東南アジアのコンピュータ事情
(Part1・フィリピン編) 平成9年8月      

 香港や台湾のコンピュータ事情はよく知られていますが、フィリピンやタイ のコンピュータ事情についてはあまり知られていないと思います。先日、熱帯雨 林と雨緑樹林をさまよってきた(専門は生物学ですので)ついでにコンピュータ の販売の現状を見てきました。

 フィリピンでは以前(昨年の8月)には486マシンが主体でペンティアム マシンを見ることができませんでした。今回も以前行ったときもマニラにある電 気街には行かず、ショッピングモールなどでの様子なので情報不足かもしれませ んが、今回はマカティのSM(シューマート:ショッピングセンター)でIBM のAptivaを見ることができました。P54C−166MHz・メモリーが 16M・HDDが1.6Gぐらいで6倍速CD−ROMドライブ、33.6のF AXモデム内蔵・14インチモニタ

ーキーボード・マウス付きです。金額はP65,000.(ペソ:このときの 為替レートがだいたい P1=4.211円)約27万円でした。これ以外にも P54C−133MHzのものも(メーカ不明)も置かれていました。新聞広告 ではCOMPAQのPRESARIO2110(P133@MediaGX・1 6MEDOSIMM・2GHDD・8×CD−ROMドライブ・33.6kbp s Modem・写真からだとディスプレーは14インチ?)にCANON B JC210SPがセットされていてP49,900(約21万円)。またIBM のPC350 6587(Pentium166MMX・16MB RAM・2 .5GHDD・256kB L2Cache・Samsung14”SVGA  DisplaySound Blaster VP CD 16/12×・CA NON BJC210SPがセット)がP69,995.(約29.5万円)に なっていました。ノートパソコンではIBMのThinkpad365XD(P entium133Mhz・11.3DSTN・6×CD ROM 1.35G BHDD・8MEDO・1.44MB Diskette Drive Exte rnal Attach)はP64,995.(約27.4万円)。古いモデル からの買い換えはP59,995.(約25.3万円)ということでした。メー カー名をあまり聞いたことがないMITACのPENTIUM200MMXマシ ン(512kL2Cache・16MB DIM RAM・Diamond Sl eath2500 1M・1.6G W.D. HDD・14”モニター・WIN 95OEM license・16×CDドライブ・Sound Card・Sp eaker・1.44FDD・Mid Tower Case)がP45,000 (18.9万円)はなかなかいい値段(割安)と思います。この広告のお買い得品ではLGの14”モニターP4,995 .(2.1万円)、マイクロソフトのナチュラルキーボードがP1,495.( 6300円)等がありました。56kbps MODEMがP3,000.(約 12,600円)。IBMマウスはP550.(2300円)。フィリピンでは インターネットをおこなえる場所もあるようですが、インタネットカフェとは少 し違いました。また、免税店にもコンピュータはおいてありましたがソフトもW IN3.1や少し古めのコンピュータ(Pentium133Mhz)が25万 円程度の金額でした。グランドエアーの予約カウンターの画面もWIN95でし たが、なかなかパソコンが一般的に普及しているようにはあまり感じられないと いう印象を持ちました。全般的に日本より大分値段が高いというふうに感じられ ました。コンピュータという場合ファミコンが庶民的(?)アイテムのようです 。(Part1おしまい)

  

  

  

  

 

 東南アジアのコンピュータ事情
(Part2・タイ編1)       

 タイではタガメが食用に売られている。あの大きなタガメは日本のタガメと どのように遺伝子の塩基配列が違うのか大変興味があるが、今回はコンピュータ の見て歩きに時間を使いすぎて、タガメの研究は進まなかった。(研究費もない し、助成金が出ている花粉の研究は若干調べることができたが)タイは米や鶏肉 などの輸出で知られており、食生活も豊かである。朝御飯40B(バーツ:1B =3.85円)日本円で154円。M.K.レストランでタイスキをおなかいっ ぱい食べて140B(539円)。このように生活費は大変安くすみます。しか し、コンピュータのような高価な外国製品には高い関税がかけられており、それ ほど安くはないと言うのがこれまでの実感でした。ところがこの間のタイ経済の 不振や為替の変動相場移行により円高バーツ安になり、コンピュータの値段も日 本と比べてそれほど高くないの現状です。ただし在庫がなくなり、高い外国製品 が入ってきたときどのようになるかはわかりませんが。

