土つくり 耕楽園 いちじくの志田ファーム

ひゃくしょう

Health and environment

土つくり耕楽園 小さな農場からの情報

アミノ酸

近所の家庭菜園家、メールなどで何回か質問がありましたので簡単に説明しておきます。

人間の体の20%

人の体の約70%は水です。そして、20%がアミノ酸(たんぱく質も含む)です。アミノ酸は人間の体の細胞、ホルモン、酵素などを形成する他、体にとって様々な重要な機能を担っています。体内で筋肉や臓器のもとになるタンパク質を構成しているのがアミノ酸です。わかりやすく言えば、アミノ酸という部品が集まってタンパク質が構成されて人の体ができているのです。人はアミノ酸からできているのです。

人の体のタンパク質は20種類のアミノ酸からつくられ、たえず分解されては合成されるという新陳代謝を繰り返しています。そのサイクルは約50日間で、体全体のタンパク質の半分が新しくなるそうです。

「体の中から美しく健康になりたい!」とは誰もが願うことです。それに応えられるのがアミノ酸のもつパワーかもしれません。

タンパク質を構成する主なアミノ酸

必須アミノ酸

非必須アミノ酸

●バリン(Val)

●グリシン(Gly)

●ロイシン(Leu)

●アラニン(Ala)

●イソロイシン(Ile)

●セリン(Ser)

●トレオニン(Thr)

●システイン(Cys)

●メチオニン(Met)

●チロシン(Tyr)

●フェニルアラニン(Phe)

●プロリン(Pro)

●トリプトファン(Trp)

●アスパラギン酸(Asp)

●リジン(Lys)

●グルタミン酸(Glu)

●ヒスチジン(His)

●アスパラギン(Asn)

●アルギニン(Arg)

●グルタミン(Gln)

アルギニンは乳幼児の場合のみ必須アミノ酸

主なアミノ酸パワー

体力・筋力

バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン

疲労

リジン、シスチン、アルギニン、アスパラギン酸

免疫力

アルギニン、グルタミン、リジン

脳の働き

グルタミン、トリプトファン、グルタミン酸

神経機能

イソロイシン、チロシン、トリプトファン

体脂肪

グルタミン、リジン、プロリン、アラニン、アルギニン

ヒドロキシプロリン、プロリン

植物にとってのアミノ酸は

タンパク質は植物・動物の細胞を構成している原形質の主成分です。植物を含め、生物の身体は細胞から成り立っています。その細胞を作る基本物質はタンパク質です。アミノ酸はタンパク質を作る部品(成分)ですから、生物にとって無くてはならないものです。

 植物は、葉が光合成で作り出した炭水化物と根から吸収した窒素・リン酸、カリウムなどの高分子有機物・無機養分を原料にタンパク質を合成し、細胞を組織して生長します。

 葉の働きは主に「光合成」と「蒸散」です。光合成は葉肉細胞にある葉緑体で行われ、炭水化物を作り出します。蒸散は気孔から水分を蒸発させ、根からの水分吸収を良くする他、植物体内の水分量の調節と葉肉細胞の温度を下げる働きもあります。

 根の働きは主に土壌中の「高分子有機物・無機養分と水分の吸収」です。土壌から水分と水に溶けた状態の養分を吸収し、葉から呼吸された二酸化炭素、光合成で作られた炭水化物と合成してアミノ酸などに合成されながら地上部に送られて生長のために役立てられます。(高分子有機物は根からの吸収のみならず、葉面からも直接吸収され活用される)

ボカシ肥料などでアミノ酸生成させて与えれば葉でアミノ酸生成の過程を省くことが出来有利です。

主なアミノ酸の効果

アラニン

甘み、うま味を高める

シスチン

うま味を高める。色を良くする。

グリシン

甘み、うま味を高める。耐寒性を高める

メチオニン

うま味を高める。根の成長促進。

バリン

うま味を高める。根の成長促進。

フェニルアラニン

うま味を高める。成長促進。

スレオニン

うま味を高める。成育促進。

アスパラギン

うま味を高める

セリン

うま味を高める。根の成長促進。

リジン

うま味を高める

ロイシン

うま味を高める。色を良くする。

グタミン酸

実の成育促進。根の成育促進。

イソロイシン

うま味を高める。

アルギニン

うま味を高める。

プロリン

華芽を作る、色を良くする。

ヒスチジン

実の成育促進、根の成育促進。

有機質のタンパク質にチッソ成分がありますが、根はタンパク質を直接吸えない。土壌微生物によってアミノ酸に分解されて根に吸われる。

アミノ酸の形で与えると施肥効果が素早く現れ、植物体で作られた糖の消費がなく、うま味や成長に集中できます。