− 食品の安全性に関する私の考え − T.SUZAKI
食品の安全性に関する私の考えを書きました。もしよかったらご意見ご感想を
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現在、畜産の養殖には病気を予防するために抗生物質が使われているというこ とです。また温室を利用して養殖しているウナギに餌にも抗生物質を混ぜるのだ そうです。
私の学生時代、研究室の先生が大変興味深いことを教えてくださいました。
その先生はアフリカツメガエルを使ってホルモンの研究をなされていました。 餌にはある種の養魚用の飼料を使われていたのですが、他の大学の研究室で同じ ような研究がなされていてそこではレバーをカエルの餌に使っており、データが おかしく(めちゃくちゃに)なるとのことでした。おそらくレバーに蓄積された 抗生物質のせいであろうとのことです。
私たちの体がホルモンによって調節されているということは周知の事実です。 そのホルモンが影響を与える物資が食品に含まれているということは大変に恐ろ しいことです。
最近、抗生物質が効かない病原菌が出現して、院内感染などの問題が話題とな っています。これも抗生物質が畜産などに使われることによって、病原菌の突然 変異を加速させているのだということです。
確かに抗生物質の使用は人類に様々な恩恵をもたらしてきました。ただその使 用に対してよく考えるときがきているのではないかと思います。また私たちには 今食べている食肉が抗生物質を使って、育てられたものかどうかわかりません。 これらについてもしっかり表示されるようにしてもらいたいと思います。
穴があいていない野菜がスーパーマーケットにならんでいるのを見ると何か不 思議です。どのくらい農薬を使ったらこんなきれいな野菜を作れるのだろう。も ちろん無菌室のような環境ならこのような野菜も作れるでしょう。しかし露地で 栽培していて全く虫に食われていない野菜を作るのは困難です。ある人が飼って いる犬がキャベツを好んで食べるのでキャベツの外側を犬にあげたところ、その キャベツには見向きもしなかったそうです。その人がキャベツの臭いをかいだと ころ、強烈な農薬の臭いが!
私が畑で収穫したシソにはほとんど穴があります。聞くところによればシソに は大量の農薬が散布されるとのこと。「穴のあいていない野菜を食べたら胃に穴 があくよ。」農家の方の話では出荷用と自宅で使う野菜では農薬の量が全然違う んだそうです。依然、知っているところからイチゴをわけてもらおうとお願いし たら、「農薬をまいたばかりだから知っている人には売れない」と断られたこと があります。横では出荷の作業をしているのに。
「農薬は少なくしたい。だけど消費者がきれいな野菜を欲しがるし。」と農家 の方も言われていました。有機栽培で作ったキャベツはかたいけどまわりが虫に 食われているだけで、真ん中は味があっておいしいことに自分で作物を作って知 りました。植物群落は単層構造より多層構造の方が強いのはよく知られています 。植える作物の種類を多様化したり、土壌を活性化して作物に力を与えれば虫の 害の少ない作物ができると思います。
無農薬野菜は生で食べても大丈夫だろうか?
「無農薬野菜だからこそ生で たべなくては!」という方がよくいらしゃいま
す。
しかし、私はこの事にかなり疑問を感じています。寄生虫の問題です。農薬を
散布することによって野菜についている害虫(野菜を食べてしまう害虫)だけで
なく寄生虫も駆除してきています。またそのような寄生虫を媒介するような害虫
も駆除してきました。無農薬で栽培している野菜はそれなりの寄生虫がついてい
ることが考えられます。できるだけ火を通して食べた方がよいのではないでしょ
うか。ナメクジの体内にも脳髄膜炎を引き起こす寄生虫がいるという話を聞きま
す。よく洗えばそれなりに大丈夫でしょう。必要以上に心配することはないでし
ょうが、生野菜は体を冷やすし多くは食べられないから温野菜で食べるのもよい
のではないでしょうか。