土作り楽農耕楽園 微生物利用生態農法

連作障害

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地上部と同様に植物の根を巡って害虫や菌類、バクテリアなどが生活しています。

連作障害(急性萎ちょう症、ネコブセンチュウ)をおこしている、およびうどんこ病・灰色かび病・さび病・黒点病などのかび病をおこしている土壌では、その土壌に生活している病害微生物が占有して、有益微生物土壌障害・病虫害の発生要素を分解し作物の生育環境を浄化する微生物の数がとても少ないのです。いわゆる、微生物群のバランスが悪いのです。植物は、土壌生物の環境は大切です。土壌中に生物が居ないことはあり得ない。この多様な生物群に対して、強い抵抗力を持っているか、あるいはこれらの生物群がその植物の味方であり、親衛隊としてその植物を守ってくれるような土壌生物環境である必要があります。

(有益微生物とか有害微生物という区別は人間のエゴです。)

どうすれば、連作障害を防げるか?。
今までの技術では 1.土壌の殺菌 2.コンパニオンプランツの植栽 3.水耕栽培 4.有機物の投入 などがあります。

とくに1.3.を積極的に走る人たちは土つくりから逃避していると思うのだが。

我々は4.生有機物の投入をすすめる。

 土壌中に微生物のエサとして適度の有機物を施用すると、連作障害を克服できる。
土壌中に多様な生物が生育・生息させ、単一の病害菌の大発生する状態を防ごうというわけである。
土が豊か・・・土壌生物が豊かで調和がとれていれば、様々な生物が相互に関連しつつ生活し、単一の生物の大発生を招きにくい。

いちじくも連作障害がおきるが、私のいちじくは連作障害がおきない。

このいちじくの樹勢が衰えたり、カミキリムシにやられたりして歯抜け状態になってしまうことがある。いちじくを再生すべく、枯れた場所にいちじくの若木を植栽しても全滅してしまう。
 若木が枯死してしまったのは、土壌中の生物が単様化し、いちじくをターゲットにする菌類が多量に存在してしまうからです。親木が死んでしまう場所に幼い子供を植えても育つはずがない。大量の病害菌が待ちかまえているところに抵抗力のない赤ちゃんを植えたことになります。

 このいちじくの連作障害は、有機質を多量に土壌に投入することによって、軽減あるいは防止することが可能です。このことは連作障害のメカニズムを理解することに1つの示唆を与えています。土壌中に有機質があれば、多様な生物が生育・生息しており、単一の病害菌の大発生を防ぐことができるのです。

スイカやナス、トマトは連作を嫌う代表的作物の1つですが、そのトマトを同じ圃場で20数年間つくり続け(12月定植・3月から11月いっぱい収穫)30トン以上の収穫をしている人もいる。

結論から

連作障害の出やすい作物*アブラナ科とナス科の野菜)がありますが、土作りができていないからである。つまり、連作障害は土作り・土壌管理ができていれば出ないはずです。

連作障害のおもな原因は,
  @土壌病害虫(病害微生物)の優先であり、
  A根からの生育阻害物質の(植物自身が分泌する毒素によるもの。忌地(いやち)現象もこれに含まれる)分泌など 
  B土壌の物理性・化学性の悪化による生理障害 (土質〈土壌構造〉や、腐植不足・pH・養分濃度などによるもの)
  Cその他 

土には物質の分解能力(病害微生物をエサとする微生物・生育阻害物質をエサとする微生・物有機物をエサとする微生物)がある。連作障害の原因@ABを排除するのには簡単なことで『土質〈土壌構造〉の改善』(有機物資材の使い分け)、『微生物間のバランスの保持』(有機物資材の使い分け)、土壌診断による『施肥設計の実施』をすればよい。
自然生態系の中では連作障害は非常に起こりにくい。
    微生物・小動物攻撃 植物の遺体 分解    土ができる
       農薬のような人工物 微生物によって破壊微生物の減少で破壊不能土壌汚染
                                        
    @ 植物は根や葉から、自分自身に有害な物質を出している場合が多い
           自分自身に有害な物質が土に溜まり過ぎると同じ作物を作り続けることができなくなる。
           連作障害の一部はこうして発生する。土に分解能力がなければ連作障害はいたるところ
           で発生する。

    A 植物の根の周りには特有な微生物が群がっている。 
       同じ作物作り続けると特有な微生物が増加
       特有な微生物の中に有害な微生物がいれば作物は攻撃を受ける。
       連作障害の一部はこうして発生する。

 土には物質の分解能力がなければいたるところで連作障害が発生するばかりかゴミの山となる。
 土の中では、多種多様の微生物が多数いて激しい競争がある。 微生物間のバランスの保持 特定有害微生物の著しい繁殖は起こりにくい。
 病害菌といえども悪者にすることはできない。土の中の微生物は土を肥沃にするために無くてはならない。
 微生物の多い圃場は団粒構造もでき、地温も1〜2度高いという。地温1度は気温3度にも相当する。


土作り、土壌管理ができない人に輪作のすすめ

障害少しでも防ぐには

1 輪作
 畑作物は輪作が基本です。連作すると病虫害、雑草害が多発し、連作障害によって収量が下がります。養分吸収が違う作物、加害する病害虫が違う作物を組み合わせることで、土壌の劣化を防ぎ、持続的な生産が可能になります。

 合理的輪作の基本形は、[イネ科作物]−[マメ科作物]−[根菜類] とされています。
イネ科作物は有機物の還元量が多く、地力を増強する性質があります。
マメ科作物は窒素固定により土壌中の窒素量を増加させます。
根菜類は根の分布、収穫作業等により耕土を深く起こすことになり、深耕的な作用をします。

