暑さ蔭る今はまだ近い日のこと それはやがて遠く遠くへと旅路をつなぐ 君の消え入る眼差しは 死した陽炎の闇夜を虚ろにに照らすよう 君の言葉を拒絶した 少し後の季節は雨模様 僕は片の手を差し伸ばす 両の手を差し伸ばせばと 僕はあまりにも臆病すぎて ただ時は静かに流れゆく 紫陽花は静かに咲き誇る 雨の日も晴れの日も 君がいない夏でさえも 君の生きた証なんて ほんの少しだけこの世界に彩を加えて そして消えていってしまうのだろう 僕は恐怖に手を伸ばす 両の手を差し伸ばして 僕はこの世界に詠う ただ一瞬の花弁に代えて 紫陽花は静かに咲き誇る 雨の日も晴れの日も 君がいない夏の日のこと せめて色鮮やかにと願う せめて心安らかにと願う ただ時は無常に流れゆく 紫陽花は静かに咲き誇る 雨の日も晴れの日も 日輪に僅かな彩りを 君のことなんて 静かに忘れ去られていくのだろう だからせめて色鮮やかに この世界に詠うよ 雨に鎮まる紫陽花の香り化粧 |
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