4.河川の細菌と非イオン界面活性剤

河川水には細菌が存在し、水中の有機物を分解して増殖します。このとき、水中の酸素を
消費します。
したがって細菌が活発に活動すると水中の酸素が減少することになります。



河川の水に界面活性剤を添加し、DO(溶存酸素) の変化を調べました
西北部第二用水路の水を使用  蛍光灯の光を当て、20℃に保ちます

4日後DO(溶存酸素)の変化を測定しました




無添加では溶存酸素が増加しました。これは水中に存在する藻類の
光合成によるものだと思います。

LASを添加すると河川水のDOは変化していません。LASは河川の
細菌に大きな影響を与えていると思われます。
POEPとPOERは濃度が高いほどDOの減少が大きく、細菌が活発
に活動し、増殖していると思われます。 



非イオン界面活性剤(POEP、POER)は陰イオン界面活性剤(LAS)と異なり、河川の細菌の
養分になっているようです。




そこで試験管の培地に河川水と界面活性剤を入れ、室温(約30℃)で振騰しました。
2日後
それぞれ、左の試験管が界面活性剤を添加したもの。 右の試験管は無添加。
左:LAS添加.右:無添加左:POEP添加.右:無添加   左:POER添加.右:無添加

LASを添加しても変化は見られず、細菌の活動は認められません。
POEP、POERを加えると白い固まり(コロニー)ができます。




非イオン界面活性剤(POEP、POER)は河川に存在する細菌の活動を低下させることはなく、
むしろ細菌の栄養源になっていることが確認できました。