これは去年、中学の広報誌に載せる為に書いた物です。
これを、これから受験、就職に向かう全ての皆さんと親御さんに贈ります。




「山を登るあなたに贈る言葉」

中学も3年生になると、皆さん、それぞれの進路に頭を悩ませていることでしょう。
就職を考えていても、今の社会情勢ではなかなか見つからないかもしれませんし、
進学を考えていても、必ずしも自分の希望する高校に行けるとも限りません。

それでも、自分で道を選び、山を登る。
人生の中には、こうした選択をしなければならない時期が、必ず来るものです。

あなたのお父さんやお母さんも、あなたと同じ頃には、同じように悩み、道を選びました。
でも、その時はあまり真剣ではなかったかもしれません。

そう言うと不真面目なように聞こえますが、
その年齢の頃は、それ程自分の将来の事を深くは考えていなかったのです。
だから、ここで仮に道を間違えても、大丈夫なような気もします。
そう考えると、少しは気持が楽になるでしょうか?

ただ、だからといって、
フラフラした気持のままでいると、段々とそれは不安な気持ちに変わって行きます。
そうなると、きっと良い結果は生まれません。
なので、早めに自分の気持ちと、自分の学力を少し離れた所から見直してみましょう。
その為に先生と話すことも大切です。
もちろん、家庭の中での話し合いも必要です。

そして目標を選んだら、それに向かって進みましょう。
そうやって前を向き上を目指すあなた達を、きっと先生や家庭も後押ししてくれます。
落ち着きを持って事を行う。
それがこの先、あなたにとって一番必要な事になるでしょう。

前年度は、新しい制度になってからの初めての入試という事で、
分からないことも多く不安もあったと思います。
でも、その不安は受験という立場においては、
誰もが持ち、誰もが乗り越えなければならない事なのです。

確たる物などは何もありません。
もし、あるとするならば、それは自分を信じる事でしょうか。
一生懸命に勉強し、努力を重ね、
やれることは全てやったと思える自分に自信を持つ事、
そうすれば結果がどうあっても、その先には道が見えます。

就職する事を決めた方もいると思いますが、それも見事な選択です。
そして、その方達にとっても、勉強はこれで終わりでは無いはずです。
知識はあって邪魔になることはありません。
学校に行かなくても、興味があることは続けて下さい。

そして、いずれかの道を選んだ皆さんの、
いつか自分の力で登った山の頂上から見る景色が綺麗であれば、
それでいいのではないでしょうか。