| この場所で会いましょう |
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□はじめに ここに書かれた文章は私自身の体験談ではありません。 Kittyさん(仮名)の体験談を本人の許可を得て私が文章としてまとめ 当HP上で公開しているものです。 前回「この場所で会いましょう」1・2・3ではKittyさんからお聞きした話の 内容を私がまとめたものを公表した訳ですが、 今回完結となる4ではKittyさん本人にメールで書いて頂いた内容を ほぼそのままの形で皆さんにお届けしようと思います。 これは何故かと言えば、私が手を加える余地等全くないと判断した為です。 彼女の痛いくらいにSEPIAを想う気持ち、それがメールを通して 伝わりました。このような素晴らしい話に私などが加筆したりすれば、 全てが台無しになる、そう思いました。 上記の理由から今回は導入部分とプロローグ以外はKittyさんの手に よるものとなっています。 という訳でこのエピソードの掲示板や、 HPでの文章のコピペ等無断転載は絶対厳禁です。 尚、文章中に登場している人物名は私の意向と当事者の希望により、 全て仮の名前で表記されています。 これは彼女達のPSO内でのオンラインプレイに悪影響が出ないようにとの わずかばかりの配慮によるものだと御理解頂きたいです。 文章表現など私の能力不足で至らない面が多々ありますがお許し下さい。 では、どうぞ。 ◇この場所で会いましょう…4 -------------------------------------------------------- PHANTASY STAR ONLINE。 仮想空間でキャラクターを演じ人々との交流を楽しむゲーム。 ここはシップのとある一角。 彼女との思い出の場所だ。 隣にはSEPIAがいる。 「うう…」 私は泣き崩れてしまいました。 -------------------------------------------------------- この場所で彼女を待ちつづけて2ヶ月が経とうとしています。 その間、沢山の人と知り合い友達も出来ました。 友達の中でもSEPIAはとりわけ特別な存在です。 かけがえのない存在です。 PSOを始め4ヶ月が経ちます。 初めてのオンライン、その時知り合ったのがSEPIAでした。 無知な私に優しく丁寧に様々な事を教えてくれた彼女。 友達になれたらいいな、そう思いました。 やがてお互い女性という事も手伝ってすぐに親しくなれました。 仲良くなれた時は本当に嬉しかったなぁ… その後PSOで会うたび雑談したりするうちに、 ゲームだけに留まらず、リアルでも友達になれました。 彼女がどう思っているかはわかりません。 けど私は親友だと思っています。 かけがえのない友達なんです。 だから、ずっと待ち続ける事にしました。 彼女がいつもいたこの場所で待とうと思ったんです。 そうしたかったんです。 シップのこの場所で待っている間、SEPIAの携帯番号を教えて貰って いた私は何度かリアルで電話も掛けていました。 でも、彼女に繋がる事はありません。 「留守番電話サービスセンターへ接続します」 お決まりのアナウンスが流れるだけ…。 待ち続けて2ヶ月。音信不通があまりに長いので不安になったある日 また電話を掛けてみる事にしました。 例え繋がらなくても、元気になって欲しいっていう想いだけは 伝わるかもしれない、そう思いました。 けど実際はそうする事で気が紛れると思ったんです。 携帯電話を手に取りメモリーから、彼女の番号を呼び出します。 そして彼女へ電話を掛けます。 ……。 「はい」 携帯電話から女の人の声がしました。 え?え?返答がある…嬉しいよ〜… 嬉しさで思考が口が完全に止まってしまいます。 「SEPIA私Kittyだよ!」 慌てて私はそう言います。すると…。 「SEPIAの母です」と返答がありました。 …え?SEPIAのお家では携帯電話を本人が取る事が出来ない 時は家族が取ったりするの? きっと仲がいいんだよね、そう思いました。 でも、この時私の中で嫌な考えが浮かんでいたんです。 でもそんな考えを打ち消したくて、すぐさま聞きます。 「SEPIAさんいますか?」と。 SEPIAのお母さんは少し間を置いたあとこう言いました。 「娘は…亡くなったんですよ」 時間が止まった気がしました。肌寒さを感じました。 口の中が急激に渇くのを感じました。 目の前が真っ暗になりました。 嘘だよ。つい最近まで一緒に話をしたじゃない。 SEPIA、元気になって戻ってくるって言ったじゃない。 あの人に想いを伝えるんでしょう? こんなの嘘だよね? そこで私の思考は完全に止まりました。 SEPIAのお母さんとの会話の内容はよく覚えていません。 自分が何を言っていたのかさえ、よく覚えていません。 でも、SEPIAのお母さんから彼女のお家の住所を聞いていました。 彼女が死んだなんて私には信じられない。 けど、もし…もし事実なら、焼香をあげたい。 