2.木炭による河川の浄化



大阪府の男性(28歳)から
教えてください(1999年6月7日)
こんにちは、はじめまして。・・・・・(略)・・・・・
質問は、木炭の効果を知りたく思います。また、川に設置するにはどのくらいの量が必要
なのでしょうか。・・・(以下略)・・・
お返事が遅れてしまいました(1999年6月27日)
ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
おたずねの木炭の効果ですが、私たちは活性炭を使用して生活排水の浄化を研究して
いました。
市立図書館で千葉県の河川の浄化を木炭で試みた資料(本)を読んだことがありまし
たが、現在貸し出しなのか、見あたりません。見つかりましたらその概要と書名をお
知らせします。
活性炭の効果について、私どものホームページでは「生活排水処理装置」で紹介して
いますが、まだデーターを入れていません。
木炭を川に設置する作業をテレビのニュースで見たことがあります。
そのときの指導者は「木炭の浄化作用はそのうちに低下してしまう。浄化よりも水質
についての啓蒙が目的である。」と説明していました。
汚濁が激しい河川では、すぐに木炭の目が詰まってしまい、浄化効率が落ちてしまう
と思います。汚濁が少ない河川では、木炭にバクテリアが増殖し、そのバクテリアに
よって水がかなり浄化されると思います。ただ河川水が木炭と接触するためには川の
大きさによりますが、かなりの量の木炭が必要ではないでしょうか。
効率から考えると河川水を浄化するより、河川に流入する前の生活排水を浄化したほ
うがよいと考えています。
どなたか木炭による河川の浄化について、実施例を教えて下さい。 unno@thn.ne.jp
環境関連企業のバイオ環境事業部・代表取締役の方からご意見を頂きました。

木炭の浄化について(2002年6月8日)
木炭は炭素の結晶体で其の特徴は
@多くの隙間がある事
A表面積が多い事
B炭化している為材料の変質が少ない事
特徴説明、
@多くの隙間が在る為空気や水が流れ、フィルターの役目をして固形物を通さないが
 洗浄しないと詰まるうので効果は継続しない
A表面積が多い為、体積の内部に固形物(微小な大きさ)を取り込みます、木炭の体
 積以上は取り込まないので、ボリュウムは木炭の体積以下です、
B炭の炭素結晶ですから、科学?薬品による変質がない、燃やさない限り安定する、
 効果は自然のバクテリアの住処に適している、内部は流速が緩やかで微生物に環境が
 良いが、微細な固形物を食べやすくする効果はある、変質しないので安定した使い方
 が出来る、
失敗の原因はなぜか?
@炭の体積にそれ以上の有機物を取り込ませると直ぐに詰まり機能しない
A詰まると嫌気化して分解は遅くなる
B炭の隙間の体積とバクテリアの分解能力を計算されていない、有機物は残り分解機
 能は低下して悪循環を繰り返す
解決方法とは
失敗の理由は
@有機物の量と分解速度と体積のバランスそれを管理技術で決定される事が判ってい
 ない;
 浄化する有機物質の負荷を低減し分解能力のバランスを管理する概念がない、掘り込
 むだけで管理とコントロールをしない
 川や河川はフィールドで自然を相手にコントロールできないのに木炭を投入するだけ
 では成功しない、
Aバクテリアのコントロールは酸化・呼吸・還元が如何に効率よく効果を発揮する
 か、其の環境を整備するかがカギです、其れも判っていない、
B炭が浄化するのでは無く、炭は環境の良い条件の一つであって浄化をしません、部
 品です、浄化効果はシステムです、其の一部をブッちぎって
 効果を期待する思想に問題があります、
                                      
専門の方からご意見を頂きました。ありがとうございます。