シマロン文化とローマ最盛期


 
作中にあるシマロンの文化と、ローマの最盛期…正確にはそれを過ぎて
やや下降になったときの感じが似てるなあ…と思います。
どの国の文化もそうかもしれませんが、円熟し、最盛を誇った文化もいつかは衰退していきます。
そしてその裏には、少なからず人々の退廃があるように思うのです。

 眞魔国と勢力競争をしている、大小シマロンにもまたそんな香りのする文化が
ちらほら垣間見えていて、衰退傾向にあるのではないかと思わずにいられません。
海賊船で襲われた船で、人々が食べ残した肉や骨を床に撒き散らしていたり、
おそらくは総経費が国から出されていると見られる天下武や、海賊同士を戦わせる拳闘の祭典、
その競技場の存在。享楽的な観衆。
いずれもローマが最盛期からやや過ぎたころと共通しています。
おそらくインフレを通り過ぎて、デフレ気味。
いつぞやの偽札騒動から見ても、貨幣の価値が下がってきている可能性あり。
奴隷の労働力を使うにしても、市民層でもかなりの貧富の差があって二極化は進んでいます。
なんかすでに、経済的には傾いてる印象。 詳しく紐解けば、永きにわたる侵略の裏には
深刻な台所事情がありそうです。
(でも人々は享楽にふけっているの。まさに退廃ですね)

 また小シマロンには、若き少年王サラレギーの存在がありますよね。
(港や公共施設に、自分の名前をつけるとこもローマ皇帝みたいだ)
彼は野心に燃え自国の繁栄と、自身の名誉のためにすべてを注ぎ込んでいるようです。
おそらくは、多くの国費と人的財産を浪費して。
でも、こうした姿が明らかになるたびに、やがては己の臣下の裏切りにあったり、
蜂起した民衆に倒されていった、歴史上の人物を彷彿とさせます。
 実際反乱分子もありましたし。
…なんか荒れそうですね。    国民がかわいそうだなあ。


                     05.01.吉日