2005-04-16


ギーゼラ/ルツ * ぼるたん/光門寺さん * ムラケン/ナンダさん

この話のプロローグは、表の絵茶ログ参照



『慈悲』


「ん…むぐ……」
ユーリ以外のものを、口に含むなんて思ってもいなかった。
だが、いまヴォルフラムは大事な王の親友で、この国では王と並ぶ権威の持ち主のモノを舐めていた。
以前この部屋でギーゼラに指導を受けたときは、実物ではなく雄の型をした張り子だった。
でも、これは違う。自分と同じ…いや幾分か大きい本物。
あの授業から、いまだにユーリとの交渉はないから、ヴォルフラムが生身の身体の中心を口に含むのは
これがはじめての経験ということになる。
 以前仕込まれたとうりに順番を守って進めるが、肝心の大賢者である村田の反応はいまいち薄いようだ。
それを静かに正視していたギーゼラが、ふいに二人に近づいて言った。
「閣下、ちがいます。以前私が教えた風ではありませんよ? もう忘れてしまったのですか?」
自分が間違っていると指摘され、カチンと来たヴォルフラムは口を離して言い返す。
「間違ってなどいないぞ!手順どうりにちゃんとやっている!」
 だが上でくすりと笑う気配して村田が言った。
「こういうのは特に、経験×回数…って法則だからねえ。仕方がないよ」

 一生懸命やっている自分に対しさらりと言われて、余計に血が上ったヴォルフラムは
広いベットの上から身を起こそうとした。
だが、横に立っていたギーゼラはそれを許さず、再び村田のそれにウォルフラムの顔を持っていく。
「だめです閣下。さあ、もう一度、最初からやり直してください」
そして、村田に向かって言った。
「すみません、猊下。私の指導が未熟で…失礼ですが、実技指導を行いながらもう一度やり直しさせますので。
 よろしいでしょうか?」
「うん、いいよ。そのほうが、面白そうだし…」
村田の最後の一言に、ウォルフラムは羞恥と怒りでシーツをぎゅっと握り締めた。
必死で感情をこらえてうつむいていると、ギーゼラの手が彼のズボンを下ろし始める。
「…っな…っ!?何をする気だギーゼラ!」
振り返って叫ぶと、強い力で顔を元の位置に戻される。
そして、まるで子供のオムツを代えるときのように転がされ、あっというまに下着まで剥ぎ取られた。
「閣下、ではいまから私がするように、猊下になさってくださいね」
言い終わると同時に、ヴォルフラムのものを咥えて、刺激していく。
「…ひ、ぁっ!! っっ…ん!!!」
「ほら、…こうです! 真似してください」
「っっ!!!」
有無を言わさぬ強い口調と、久しぶりの自身への舌の感触に身を震わせながら、さっきまで口にしていた
男のものを、再び口に含む。
そして、いままさに自分が受けている刺激を必死に真似て舌を動かしていく…。

ギーゼラの舌は、いつも的確に快感の的を刺激してくる。
後ろの果実から、裏筋をたどり、尿道をかき回すように舌をうごかす。
「んっ…ん……っ。ふ…」
すぐにヴォルフラムの下半身がじんわりと熱を持ち、思考があいまいになっていく。
だが、それでも必死で自分の快感と戦いながら、教えられるとおりに舌を動かした。
すると、彼の口の中に含んでいるものがみるみる反応を示しはじめて、
今度こそ自分の刺激により、相手が快感を感じているのが伝わってきた。
ただその前にギーゼラから受けている刺激が強すぎて、思うように舌が動かせないことも
しばしばで、それを悟られまいと、余計に必死なった。

やさしく、強く繰り返される刺激。
やがて、口の中にじんわりと味のあるものが加わっってくる。
それはヴォルフラム自身からも、先ほどから流れ出ているものと同じものだろう。

もう少しだ。
 これが終われば開放される…!

その一念で、震える腰に涙をながしながら、開放を促していくと「ウッ…」という短い呻きのあとに
白い液体が、ウォルフラムの顔を汚した。
 そしてヴォルフラム自身も少し前に限界を迎えていた。
「っつ…はあっ…はあっ…はあ……」
荒い息で顔を上げると、村田は薄くわらって告げる。
「やっぱりお手本があると、違うね」
いつもなら、その台詞に憤慨するだろうが、自分の精を開放したばかりのヴォルフラムは
相手をきつく睨むのが精一杯ので、いつもの悪口雑言は出てこない。
それに、これで終わったという開放感が彼を無口にしたのかもしれない。
 だが、そんな考えは甘かったと、すぐに後悔した。
不意に与えられた、新たな刺激がそれを証明する。
「はぁ…はぁ…ッッウ !!」

