位牌岳・袴腰岳稜線から。ほんの一瞬の富嶽


須津川より鋸岳・位牌岳・袴腰岳から須津川へ

1997/6/15



  アプローチ

  山行きの記録        標高差: 937m      所用時間: 6時間50分

 林道終点    7:00
 須津川の林道は東名高速道路下より徒歩1時間半で終わる。以前はこの上部2つめの砂防堤まで延びていたが、左岸の崩壊が激しく現在の場所が終点である。今回のコースは再びこの場所に戻る。
 1974年の七夕豪雨による水害で愛鷹連峰の西面を流れる赤渕川とともに大きな被害を出した。須津川も下流域の被害は出なかったが、須津川渓谷部では壊滅的な状況であった。以後、十数年の間一般登山者の入谷を拒んだ。しかし、富士市は渓谷にかかる「大棚の滝」付近を中心とした一帯を、自然公園として整備してきた。林道は全線で舗装済みである。
 須津川      7:35
 ところが、須津川の源流部にいたる登山道は、整備が進んでおらず、かってのルートはほとんど流失したままである。大きな砂防堤を2つ越すと沢の遡行になる。 

 野猿沢出合    7:41
 この山域随一の悪沢。入山禁止である。
 この上に「大石」がある。過去幾たびかの台風による水害に見舞われたが、この「大石」は健在である。
 崩壊地       7:48
 昨年の台風は、富士山・愛鷹連峰に大きな被害を出した。特に、スギ・ヒノキの植林地の被害は甚大であった。山中いたるところに倒木の帯に出会う。ここ須津川でも西面の大岳斜面、東面の位牌岳・袴腰岳の斜面は赤茶けた山肌を見せている。
 位牌沢出合    8:16
 ここにも道標がつけられた。ここはわかりにくい分岐点であった。かって、割石沢に出るつもりが、位牌沢に迷いこみ、足元の定まらないガレの急斜面をかん木の根元にすがりながら袴腰岳よりの稜線にたどり着いた。落石がなければ、かん木帯を直上すれば危険は感じないが、落石は当然のように発生するだろう。また、積雪期には、駆け下るには程よい斜面のように感じるが、積雪の薄いこの山域では、やはり落石の可能性はあるのだろう。
 大岳        10:43
 春霞を通して見る大岳は麓から見る平凡な山容とは似ても似ない姿を見せる。
 蓬莱山      11:06
 この山中の頂に石仏が見られるのはここだけではないか? 愛鷹山でもみられたかな?
 鋸岳        11:27
 鋸の歯の形がイメージできますか。
 前回もふれたが、花の少ないこの山域の中で唯一高山植物が見られる場所である。そこで、招かれざる訪問者も見かけることもある。今回も野草取りの現場に出くわした。5人組みのうち2人である。鋸の一峰の岩場をザイルなしでのあぶない採取の場面であった。すれ違い際に、それとなく注意を促したが、「花は見るもので取るものではないよ。」、はぐらかされた。
 位牌岳北面    13:15
 鋸岳の狭い登山道は所々亀裂が見られる。それでも、ここ位牌岳北面ほどではない。半月前、画面手前のロープにすがらなくともトラバースできた。しかし、画面遠方の直上するルートは斜面に足がかりがなく、腕力のみでよじ登ったが今回は、ロープに頼らずに登ることも可能な状態である。状況の変化が激しい。この画面が役に立たなくなるのもそれほど時間が必要でないかもしれない。    
 位牌岳山頂     12:40
 遅い昼食になった。厚い雲でいつもの明るいこの山頂も陰うつである。半月の時間が緑を一層濃くしたためかもしれない。昼食を早々にして切り上げる。
 ブナの実生の実験区
 位牌岳の裾野側の南東斜面は、山中随一のブナ林でおおわれていたが、樹勢の衰えで古木は年々その数を減らしている。林床が明るくなりクマザサが一層厚くなってきている。ブナ林保全のためこの山頂にも復元の試みが為されている。この他に、5〜6年生の幼樹も植えられている。
 分岐          13:31
 位牌岳と池の平を結ぶルートは、ここで分岐する。ここよりしばらくは、ブナ林の中を歩く気持ちのよいルートである。池の平下まで車ではいれば、位牌岳まで効率のよい登山ができる。
 ブナ林         13:33
 須津川が山肌をうがつ西斜面は位牌岳より急峻な地形が袴腰岳まで続く。一方東面はなだらかである。稜線上からも明るい林床を見通すことができる。
 一ぷく峠        13:56
 ここまでほとんど上がり下がりのない稜線歩きが続く。樹林の切れるところがなく、鋸の山稜もその全貌を視野に収めることができない。かって、鋸のビューポイントは袴腰岳の山頂であった。山頂の木が伸びた今、ここにその座を譲る。水神社への分岐でもある。
 袴腰岳         14:10
 ここ袴腰岳は、位牌岳から派生する尾根の先端部にすぎないように見える。存在感の薄い山頂である。尾根はここより二分し、左にとれば、愛鷹山に連なる従走路へ、右にとればこれから目指す第一展望台に達する。これより、ブナを主体とした林分からアセビが多く見られるかん木林に変わる。数本のヒメシャラの巨木を見ることができる。
 第一展望台      15:00
 展望台とは名ばかりの植林地帯の一角にある。最近、鋸岳の見晴台にしようと北西面を伐採してある。東斜面は倒木の処理のための作業が続いている。池の平から駿河湾まで視野に収めることができる。
 再び、須津川駐車場へ 15:45
 第一展望台を過ぎるとすぐ須津川への下降が始まる。ヒノキの薄暗いこのルートは、滑りやすい赤土の中に足を置くことに集中する、我慢の時間を強いられる。ここでも、崩壊したところが2個所あり、ロープに頼る。
 今回の花 ヤグルマソウ
 割石沢源流部の岸壁の棚場に咲く。
 雲の厚い天候のためか、山中生き物の声が林内にこだまする。エゾハルゼミはルンゼ出会い付近で、オオルリ、ツツドリ、カッコウ、ウグイシ、アカゲラ?、アオゲラ?その他。残念ながら、野鳥に詳しくないのです。 

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