 D微生物活性(硝酸化成、窒素固定作用)の低下
2) EC(電気伝導度) EC(Electro Conductidity)とは土壌中に存在している肥料分の含有傾向を数値で表したものです。 電気は、純水の中は伝わらず、塩類(肥料含有量)が溶けた水の中であれば伝わります。その量は塩類の濃度に比例します。 特に、EC値と硝酸態窒素含有量とは比例関係が強いので、硝酸態窒素含有量を推定するのによく使われます。 ただし、水に溶け難い成分(有機態、緩効性成分)は現れない事、肥料以外(特に食塩分)の塩類含有量が高くてもEC値が上がってしまう事、などの点に注意が必要です。 塩類濃度が高すぎると、団粒構造が壊され、保水・通気・透水性が悪く、根腐れ等がおき易い。 各種の肥料障害も発生し易く、作物の収量・品質低下や、連作障碍の原因になります。 単位はmS(ミリジーメンス)やuS(マイクロジーメンス)で表す。 (1mS=1000uS)
3)腐植 理想値は5%以上 土壌中に供給された有機物、植物残渣や微生物遺体、微生物の利用残渣などです。 土壌生物群集によって分解され、炭酸ガス・水・アンモニア等の無機物となったあと、一部が暗色無定形の高分子化合物(腐植物質)となります。 腐植とはこの暗色物質と分解途中にある動植物遺体成分(非腐植物質)の全体を言います。 腐植物質は土壌の保肥力や緩衝能・団粒化に大きな影響を与える重要な物質で、地力は腐植を抜きにして語れない。粘土と腐植の複合体は地力で、非常に大切な項目です。
4) CEC(塩基置換容量、イオン交換容量) 単位:乾土meg/100g CECとは”Cation Exchange Capacity”の略 電気的にマイナスの土壌が、最大限どの位塩基(Ca・Mg・K・Na・アンモニア・H等)の陽イオンを吸着できるか、その量をCECと言い、肥効養分を蓄えておける量や緩衝力を示す数値。 土壌の肥沃度は、CECが大きい場合に高く、作物の生育もよくなる。 塩基置換容量(CEC)が小さい土壌では緩衝力も小さい肥培管理がむずかしい。 一般に、粘土および腐植の多い土では、塩基置換容量(CEC)が大きく、緩衝力も大きくなります。
5) リン酸吸収係数 土壌にはりん酸を吸着して無効化する性質があり、その強さを表わすのがりん酸吸収係数です。 りん酸吸収係数が大きい程、りん酸を吸着し無効化する性質の大きい。りん酸の吸着力が大きく効きにくいということです。 6) 有効態リン酸 土壌中で作物が利用可能なりん酸の量を表わします。通常10r/100g乾土以上は必要です。 7) 置換性塩基 作物の利用可能な塩基(Ca・Mg・K)の量を示します。 作物によって異なりますがCECの80〜60%で、Ca・Mg・Kが5:2:1の割合が理想。 8) 電気伝導度(EC)単位ミリモーmで表わす。 電気は、純水の中は伝わらず、塩類が溶けた水の中であれば伝わります。その量は塩類の濃度に比例します。 塩類濃度が高すぎると、団粒構造が壊され、保水・通気・透水性が悪く、根腐れ等がおき易い。各種の肥料障害も発生し易く、作物の収量・品質低下や、連作障碍の原因になります。 9) 苦土・加里比(Mg/K)、石灰・苦土比(Ca/Mg) 土壌中のCaとMg 、MgとKのバランスを示すものです。 土壌中にKが多量に存在するとMgがあっても作物が利用しにくくなります。 同様にCaも多いとMgの吸収を妨げます。 pH矯正のためにCa資材を用いる場合は、Mgとのバランスを考えて施用する必要があります。
腐植があると、多様な微生物が棲息し、生物相が豊かになり、植物が育ちやすいのです。 土が黒くなるのは腐植の色。 |