前日ワラサが上がっており、気が付くと船宿に予約の電話を入れていた。海生丸がタッチの差で満席となってしまい、二次候補の大政丸に席を構える事になった。集合は4時45分。当然のごとく、くじ引きは1番を引いて左舷ミヨシに席を取る。一応満席での出船となるが関係者も多数乗船。ここ2〜3日の間、三保沖ではアジの回遊が見られ、朝一番にそれを狙うと言うことで4ヒロ3本針の仕掛けを天秤にセットする。三保沖に到着するといったん停止、日の出と共にアジのポイントへ船首を向け突っ走る。少しでも優位な位置に着けるためアグレッシブな操船に振り落とされそうになる。ポイントはマダイよりも少し沖目の根周りでタナは30メートル指示。『ハイやって』のアナウンスが出切らないうちに天秤を投入。現場は大渋滞で、隣の船の竿先同士がかすめそうなぐらい競っている。一投目で直ぐにアタリがあり良型のアジが上がる。続く二投目は船の場所取りに苦慮、渋滞の中をバイクのすり抜けのごとく通過し、流す一番前に出る。が、後が続かずじまい。まー、これだけ船がいて、狭いポイントにいっぺんにコマセを巻けば、すぐにお腹がいっぱいになってしまう事ぐらい容易に想像ができる。2投でアジをあきらめマダイにチェンジし、いつものポイントに移動する。今回はマダイよりもワラサメインで考えているので、ハリスは4号を使用、その他も極秘裏にワラサ対応したものを使い万全の体制で迎え撃つ(ハッタリです)。いつもの如く魚探の反応はばっちりあるのだが、いわゆる口を使わないと言うやつで、相変わらずの食い渋り状態。1投目を終わった時点で、のっ込みがまだ始まっていないことが容易に判断できた。後悔先に立たず、そうとわかれば後はだらけるだけ(開きなおり)。置き竿にしてドッカっと椅子に腰をおろして天命を待つ。船長は釣れなくても最後まで三保沖でやり通すと豪語、過去の例で10時過ぎが大物のフィーバータイム、昨日のワラサも10時ごろだと、後半に望みと繋ぐ。可能性を少しでも上げるため周りにいる船をどこかに追いやる作戦に船長が出る。大政丸や海生丸など有名どころの船の無線は他の船に傍受されており、それを逆手にとって「今日は最悪だ」と偽の情報を流してジャミ船を散らす考えだ。もちろん事前に携帯電話で打ち合わせていることはいうまでもない。9時ごろになると大方の船は魚を求めて三保沖を去っていくが粘る船も結構いる。彼らの狙いも僕らと同じあくまでマダイなのだ。時合いの10時を過ぎ残り30分。タイムリミットが近いにもかかわらずテンション上がらず三保沖規定の10時30分になってしまった。結果は船中マダイ1枚でした。ワラサはどこへ行ったのか・・・。 |