東京2002・夏(その1)
2002・8/29〜30


 
東京は暑かった。
 それでもこころなしかミンミンゼミの鳴き声は力がなく、やはり夏も終わりに近づいていることを感じさせる。

 まっさきに向かったのは『ゆとりの空間』。――『すてきレシピ』の栗原はるみさんプロデュースのお店だ。
 今回私はこのお店ともう1か所に足をはこぶことができればそれで満足。あとは娘たちにつきあって歩くつもりだった。



 東京へ着いたのが12時35分頃。新宿まで行き、コインロッカーに荷物を預けて原宿へ。原宿の駅から『ゆとりの空間』までは歩いて7〜8分。
 暑い〜。まだなの〜〜。おなかすいた〜〜〜。ぶーぶー言う娘たち。
 
 ほら、あそこ。…リニューアルしたって書かれてたけど、2年前とあまり変わってないみたい――と思ったら、なんとなく鼻の奥がツ〜ンと。
 着いてすぐに2階のレストランへ。
 ランチタイムのピークを少し過ぎていたので、満席だったけど少し待っただけで窓際の席にすわれた。
 ここのメニューは『すてきレシピ』で紹介されている栗原さんちのごはん。

 今週のメニューは

 「ごちそうさまランチ」  ほくほくコロッケ
  (1800円)       アスパラ肉巻き
               鮭の幽庵焼き
               ブルスケッタ
               (フランスパンのガーリックトーストにトマトがのっている)
               にんじんとさつま揚げのきんぴら
               たたききゅうり
               マンゴープリン

 「ライトランチ」      ほくほくコロッケ
  (1200円)       マーボーなす
               にんじんとさつま揚げのきんぴら
               たたききゅうり

 どちらもごはんと味噌汁、漬物、飲み物つき。
 ななみが「ごちそうさまランチ」、私は「ライトランチ」。サキは「かじき鮪のから揚げ」セットを。
 デザートは別に、「ごまゼリー」と「チョコレートケーキ」を注文。
 
 デジカメを忘れてしまい、写真が撮れなくてすっごく残念!
 ランチはひとつのお皿に盛り付けてあって、サキが「うちでもこうやってひとりずつ盛り付けて!」と言った。
 味は…ほんとに栗原さんちのごはんって感じだった。
 マーボーなすの味はとっても濃くて、それだけでごはんがたくさん食べたくなる…というか、ごはんがなければ食べられない、というくらい濃い味だった(私にとっては)。
 サキのかじき鮪はねぎがたっぷりのせてあって、たれがおいしかった。
 とってもゆったりした雰囲気で、時間を気にすることなく過ごせてよかった。
 レシピは非公開というごまゼリー、これがおいしかった!

 トイレがまたすてきだった。しばらく見とれて、そこで過ごしたくなるくらいだった。
 あんな洗面所が作れたらどんなにいいだろう…
 壁一面の鏡、ガラスの洗面台。その上にセンスよく活けられた花。あんなふうにすっきり豪華に活けられてるのを初めて見た。蛇口もおしゃれで、ああいうの初めて見た。トイレへ行くのが楽しみになっちゃうな。(デジカメ〜〜)

 食事の後は1階のショップへ。
 私はエプロンを買うつもりだったのだ。
 栗原さんがつけているドレッシーなエプロン。



 2年前に『ゆとりの空間』へ来たとき、癌で闘病中だった伯母(その頃はまだ元気だった)に、スカーフを買っていった。
 栗原はるみさんは好きだ、と言って伯母はとても喜んでくれた。
 「栗原さんがしてるようなエプロンもあったよ。」と言ったら、
 「買えばよかったのに。」と伯母。
 「だって、高いんだよ〜。9800円とか。」
 それを聞いた伯母は、ちょっと考えた末に「じゃあ、私が元気になったらそのエプロンをYoshikoに買ってあげる。」と言ってくれたのだ。
 「ほんと!元気になってよ!」
 …そう答えながら、それが現実になることを祈った私だったが…。

 昨年9月、伯母は帰らぬ人となった。
 果たされなかった約束。
 でも私は、それがいつか現実になるような気がしてならなかった。
 そして私が『ゆとりの空間』でエプロンを買えば、伯母も安心してくれるんじゃないかというような、そんな思い込みすら…。
 ――エプロンを買おう。
 それが、今回の目的のひとつにもなってしまった。

 私はエプロンを買った。
 伯母に話したようなドレッシーなエプロンは、今の私にはどう考えても似合わない。結局今の私の心境、状況にいちばん近いかなというエプロンを購入。
 でもいつか、あのエプロンを…。そう思いつづけている間は、伯母との約束もずっと生きつづけているような気がする。

  

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