大好きな絵本たち

ヴァージニア・リー・バートン

いたずらきかんしゃちゅうちゅう
 バージニア・リー・バートン 村岡花子訳 
 福音館書店
ちゅうちゅうはきれいなかわいい機関車。
客車や貨車を引っ張って、小さな町から大きな町へ走ります。
ある日、ちゅうちゅうは考えました。「私ひとりだったらもっと早くはしれるのに。そうしたら、きっとみんなが立ち止まって『あれ、みてごらん。なんてきれいなすてきな機関車だ!ひとつだけではしっているよ』って」
ちゅうちゅうはたったひとりで走り出しました。ところが、うしやうまも、ひともびっくり。じどうしゃもトラックもあわてて、ぶつかりあってしまいました。
ちゅうちゅうはとまろうと思ってももうとまれません。そして、もうなん年も使っていない古い線路に入っていってしまいました…。


 ―男の子が好きな絵本と女の子が好きな絵本は違う。と、決定的(?)に思ったのがこの絵本でした。
 サキやななみは、この絵本に興味を示しませんでした。
 ところがこうへいは、1歳を過ぎた頃この絵本を読んでやったところいっぺんで気に入ってしまい、それから毎日、何回も何回も読む日が続きました。多いときは5、6回も。
 白黒の地味な絵本ですが、ちゅうちゅうがほんとに生きて動いているみたいに迫力があるのです。何度も読んでいるうちに、私もちゅうちゅうが大好きになってしまいました。
 こうへいはなにしろ電車が好きで、トーマスのおもちゃを地面に寝転んで、目線を車輪と同じにしてずーっと動かすんですよね。男の子ってみんなこうして遊びますね。不思議で不思議でたまらないことのひとつです。(そのうち興味は『きかんしゃトーマス』へ移っていってしまいました)
マイク・マリガンとスチーム・ショベル

 バージニア・リー・バートン  石井桃子訳
 童話館
 
マイク・マリガンがもっているスチーム・ショベルの名前はメアリ・アン。きれいな赤いショベルでした。
マイクとメアリは何年も一緒に穴を掘っていましたが、そのうち、新式のショベルが発明されて、メアリの仕事はなくなってしまいました。
マイクはいなかのちいさな町へ行き、役人のスワップさんにたのんで、市役所の地下室を掘る仕事をやせてもらいました。たった1日で掘ると約束したのです。メアリはいっしょうけんめい掘ります。たくさんの人が見物にきました。―ほかの町の人たちもやってきました。「はやく!時間がないぞ!」
マイクたちは日がしずむ時、地下室の穴を掘ってしまいました。しかし…。
「メアリ・アンは穴から出ていない。仕事はまだ終わっていない。」スワップさんはいじわるそうに言うのでした。
しかし、それまでおとなしく見ていた男の子が言いました。「メアリの上に市役所を建てればいいよ。」
―メアリの上に市役所は建てられ、メアリはボイラーとして大活躍するのでした。

 ―バートンは、『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』を長男のために、そしてこの『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』を次男のために書いたそうです。
彼女のふたりの息子さんに対する思いがいっぱい伝わってきます。
福音館書店から出版されていたこの本ですが、絶版になっていました。何年か前、復刊絵本として出たときにある本屋さんに(もうとっくに売り切れたはずなのに)並べられていたのを、バズハウスのおじさんが教えてくれたんです。「買い占めちゃおうかと思ったけどさ」って。「やったー!」と、すぐ走っていきました!(そのとき一緒に買ったのがベスコフの『ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん』でした)

絵本と過ごした日々