 タイの首都バンコクのパトナン(PATONAM)の西側・インドネシア大 使館の並びの東側に  The Computer Cityというビルがあり ます。このビルには多くのコンピュータ専門店は入っています。もちろんそれ以 外の飲食店や仏教のお守りペンダントを売る店などもありますがほとんどがコン ピュータ関係の店です。以前1996年初頭・日本ではintel430FXの チップセットを搭載したマザ−ボード(Socket7)が主流の頃ここで売ら れているマザーボードはほとんどがSocket5のものでした。今回見た限り では430TXマザーボード(とくに多いのがASUSのTX97シリーズ)が よく置かれ、HX・VXのものもよくみかけました。金額的にはASUSのマザ −ボードで見るとTX97で5,300B(約2万円)・HXのものが4,70 0B(約1.8万円)さらにVXでは3,000B(約1.2万円)ぐらいでし た。ただSocket8やSlot1のマザーボードにはほとんど出会えません でした。さてその他の部品ですがCPU単体での金額は1カ所ぐらいでしか確認 できませんでした。そこではP55C−166MHzが6,100B(約2.4 万円)・P55C−200MHzが9,900B(約3.8万円)というところ でした。メモリーではEDOの16Mで1,400B(約5,000円)やSD RAM32Mが4,900B(約1.9万円)という価格で並んでいるものもあ りました。またFujitsuの1.08GのHDDが4,500B(約1.7 万円)。リムバーブルケースでハードディスクを入れ替え引き替え使っている私 としては是非欲しいところ、花粉の研究費不足の今日この頃、ぐっと我慢という 訳になりました。またバルグ品では20倍速のCD−ROMドライブが2,99 0B(11,500円)、いいなー。ちなみに私が自宅で使っているCDーRO Mドライブはミツミの8倍速か最高。

 さてディスプレーで目に付くのはNECの製品です。Multisyncの XV17が23,000B(約8.9万円)、14インチでは7,490B(約 2.9万円)ぐらいになっています。

 さてこのようになかなか魅力的な金額の部品が組み立てられて売られている 各ショップの製品はどのくらいかというとこれもなかなか魅力的な価格です。こ れについてはPart3へ。

  (Part2おしまい)

  

  

  

  

 

 

東南アジアのコンピュータ事情
(Part3・タイ編2)   

 さてタイも台湾同様に主流はメーカー品よりもショップで作られている製品 のようです。

多くのショップでチラシを作り一生懸命に売り込んでいるが、WIN95のプ リインストールされたものまたはオプションでうたっているものはほとんどなか った。この理由は後述する。

 まず430VXのマザーボードを使っているモデルでは最も安いものがCy rixのペンティアム互換CPU6x86PR−166+を載せたもので25, 900B(99,700円)。スペックをみると430VXのマザーボード(メ ーカー不明)に512KBのL2Cache、16MEDODRAM、

HDDはQuantumの1.2G、1.44FDD、VGAはS3 64V + 1M、14インチデジタルコントロールモニター、ミドルタワー、16倍速 CD−ROMドライブ、104key、サウンドカード、スピーカーといったと ころである。CPUgペンティアム133になると、26,500B

(102,000円)になる。VXマザーボードで最も高いのがP55C−2 00MHzを載せたモデルで前者とHDDが2.1Gになった以外ほぼ同じスペ ックで5年の保証が付いたものが33,900B(約130,500円)、また 保証について特に明記なく、スペックで違うところがHDD1.2G、20XC D−ROMでは31,500B(約121,200円 )であった。

430HXのマシンではP54C−166MHzで30,900B(約119 ,000円)からP55C−200MHzで39,900B(約153,600 円)まであった。このP55C−200MHzの仕様はAsusのP/IXP5 5T2P4(ATX仕様、L2が512K)、32M EDO RAM、2.1G HDD、Diamond Stealth 2500(2MB)、モニターがN EC14インチのMultisync、20XCD−ROMドライブ、サウンド カードやスピーカー・104キーボード・PS/2マウス・マウスパッドからカ バーまでついている。

