冬のソナタ 第3話 「運命の人」
3話は悲しみで始まります。
「行かなきゃ!会う約束していたの…、
伝えなきゃならない事があったのに…ジュンサンの顔を思い出せないよ…」
ユジンの叫び声が耳に残り、切なさが溢れてきます。
仲間とのお葬式に、涙も流せないユジン。
その気持ちを知ったかのような、ジュンサンからの遅れて届いたクリスマスプレゼント。
それは、ユジンの止まっていた時間を再び現実に戻したように思います。
3話の初めで、ジュンサンが死んでしまったと聞かされたユジンは、
大晦日に伝えたいと思っていた言葉を胸に刻み込み、悲しみを歳月の中で消化していきます。
そして10年後、ずっと傍にいて、ユジンを愛し続けたサンヒョクとの婚約の日を迎えるのです。
安心感のある相手との婚約。
それはごく自然の成り行きであって、ユジン自身にも無理は無かったでしょう。
でも初雪の中、街でジュンサンとそっくりなミニョンを見たとき、
ユジンは自分でも気が付いていなかった事実に、頭を殴られた思いをする。
ジュンサンを、まだ、こんなにも愛している…
もちろん、自分の書いたジュンサンの絵を見て、彼との思い出に浸っていたときは、
その事を認識し、頭では理解できていたでしょう。
それなのに、ただ似てるというだけの人でも、
こうして目の前で息をし、生きている姿を見てしまうと、
それがあくまでも理解だけだったのだと、わかってしまった。
でも、自分を支え、この10年見守り続けてくれたサンヒョクの事を思うと、
偶然見かけただけのジュンサンと似た人を、これ以上想い探すことは出来ない。
そう、あのジュンサンはもういないのだ…
この時、ユジンはジュンサンへの愛の確認と共に、愛の封印を心に誓います。
燃やされるジュンサンの似顔絵。
それがユジンの初恋の終わりになるはずでした。
一方、サンヒョクは実際にジュンサと似た人を見たわけでもないし、
今までだって、ユジンにずっとジュンサンの影を感じていたのですから、
このユジンの動揺はなんとか許せる範囲にあったでしょう。
では、ユジンとサンヒョク2人そろって、
チェリンの恋人としてのミニョンに会ったときはどうだったでしょう。
ユジンはあの日、街で見かけた人が幻ではなく、「ああ、この人だったんだ…」と認めながら、
真っ白な心に生まれる、小さな疼きに再び動揺を隠せません。
でも、もっと驚いたのはサンヒョクかも…。
ユジンの見かけた人がただの似た人と呼ぶには、余りにもジュンサンと似すぎていたからです。
でも、この時もユジンは封印を解くまいと必死です。
ユジンは、一生懸命に「あの人はただの似た人だ…」と思い込む。
ジュンサンは死んだのだ、あの人は別の人、しかもチェリンの恋人…。
サンヒョクも不安な気持ちを抱きつつ、ユジンを信じて、支え抜こうと心に誓う。
「私は、大丈夫よ…」
バスに乗りながらサンヒョクにかけた携帯電話。
それはユジンが、サンヒョクにも自分にも言い聞かせた言葉です。
でも運命という逃れられない巡り合わせは、2人を再び出会わせてしまう。
3度目、ユジンがミニョンと会ったとき、彼女はどう思ったでしょう。
きっと、心の壁が震え、封印が崩れ出す音を聞いたのでしょうね。