 ようやく開放されたと思ったのもつかの間、ギーゼラがヴォルフラムの後孔に舌を差し込んできた。
「ああッ……!!ギーゼラ!!なにす…」
とっさに叫んで身を起こすとと、ぴしゃりと尻をはたかれた。
「閣下!暴れないでください!準備しないとお辛いのはご自身ですよ!!」
そう告げて、今度は指を挿れてかき回してくる。
「ひっ…!!」
いつか受けた快感を思い出して、果てたばかりのヴォルフラムの中心が
再び熱を持って、勃ち上がってくる。
縋るところもなくて必死にもがくウォルフラム。その屈辱に耐える顔が、
かえって男を悦ばすことになるとは、本人はきっと分かっていないだろう。
その官能的な表情を楽しみながら村田は、あえぐ彼の顔にはりついたままの白い液をぬぐってやる。
そうして誰ともなく、つぶやくように言った。
「やっぱ、そっちもするんだ?」
「や…やめろ!ぼく…はっ……ンっ  もう十分だっ!!放 …ああっ!!!」
だがギーゼラは、もがくヴォルフラムを許さず、さらに舌を這わせながら返す。
「だって、こちらに頂かなくては、御慈悲を頂いたということにはなりませんでしょう…。
いただけますよね。猊下?」
「うーん、さっき、いいよって言っちゃったから。仕方ないね」
「ありがとうございます。さ、閣下もう一度、猊下を元気にしてあげてください」
そう言いながら、彼女は前立腺をぐりぐり押し上げた。
「いッ……あああああっっ!!」
当然答えられるはずはなく、ウォルフラムは身体をひきつらせて悲鳴に近い嬌声をあげる。

 くりかえされる快感の波。長い夜が、再び幕を明けた。 





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張子は拡張訓練で、何度も挿入された。
けども、熱い血の通った他人の身体の一部を受け入れるのは
これが初めて。


先ほどから石造りの部屋に聞こえるのは、クチュクチュという粘着質の響きと、
美しいアルトの、苦しげな喘ぎばかりだ。
「くっ…あっ……はっ…は…あ……んぅっ」
「閣下、ここ。ここにちゃんと当ててくださいね。」
そう教えながら、ギーゼラが教える箇所は以前開発されていった自分の快感の源だ。
あの時もいまと同じで逆らうことを許されず、身体を開かれていった。
「ん…っ分かった…から…。もう……よせっ!」
瞼をぎゅっと閉じて、自分の準備を進める相手に懇願する。
その切なげな表情を楽しむように、ひそかに村田は目を細めた。

「……そうですね。そろそろ…猊下も準備のほうよろしいようですし」
「うん。フォンビーレフェルト卿ががんばってくれたからね」
「…っ!!!」
村田はいつも素直な感想を言っているのに、ヴォルフラムはそれを
素直に受け取れない。
「そんなところが可愛いんだけど…昔からね」
そのつぶやきは口には出さないが、遠い記憶の中の大切な相手もそうだった。
眼が合うと、きつく睨みつけてくる眼差しが蒼かったら、どんな汚い手をつかっても
この親友の、美しい婚約者を自分だけのものにしただろう。
そんなことを考えて、伝説の大賢者と呼ばれる男は自嘲の笑みをもらす。

「じゃ、行きますよ?猊下」
「うん、どうぞー」
目の前の大賢者に確認をとると、ギーゼラはヴォルフラムの中に指を差し込んだままで
細い腰を上げさせる。
「…いっ…つ…」
「では閣下、もう少しお尻を持ち上げて…」
「んっ……く…」
「そう。良く出来ましたね。ではそのまま前に進んで…」
言われてもぞもぞとヴォルフラムが動き出す。
そして目の前の男の中心に、身体を合わせた。
「閣下、正面座位の格好で行うときの注意点を覚えていらっしゃいますね?」
「…ああ。覚えている」
「よろしい。ならちゃんと、猊下にご満足いただけるように腰をつかうこと!」
「…分かった」
言ってからおずおずと村田の肩に片手をおいて、もうひとつの手で自分の受け入れ口を開く。
そうすると、挿入されているギーゼラの指が抜かれた。
「ちゃんと、奥まで指をいれて、開く。さあ、やってください」
「んんっ……っ」
「そうです。それから?どうしますか?」

ヴォルフラムはゆっくり腰を落としていく。
そして、村田のものが指と、広げているそこに当たるとびくりと震えた。
許されるものならば、叫んで逃げ出したい。
ここに迎え入れたいのは、こいつなんかじゃない。
そう思っても、現実はそれを許さない。

わななく唇をかみ締めて、ヴォルフラムはゆっくり身体を開いていった。



FIN






ムラプ+ギーゼラというよりも
ギーヴォル+ムラケンと言ったほうが正しいですね。
気が向いたら、続くかもしれませんが、ひとまずおわり。