 430TXのマザーボードを使ったものもかなり多く出ており、使われてい るCPUもバラエティーに富んでいる。最も価格が安いのはP54C−166M Hzを使っており、価格は28,900B  (約111,300円)AT仕様 ミドルタワーで16MEDO RAM、2.1G HDD、20XCD−ROM、 ビデオカードはDIAMOND STEALH2500(2M)、サウンドカー ド・スピーカー・104キーボード・14インチモニターなどがセットされてい る。同様の仕様でCPUをAMD K6−200にしたものが32,000B( 約123,200円)である。ほとんど同じ様な仕様で

P55C−233MHzだと39,900B(約154,000円)から5年 補償付き43,900B(約169,00円)といった価格が出ている。モニタ ーもついていることを考えると全体的にかなり安いのではないだろうか。

 ところでWIN95についてだが、OEMインストルー用は今回見なかった 。(前回は1万円ぐらいで正規アップグレード版を入手した)そのかわり、50 0Bぐらいで海賊版が堂々と売られている。そのような明らかに海賊版と思われ るソフトを売る店の数は15軒はあった。OSからオフィス97(タイ語版)さ らに・ゲーム・アダルトものまで150B(約600円)から500B(200 0円)で売られている。当然マイクロソフトの出所証明のマークや解説はないが インクジェットプリンターでカラー印刷されたCDのカバーにしっかりとCDキ ーが印刷されている。とくに中国製と思われるものが多い。バックオフィス2. 0も4枚組で500B(約2000円)であった。正規版のWIN95にはわず かに数カ所でしか見ることができなかった。これからの著作権問題が心配される 。

 Part3おしまい

 

 

東南アジアのコンピュータ事情
(Part4・タイ編3)  

 

さてメーカー品はどうか。印象的だったのはインターネットが**時間FRE Eというものが多かったのが目に付きました。例えばCOMPAQのPRESA RIO4506(MMXペンティアム200・16MSDRAM・3.2GHD D・16XCD−ROM・14.4k/33.6kbpsモデム・

15インチモニター)が57,800B(222,500円)さらに30時間 のFREE INTERNETとなっている。MMX233のPRESARIO 4526が71,800B(276,000円)。デスクトップやタワーのもの がだいたい約33,000B(約12.7万)から約55,000B(約21. 2万円)ぐらいで売られている。COMPAQ・DELL・LASER・ACE R・IBMなどの製品が目立つ。

 一方、ノートパソコン類ではTOSHIBAのSATELLTE220CD S(P54C−133・16MB RAM・1.3GHDD・12.1”DST N ・10XCD−ROM)で69,900B(約269,000円)。同じく TOSHIBAのLIBRETTO50CT(Pentium75・16MB RAM・777MBHDD・6.1TFT)が63,900B(約246,00 0円)。

COMPAQのARMADA PORTABLE 1520D(P54C−13 3・16MB RAM・1.08GHDD・11.3”DSTN ・10XCD −ROM)が55,900B(215,000円)であった。 

 さて、プリンターはCANONのインクジェットプリンターが多く販売され ていたが、EPSONやHP・LEXMARKも活発に販売されていた。大体日 本円で2〜3万円で購入できるものに人気があるようだ。また日本と同様プリン ターと本体がセットになって安くなっていることも多い。

 どのコンピュータも24回払いくらいのローンが組めるようになっている。 先ほどのPRESARIO4506(57,800B)が24回ローンで月々3 ,448B(計82,752:43%プラス)ちょっと金利が高いようである。

 

 現在タイ経済の低迷が伝えられているが日本ほどではないがコンピュータを 購入する人も多く、ここで見るとその様子を感じない。しかし公共事業の中断な どやはり難しい現実があるようだ。これからどのようになっていくか注目される であろう。

 

  (Part4おしまい)

  

  

この文章を書いた当時まだ、1バーツ3.8円ぐらいでした。しかし現在1バ ーツが3円以下になっています。これからタイをはじめとする各国がどのように なっていくのか、日本の将来にも影響する重要な問題だと感じています。  

  

 

 

                               おしまい


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