浜の砂による浄化(1999年11月5日) 三重県の小学校教員です。 先日、学校近くの排水路の水の浄化実験をしました。 ある子どもが、浜の砂を紙コップに入れそこに穴をあけて、そこを水を通して 浄化させるという装置を作りました。 これが見事に成功。 透明度(濁度),COD値、臭いともかなりの数値で改善されました。 浜の砂は、備長炭以上に浄化作用があるのです。 浜の砂って、何か秘密があるのでしょうか? きめが細かいから?それとも塩分?それとも微生物? 教えてください。 |
メールをどうもありがとうございます。質問にお答えします。(1999年11月6日)
ホームページ「河川の浄化をめざして」をご覧くださり、ありがとうございます。 お問い合わせの”浜の砂による浄化作用”ですが、私は試したことがありません。 学校の砂場の砂、砂利では過去に実験したことがありますので結果をお知らせ 致します。 昭和56年の実験です。 砂(学校の砂場)をふるいで1.5mm〜4mmの大きさにそろえ、医療用のガートルに 入れます。 20gのポリ下口びんから川の水に可溶性でんぷんを100ppm(0.01%)の濃度に溶かした 試料水を滴下します。 でんぷんの濃度はヨウ素溶液を入れ、青色の発色を光電比色計で吸光度として測定します。 低下率はわずかに3%でした。 砂によるでんぷんの吸着力は小さいと思われます。 4日後は70%、5日後は83%まで低下率が上昇し、以後は80〜85%の低下率を保ちました。 微生物(でんぷんを分解する細菌)が砂の表面に繁殖し、浄化していると思われます。 合成洗剤を添加すると、とたんに低下率が減少しました。 浜の砂には微生物が繁殖していて水を浄化したのでしょうか。砂を水道水と一緒にビーカーで 煮沸してから紙コップの実験をすれば確かめることが出来ると思います。 下の写真はホームページで紹介した砂利を使った浄化装置です。 分解しました。 0.1%のペプトン溶液(キサントプロテイン反応の発色で分解の様子を確認)の実験ではほとんど 低下せず、試料水にエアーポンプで酸素を補給すると24時間でほとんどすべて分解しました。 0.01%のペプトン溶液では2時間で90が分解します。 いずれも砂利の表面に増殖する細菌による分解だと考えています。 この装置の実験や雨樋を使った模型河川の実験で実験開始直後に濃度が一時的に低下し、 その後上昇する現象が見られます。 これは砂利・微生物・装置にでんぷんまたはペプトンが吸着し、その後脱離するものと考えて います。その量は数%ですから吸着の影響はわずかだと思います。 浜の砂で実験したことがありませんのでお答えにならなかったと思います。 何か分かりましたら教えてください。 |
三重県の○○です。 砂による浄化のデータを送っていただきありがとうございました。 微生物によるものか、砂の細かい粒子による濾過かについては、 アドバイスの通り、煮沸によって比較したいと思います。 |