水五訓 常に自己の進路を求めて止まざるは水なり 障害に逢いて激しくその勢いを百倍しうるは水なり 自ら活動して他を動かし得るは水なり 自ら潔して他の汚れを洗い、清濁併せて容るる量あるは水なり
水清ければ魚棲まず あまり水が澄んで透き通っていたのでは魚も隠れる所がないのですまない。人もあまり清廉すぎると、人に親しまれず孤立してしまうこと(孔子家語入管篇)。 水清ければ月宿る 心の正しい人には、神仏の加護があらたかであることのたとえ(神霊矢口渡) 水滴りて石穿つ 雨垂れ石を穿つ(鶴林玉露)。 水の低きに就くごとし 自然の勢いは、止めようとしても止められないこと(孟子)。 水は方円の器に随う 人は交友・環境の善悪によって良くも悪くもなる 水広ければ魚大なり 君主の度量が大きければ賢臣もそれに集まること(淮南子)。 水を向ける 巫女が神寄せをするときに、たむけの水をかけることに基づく。 水は湿りにつき火は乾につく 因縁のある方に動くたとえ。 水火の争い 正反対の立場で仲が悪いこと(顕昭陳状)。 水火を辞せず 水におぼれ火に焼かれるほどの苦痛をも物ともせず動く。 水鏡私無し 水と鏡は物の姿をそのまま写して公平であることのたとえ(三国蜀志)。 水魚の交わり 君臣の間柄の親密なこと(三国蜀志)。 君子の交わりは淡として水の如し 玉水・神水 唾液の別名 宝水 寝る前に飲む水のこと。 水は生命の根源である ターレス(古代ギリシャの哲人) 上善は水の如し 最高においしい酒は水のようだ 万物の根元(もと)は水ぞと喝破せし哲人ありき三千年の昔に 三笠宮崇仁(たかひと)親王の歌会始めの献詠歌 一切の味は、水を籍(か)らざれば、其の味を発する能(あた)わず 幸田露伴の「水の味」の一節 |