河川の水質調査です


調査地点


沼川 新中川 むじな川 狩野川(黒瀬橋) 黄瀬川 江川 河川概要 分析結果
前川 観音川 浪人川・ 狩野川(御成橋) 柿田川 塚田川 全窒素 全燐・まとめ


河川の概要
私達化学部では、昭和53年から主に沼津市の中央部を流れる都市河川の水質調査
を継続して実施しています。
沼津市の下水道普及率は平成6年の16.8%から平成9年の30%まで上昇し、水質
が改善される傾向はあるものの、調査したほとんどの河川は汚濁し、まだ満足出
来る水質になっていません。





柿田川


わき水がそのまま川になっているだけあって良い水質です。水が澄んでいて川底がよく見えます。

調査地点の柿田橋は柿田川の下流にあり、流域に民家があります。
アンモニウムイオンやCODが 増加している傾向があり、将来の水質が心配です。




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黄瀬川


黄瀬川は全長31kmありますが、調査地点は下流の黄瀬川大橋です。
橋の上から見るときれいですが、近くから見るとかなり濁っていることが分かります。
流域人口が増えているためか、CODの値が年々増加しています。
アンモニウムイオンも増加の傾向があります。
黄瀬川は狩野川に注ぎ、狩野川の水質を悪化させています。
大きい河川であるだけにこれからの水質の監視と、水質の浄化が課題です。


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狩野川(黒瀬橋)

狩野川は天城山に源を発し、沼津市の中心部を流れる全長51kmの大河川です
黒瀬橋は狩野川の下流にあり、ここから流域は市街地になります
CODの値が少しずつ増加して、水質に改善が見られません。



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狩野川(御成橋)

御成橋でも黒瀬橋と同様にCODが減少せず、不十分な水質です
昔は狩野川で泳いだという話を聞きますが、今は水が濁り、足を入れる気にはなれません。







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塚田川(せせらぎ橋)
CODとアンモニウムイオンの値が高く、非常に汚濁した河川です。
DOの値が低く、アンモニウムイオンが酸化されずに残っています。
水産加工排水のためにかなり濁り、夏には川底からガスが発生していました。
排水処理施設が作られてから、以前と比較して川底が見える程度に外観は良くなりましたが、 水質は悪く、著しく汚濁した河川であることに変わりはありません。





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江川(江川橋)

塚田川と同様に水産加工工場が多く、そのはいすいによって著しく汚濁しています。
無酸素状態であることが多く、いつ見ても川底からガスが発生しています。
現在、沼津市内で最も汚濁が著しい河川であり、水質改善の兆候は見られません。







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観音川(緑橋)
昔は白く濁った汚い川でしたが、中部浄化センターが作られてから水質が著しく改善されました。
水が澄み、溶存酸素の値が大きくなりました。
CODやアンモニウムイオンも大幅に低下しています。
しかし、調査地点のうちで観音川だけでpHが異常に高いことと、中部浄化センターへ下水管を 通って水が流れるために水量が低下したことは気がかりです。







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新中川(間門橋)

CODが減少し、溶存酸素が増加しています。全窒素も減少傾向です。
外観も濁ってゴミの多い河川から、水が澄んできて水草が見える川になってきました。
下水道普及率の上昇による効果が大きいと思われます。
もともとは都市の排水を流すために作られた川です。






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沼川(原小学校前))
川は見ただけでも濁りが分かり、時々油が浮いている。
わずかですがCODやアンモニウムイオンが増加し、溶存酸素の値が低下しています。
河川の水質が年々悪くなっている現状です。
桜並木のきれいな郊外の川です。水質の改善が望まれます。






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前川(原小学校前)
溶存酸素の値が低く、CODのの値が高くなっています。
以前は生活排水によって真っ白く濁っていた水も色が薄くなって川底が見えるようになりました。
数年前と比較すれば見た目にはきれいになりましたが水質分析の結果は悪くなっています。
不溶解物は減少しましたが、本当の意味の水質改善はこれからです。







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浪人川(ポンプ場)

CODが増加傾向ですが、溶存酸素とアンモニウムイオンの値は横ばい状態です。
河川監視員が決められており、下水道の普及率も上昇しつつある。
民家に囲まれた川でもあり、水質の改善が望まれます。







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むじな川(御園橋)
CODとアンモニウムイオンの値が高い川です。
溶存酸素が前川と同様にかなり低く、生活排水による汚濁が著しい状態です。
特にこの川は上を蓋で塞ぎ、歩道や駐車場として使用しているところがあります。
汚いものに蓋をして、本来は市民の潤いになるはずの河川を見せないのは問題だと思います。







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河川の全窒素

全窒素

上の図は平成10年3月と7月に実施した水質調査の全窒素の値を示したものです。
7月は雨が多く、いつもと比較してかなり値が小さくなっています。それでも3月
には10河川が、7月には3河川が1ppmを越えました。
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河川の全燐

全隣

全燐は7月に調査しました。全ての河川で0.1ppmを大きく越えています。

湖沼や内湾では、全窒素が1ppm、全燐が0.1ppmで富栄養化の状態 になります。通常
の下水処理では有機物はかなり分解されますが、窒素や燐を取り除くことはできず、
かなり水中に残ってしまいます。これらの窒素と燐はそのまま駿河湾に注いでいます。

平成7年夏・沼津市内浦の赤潮

毎年現れる赤潮は、河川の窒素や燐が原因なのでしょうか?


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平成10年・水質分析の結果(ppm)
 NO.  河 川 名 3月全窒素 7月全窒素 7月全燐
  1  柿田川(柿田橋) 0.59 0.45 1.24
  2  黄瀬川(黄瀬川大橋) 2.40 0.47 1.29
  3  狩野川(黒瀬橋) 1.34 4.44 0.21
  4  狩野川(御成橋) 1.24 0.95 0.20
  5  塚田川(せせらぎ橋)3.47 2.16 1.50
  6  江川 (江川橋) 7.79 1.93 1.40
  7  観音川(緑橋) 0.92 0.00 0.58
  8  新中川(間門橋)4.48 0.39 0.30
  9  沼川 (原小学校前) 2.37 0.86 0.40
 10  前川 (原小学校前) 1.99 0.11 0.58
 11  浪人川(ポンプ場) 4.05 0.98 0.35
 12  むじな川(御園橋) 5.23 0.59 0.45

前川 むじな川 柿田川
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