週末、私は飛行機で彼女の住む地に来ていました。 行く場所はたった1つ、彼女のお家。 初めて来た場所で土地感がなかったので、 タクシーを拾い彼女のお家へと向かいました。 しばらくし、やがて彼女のお家に到着します。 私は一度深呼吸をし気持ちの整理をした後呼び鈴を鳴らしました。 そして彼女のお母さんが出てきて、 家の中に案内され本当に彼女が亡くなったんだと思い知らされたんです。 SEPIAがある病気で入退院を繰り返していた事。 そんな外に出歩くのもままならない状態の彼女が、 唯一楽しそうにやっていたもの。 それがゲームであり、PSOだったそうです。 話を聞くうちに彼女がどんな気持ちでPSOをやっていたのか すこしだけ判った気がしました。 思うに外に出歩けず、誰か訪問者がなければ 家族以外の人にも出会えない。 私がそういう状況だったら寂しいだろうな、悲しいだろうな… でもオンラインゲームであるPSOだったら、お家の中でも誰かに会える 話だって出来る、友達も作れる。病気だって関係ない。 だからSEPIAはPSOに頻繁にいたんだ…。 あの人との出会いをくれた、人の優しさに触れさせてくれた そんなPSOに彼女が込めた想いは如何ほどのものだったろうか。 想像も出来ませんでした。 私は彼女の何を知っていたのだろう、仏壇の前で彼女のお母さん の話を聞きながらそう思いました。 彼女の話を聞かせて貰った後、お墓に案内してもらいました。 私が強く希望したからです。 私は自分のVMを持ってきていました。 意味のない事だとわかっています。 でも、そうしたかったんです。 ほどなくご両親に案内されお墓の前につきました。 ご両親はそんな私の様子を見つめていましたが、 やがて席を外されました。 きっと気をきかせてくれたのだと思います。 花を添え彼女の墓前で暫く無言で手を合わせた後。 バックからVMを取り出します。 そして心の中で言います。 ほら、私Kittyだよ。SEPIAに会いに来たんだよ。 「うう…」 そして私は泣き崩れてしまいました。 ねえSEPIA。 あの場所では会えなかったけど、この場所で会えたよね。 私達この場所で会えたんだよ。 ずっと友達だよ。 大好きなSEPIA。 ありがとう。 ◇この場所で会いましょう…そしてエピローグ -------------------------------------------------------- PHANTASY STAR ONLINE。 仮想空間でキャラクターを演じ人々との交流を楽しむゲーム。 ここはシップのとある一角。 彼女との思い出の場所だ。 隣にはSEPIAがいる。 実際にここにいるわけじゃない。 でも居るはずだ。私にはそう思えるんだ。 だから今日もここにいる。 SEPIAの探していたあの人に、 彼女が伝えられなかった想いを伝えたい。 その為にいる。 この場所で会いましょう Fin --------------------------------------------------------- □あとがき□ KittyさんとSEPIAさん2人の物語の完結編です。 オンラインゲームは何より人ありき、そう感じずにはいられません。 ゲームの製作を行ったのも人間なら遊ぶのも人間です。 そしてオンラインの中で動くキャラクターの1人1人が血の通った 人間が演じているのならば、そこに人としての感情や想いが介在するのは 無理からぬ事ではないでしょうか。 なればこそ、オンラインゲームではオフラインでは得られない 貴重な体験が出来ると思うわけです。 そしてゲームという媒体を通して、仮想の世界で知り合い友人となった2人。 KittyさんとSEPIAさん。 2人が出会い、別れまでわずか4ヶ月半という非常に短い時間でした。 ある人はそれを短い付き合いと呼ぶかもしれません。 ですが大切な事は時間ではなく密度であると考えます。 そして表現が悪いとは思いますが、 出会いから別れまで短かったからこそ、2人の物語に感銘を受けたのだ、 私はそう考えます。 RPGなどではハッピーエンドで終わる事が殆どです。 これは年齢層や、精神に与える影響を考慮してメーカー側が意図的に 行っているからでしょう。しかし現実はハッピーエンドばかりではありません。 幸福と不幸は隣り合わせです。 現実は悪い事のほうが多い気がします。 ですが、悪い事態を迎えた時その後どうするか。 それこそが大事だと思うのです。 このような素晴らしい話を書かせて貰う事ができ本当に幸せでした。 Kittyさんには感謝の言葉すら見つかりません。 最後に、この話を御覧下さった皆様。 もしオンラインでKittyさんに会ったならがんばれと声を掛けてあげて下さい。 落ち込まないでと声を掛けてあげて下さい。きっと励みになるはずです。 お読みくださった方全員とKittyさんに心からありがとう。 そして若くして亡くなられたSEPIAさんのご冥福を心よりお祈りし、 文末の言葉とします。 2001/5/09 |
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