土つくり 耕楽園 いちじくの志田ファーム
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仮比重って何? 土の土台「土の土台は物理性の三相分布と仮比重というけれど、仮比重って何なの」 「土の重さだよ。植物の体を支えることも土の役割の一つなんだけれど、土壌微生物や植物を育てる理想な土の見本が団粒土だ。その団粒土の重さを基準にする。ちなみに、普通土壌微生物の重量は、土の重さの0.3〜0.8%くらいだ。」 「重さなら重さと言えばいいではないか。仮比重なんて言われるとやたら難しく感じてしまう。」 「土には、3つの重さ、があるんだ」 「ちょっとまった。いいか、難しい話はだめだよ」 「重さと言うと水分も含まれているそのものだよな。下図のA」 「またまた、難しい言い方して。そうだよ」 「仮の名前をつけよう。水が含まれているAを全体の重さ、水を飛ばしたBを固相(乾物)の重さ、ということにしよう」 「ということにしよう、って言ってもそうなっているのだろう。比重ってなんだよ」 「うん、重さを容積で割る」 「そうか、重さを容積で割る、から比重っていうんだな」 「そうだ」 「それが3つあるんだな」
「そうだ。右図のようにな」 「なぜ仮比重をつかうんだ」 「水が含まれているのは不安定だろう」 「ああ、そうか。土が含む水の量は一定ではないよなぁ」 「分かってくれた」 「わかった、わかった。式は分ったから土の測り方を教えろよ」 「その前にコーヒーでも飲もうか」 「数学に強かった?」 「なぜ数学が出てくるんだよ」 「比重を計るための土を100ml(ミリリットル)分確保するための容器をつくるためだ」 「容器たって、どうして作るんだよ。そう簡単には作れんよ」 「なぁに、ジュース缶でつくればいい」 「なぁ−るほど。今の缶コーヒー空き缶を使うってことか。円筒(円柱)の容積か、2πr×高さだったか、πr2×高さ?どっち!!」 「計算に必要な公式は、円筒(円柱)の容積=πr2×高さ、を使う」 「つまり、円筒(円柱)の容積=半径×半径×3.14×高さ」 「そこにノギスがあるから直径を測ってくれ」 「あいよ。・・・えぇ−と、・・・52mmだ。半径2.6cm」 「高さはどのくらいだ」 「待っていろよ、容積が100だから、高さは・・・=100÷(半径×半径×3.14)だよな、ってことは、・・・100÷(2.6×2.6×3.14)・・・わっかたぞ」 「何センチ」 「4.7センチだ」 「ほらできたぞ」 「なんだよ、おまえ、分っていたのかよ。意地が悪いな」 「自分でやってみなっきゃ。量ってみよう」 「生土は138g」 「乾かすときは直火におかないで遠火で15〜20分かけゆっくり乾かす」 「そのこころは」 「土中の有機物を燃やさないため」 「もういいではないか」 「これも量ってみよう」 「99gだね。こりゃいいや。仮比重の式に当てはめてみるってと、99÷100で0.99。お前さんが言う仮比重の理想値0.96〜1.06、理想的な団粒構造の0.97大雑把に言われる1.0にドンピシャだぜ」 「・・・・・」 「おもしろくなってきた。三相分布ってのもやってみようよ。式はどうするんだ」 「三相分布を出す式は、上の表の『土の三相 計算式』の通りだ」 「てぇことは、液相率%=138−99で39%、固相率%=99÷2.65で37%、気相率%=100%−(39%+37%)で24%。ありゃ、こちらはバランスが悪いね」 「理想が液相率%=30%、固相率%=40%、気相率%=30%。固相率の37%は許せるとしても液相率の39%は多過ぎ、気相率の24%は少な過ぎるね。透水性が悪いだろう。 「そりゃ困った。対策はあるよな」 「ある。なくてはならない。これは単粒構造なのだ。 「また聞くよ。」 「何を聞くんだよ」 「分らないことを聞くに決まっているではないか」 「エライ!解らないことが分ったのか。解らないことも分らないのかと思った。何を聞く」 「俺のところには多分仮比重が低いところがある。低い仮比重(0.8)を生物性が損なわないように改善する方法」 「判らねぇところが分っただけでも随分進歩したみたいだろう」 「そうだよな。判らねえところも見つからねぇじゃ話にならんもな。今日は有難うさん。お茶、ご馳走さん。また来らぁ」 彼には言わなかったが・・・・
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