E 亜硝酸イオン体窒素の分析

スルファニルアミド・ナフチルエチレンジアミン発色法



ア.分析の意義

水中での窒素の変化を知るためにこの分析をします。水中の有機物のうちでタンパ
ク質は、微生物によって分解して、アンモニウムイオンとなり、さらに酸化され、
亜硝酸イオン、そして硝酸イオンに変化します。

イ.原理

亜硝酸イオン態窒素が酸性溶液中で芳香族第一アミン(スルファニルアミド、スルァ
ニル酸など)と反応して生ずるアゾ化合物に芳香族アミン類(ナフチルエチレンジアミ
ン、α−ナフチルアミンなど)を加えてカップリングして生じるジアゾ化合物の赤色の
吸光度を測定する方法。



ウ.試薬

・スルファニルアミド溶液
スルファニルアミド1gを 10 %塩酸 100 mlに溶かす。

・ナフチルニチレンジアミン溶液
N−(1−ナフチル)エチレンジアミン二塩酸塩0.1gを水に溶かして100mgと
する。

・亜硝酸窒素標準原液
105〜110℃で約4時間乾燥し、デシケーター中で放冷したNaNO2の1.50gを計り取
り、水に溶かしてメスフラスコで1リットルとする。この溶液1mlは亜硝酸窒素
 0.3mgを含む。

・亜硝酸窒素標準溶液
亜硝酸窒素標準原液 10 mlをメスフラスコ1リットルにとり、水を加えて全量を1
 リットルとする。その20mlをとり水を加えて 200 mlとする。この溶液1 mlは亜硝
酸イオン態窒素 0.0003 mgを含む。(NO--N 0.3 ppm)

エ.操作

ア.検水 10 ml を共せん付き試験管にとり、これにスルファニルアミド溶液 1 ml を
  加えてよく降り交ぜ15分間静置したのち、ナフチルエチレンジアミン溶液 1 ml
  を加え混ぜ、20分間静置する。

イ.10 mmの吸収セルを用いて540 nmで吸光度を測定する。

ウ.検量線の作成
  亜硝酸窒素標準溶液(NO--N 0.0003 mg/ml)0〜5mlを段階的にとり水で
  総量を 10 ml としたのち、操作法と同様に処理して亜硝酸窒素量と吸光度との
  検量線を作成する。



エ.試料水の吸光度から、検量線を使って亜硝酸イオンの濃度を求める。



きれいな検量線が得られました。操作が簡単で、再現性が良い分析方法です。


(日本分析化学会北海道支部 水の分析−第4版− 化学同人)