  *アブラナ科とナス科の野菜は連作してはいけない。
   アブラナ科植物はハクサイ,ダイコン,キャベツ,コマツナなどの菜類。
   ナス科はトマト、ナス、ジャガイモなど。長年続けると土壌病害が増えます。


2 接ぎ木苗を利用したり、耐病性の品種を利用する

土壌伝染する病気が原因になっているばあいは、土壌を消毒(薬剤を使用のほかに大陽熱を利用)

3 コンパニオンプランツ(共栄植物)」を植える(混植)
  大根にアフリカマリーゴールド、スイカ・キュウリに長ネギ

4 ネコブセンチュウ対策
 有機栽培を目指す人:微生物資材バストリア〜3年継続で効果
              微生物資材ネニソイル〜300kg
        
コンパニオンプランツのおもな例
作物 相性がよい作物 有益な花やハーブ
アスパラガス トマト、パセリ バジル、マリーゴールド
イチゴ ネギ、ホウレンソウ、レタス、マメ タイム
エンドウ カブ、キュウリ、トウモロコシ、ニンジンラディッシュ、マメ類 チャイブ、ミント
カボチャ トウモロコシ、メロン キンセンカ、マリーゴールド
カブ エンドウ
キャベツ インゲン、エダマメ、キュウリ、ジャガイモ、セロリ、タマネギ、トマト、ホウレンソウ、レタス
キュウリ インゲン、エダマメ、トウモロコシ、トマト、ラディッシュ キンセンカ、マリーゴールド
サツマイモ ゴマ
サトイモ エダマメ
ジャガイモ エンドウ、キャベツ、マメ キンレンカ、マリーゴールド
セロリ キャベツ、トマト、マメ キンレンカ、チャイブ、ニンニク
ダイコン ナガネギ
タマネギ イチゴ、キャベツ、トウガラシ、トマト、ニンジン、ニンニク、レタス カモミール
トマト アスパラガス、キュウリ、セロリ、トウガラシ、ニンジン、ニンニク、ネギ キンセンカ、チャイブ、バジル
マリーゴールド、ミント
トウガラシ タマネギ、トマト、ナス、ニンジン、ネギ
ナス トウガラシ、ピーマン、マメ マリーゴールド
ニラ シシトウガラシ
ニンジン エンドウ、タマネギ、トウガラシ、トマト、マメ、ラディッシュ
マメ類
(つるあり)
エンドウ、トウモロコシ、ニンジン キンセンカ、マリーゴールド
ローズマリー
マメ類
(つるなし)
イチゴ、エンドウ、キャベツ、キュウリ、ナス、ジャガイモ、ラディッシュ キンセンカ、マリーゴールド
ローズマリー
メロン カボチャ、トウモロコシ、ラディッシュ アサガオ、キンセンカ
マリーゴールド





連作を嫌う野菜とその作付けの間隔
作付けを空ける年数

野 菜 の 種 類

6〜7年 ナス、スイカ、エンドウマメ、ゴボウ
4〜5年 サトイモ、トマト、ピーマン、トウガラシ、メロン
2〜3年 キュウリ、ソラマメ、インゲン、ニラ、レタス、ハクサイ、セロリ、イチゴ、ミツバ
1年 ホウレンソウ、コカブ
短く見積もっても
科名 種類名 連作間隔 作りやすさ 科名 種類名 連作間隔 作りやすさ
アブラナ科 キャベツ 2年 マメ科 エダマメ 2年
ハクサイ 2年 サヤエンドウ 6年
ブロッコリー 翌年 サヤインゲン 3年
カリフラワー 2年 ウリ科 キュウリ 2年
コマツナ 翌年 カボチャ 翌年
トウナ 翌年 メロン 2年
チンゲンサイ 翌年 A スイカ 6年
ダイコン 2年 A キク科 レタス 2年
カブ 2年 A ゴボウ 6年
ユリ科 ネギ 翌年 シュンギク 翌年
タマネギ 翌年 セリ科 ニンジン 翌年
ニラ セロリ 2年
ニンニク 翌年 パセリ 2年
アスパラガス アカザ科 ホウレンソウ 翌年
ラッキョウ 翌年 フダンソウ 翌年
アサツキ 翌年 ショウガ科 ショウガ 2年
ナス科 トウガラシ 2年 ミョウガ
ジャガイモ 翌年 ヒルガオ科 サツマイモ 翌年
ナス 6年 サトイモ科 サトイモ 4年
トマト 4年 シソ科 シソ 翌年
ピーマン 4年 イネ科 トウモロコシ 翌年
ヤマノイモ科 ナガイモ 3年 アオイ科 オクラ 翌年
ジネンジョ 3年 バラ科 イチゴ 2年
      注:作りやすさ A…つくりやすい   B…少し難しい  C…難しい


連作による相性の悪い組み合わせ
前作の野菜 相性の悪い後作
ナス トマト、ジャガイモ、ピーマン
エンドウマメ ホウレンソウ
ソバ カブ
ナス、セロリ、ハクサイ サツマイモ、ダイコン
サツマイモ カブ
キュウリ ニンジン
ジャガイモ エンドウマメ、ショウガ
ダイコン ピーマン

連作しても障害の出にくい野菜
野 菜 の 種 類
ダイコン、サツマイモ、カボチャ、コマツナ、ニンジン、タマネギ、ネギ、ニンニク、ミョウガ、フキ