振り返ってみると、ここしばらく三保沖での釣行ばかりが続いている。技の鍛錬にはもってこいだが、乗合ゆえ気を使うことが多く、船長も個性派ぞろいとあって、釣り人の気苦労も積もるばかり。そんな釣り人にとってオアシス的な存在の釣り船が形栄丸だ。この船ではタナを指示されることがほとんど無い。仕掛け投入時に船長にタナを尋ねると、深度を告げられハリス分底から上げてくれと言う指示が出るだけだ。どうかすると魚探の電源を切っていたりすることもある。船釣りで重要と思われるタナ指示がこんな具合なので、釣果は釣り人の腕次第と言う事になるのだが、それを差し引いても得られる開放感が、あたかも防波堤の上で釣りをやっているような感覚で船釣りができるので、ついこの船を仕立ててしまう理由なのかもしれない。
釣果の方はというと、アジ五目と言うことで気分はすっかりお気楽モード。6人乗船なので竿を2本出すにはスペース的に苦しいが、何とかキーパーを2本分設置。一本はアジ五目用。もう一本は泳がせ釣り用だ。前日気温が下がってしまい、当日もちょっと肌寒いし、空には雲が覆っていて気温も上がりそうに無い。魚の活性が気になるところだ。初めに向かったポイントは大谷沖だ。魚探を眺めながらポイントを絞り込み、反応が出たところで仕掛けを投入するが、なかなか口を使わない。どうやら予想していた事態が起きているようだ。その後、めぼしいポイントをウロウロするが、反応ナシ。いつのまにか沖のほうに移動していてアジというよりはアマダイ釣りの様相を呈してきた。案の定、渡辺氏がそれを察してか、アマダイを釣り上げる。しかしこれではいかんと、陸よりにポイントを移動し、起死回生を図るも同じ駿河湾の中、そうそう状況が変わるはずもなく相変わらずの食い渋り。そもそも魚探の反応はアジなのか。停滞したムードの中、ボケーっと2本のさお先を眺めていると、目の覚めるような当たりが泳がせ竿に・・・。活餌に掛かる魚と言うことは、ある程度のレベルの魚であり、場所的に考えてもヒラメもしくはマゴチは確実。慎重にやり取りし、海面まで上がった茶色い魚影から見てもヒラメかマゴチのどちらかだ。が、取り込み時、道糸をタモで寄せてしまい、その瞬間、魚影は海底に姿を消していった。痛恨の極み。どうやらヒラメは魚を咥えていただけで、寄せた時のショックで餌のアジが針からハズれてバレたらしい。まー、後悔先に立たずのいい例ですな。さらに追い討ちをかけるような出来事が。二本出した仕掛けが互いにオマツリしてしまい、あろうことか回収途中にスクリューに巻き込まれ、仕掛けはおろか道糸までもロストしてしまう。この道糸ロストはは痛かった。リールは本日初導入のカルカッタ700。当然道糸は新品で、ロストすること自体はいいのだが、何がいやってマーカーの配列が変わってしまうのがいやなのだ。マダイ釣りなどでタナ指示を間違えそうで今後の釣行に不安を残すこととなってしまった。その後は用宗沖に移動したがここも相変わらず活性が低く当たりなし。このまま納竿となった。フラストレーションたまりまくりの釣行でした。
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