土は上からつくられる
『健康な土 団粒土』でも書きましたが、自然の森の中では、晩秋になると木々が落葉して、地面に堆積して冬の間布団のかわりをして、夏は乾燥を防ぎながら、小動物・微生物のエサになって分解され、腐葉土・土中堆肥となって土に帰っていきます。 自然ではこのように上から土がつくられています。 深耕して有機物を土の奥深く入れるというのが常識になっています。 この方法だと金や手間がかかります。 私は、有機物を土の表面に置くマルチ使用、ごく表層に混ぜる、程度にしています。 養分を吸う根は土の表層に集まっています。表層施用の有機物は根と土壌生物を守り、土壌生物たちによって土中にしみ込んでいき、根に効率よく利用されていきます。 微生物や作物の根が土つくりをしていることを忘れてはならない。 根と根圏微生物に着目して、良質なものを根の近く(遠からず、近からず)に用意して賢く使う。 有機物や肥料の施用は根の発達しやすい条件、根圏微生物の活動しやすい条件をつくってやることです。 有機物を闇雲にぶち込むのではなく、根と微生物の協力関係を支援する立場を常に念頭に入れておく。 |
有機マルチの薦め
有機マルチの必要性 認識しておかなければならないのは、堆肥や有機物を土中深く入れるのは人間以外にいない、土壌の大気とのガス交換の良好な深さは、15cmまでである、ということです。 昨今の農薬使用増加と有機物の過剰投入による、土壌の酸素不足と植物の真下からの炭酸ガスの供給不足がおきていると思われます。 適量の泥炭や有機のマルチは、炭酸ガス供給を実現し、酸素の多い土壌中で無機養分に向かって根が伸びていき、毛細根吸収を実現します。 数ヶ月間土壌表面で、炭酸ガスと無機養分を供給した有機は、その腐植酸とケイ酸に水分及び肥料成分を抱え込みながら、次作と未来の健全な土壌形成に多大な貢献をします。 以降、前作の堆肥は土壌中に混合され、本作用に泥炭や有機のマルチを行います。
根は表面に集中 庭にある植物の根は、裸地状態の極端な乾燥、降雨、踏みつけなどで表面に分布できず、地中に侵入しますが、自然の環境では、ほとんどの根が表面に張っています。 根は新鮮空気が必要 植物の根は、湿度100%の水分があり、酸素があれば肥料分が無くとも積極的に毛細根を発生します。 3次根以上の根や、毛細根は、2次根までの根の総面積の10〜100倍以上に相当し、特にリン酸、カルシウムの吸収に貢献します。 葉には、炭酸ガス 有機物は土壌中には存在せず、表面に堆積しているだけですが、土壌と接触する部分と、大気に触れる部分では、好気性微生物が活発に活動し、炭酸ガスを発生します。 炭酸ガスは、真下から 350ppmの炭酸ガスが3倍の1,000ppmになると植物の生育量、生育速度は2倍になります。 早朝の透明感のある光と、しっとりした大気に放出される真下からの炭酸ガスは、夜間に成長した葉面に直接吸収され、新鮮な酸素を放出しながら、光合成をします。
ビニールマルチ色と効果の関係 透明 地温の上昇、保温が中心。雑草は良く生えるので肥料の管理が重要。 黒 雑草防除のみしか効果はない。黒い色なので地温が上がると思われる方がいると思いますが、ビニールが熱を全て吸収してしまうので効果がありません。逆に地温上昇を防ぐ効果があります。 白、銀・シルバー 地温上昇を防ぐ効果、除草、虫害防除の効果がある。虫害防除の理由は、下から太陽光が反射するため、アブラムシなど直射を嫌う虫よけになる。 わら 地温上昇を防ぐ効果、除草、使用後は堆肥としての利用ができる。わらは、適度に水分を蒸発させるので他のマルチと違って根腐病を予防できる。 緑色で透明なもの 緑色で透明なもの 地温上昇、除草の効果がある。地温の理由は、半透明なためである。除草の理由は、植物は緑色の波長を浴び続けると生育が疎外されるためである。
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