課題多い三島市(函南町)土地開発公社


これはおもてには現れない財政のお話です。

土地開発公社は、設立団体=三島市から依頼を受けて公共事業に必要な土地を先買いします。
そしてこの土地を設立団体が開発公社から買い取るのです。
開発公社は、銀行からお金を借りてこの土地を購入するのですが、その利子を始め管理に必要な費用が、
この土地の価格に転嫁され、帳簿上の価格(=簿価)は年々増大していきます。
だから後にいくほど、三島市にとっては大きな負担となるのです。

以下の表は県内の開発公社が保有している土地の価格「A)」、そのうち5年以上経ってしまった土地の価格「B)」です。
その負担の大きさを、その自治体の標準財政規模との比率「C)」で比較したものです。
*県と政令市は除く。

三島市・函南町土地開発公社は「0.17」であり、県内でもたいへん悪いのです。
ちなみに国の基準からすると「第二種健全化団体」に該当し、黄色信号が灯ったことになります。

単位:百万円
土地開発公社名 A)18年度末
の保有額(百万円)
B) そのうち5年以上
経っている土地の
保有額
C)標準財政規模
との比率
沼津市土地開発公社
8,006
0
0.00
熱海市土地開発公社
922
619
0.06
三島市函南町土地開発公社
4,964
4,295
0.17
富士宮市土地開発公社
2,244
2,128
0.10
伊東市土地開発公社
256
246
0.02
島田市土地開発公社
1,796
1,525
0.09
富士市土地開発公社
2,502
1,407
0.03
磐田市土地開発公社
2,014
2,014
0.06
焼津市土地開発公社
102
0
0.00
藤枝市土地開発公社
4,538
4,089
0.18
御殿場市小山町土地開発公社
1,213
956
0.04
袋井市土地開発公社
1,861
0
0.00
裾野市土地開発公社
1,495
1,455
0.10
湖西市土地開発公社
1,062
913
0.09
菊川市土地開発公社
0
0
0.00
伊豆の国市土地開発公社
466
0
0.00
榛原地域土地開発公社
31
0
0.00
周知郡土地開発公社
0
0
0.00



三島市・函南町土地開発公社は「黄色信号」ですが、実はその土地は函南町分は無くて、
全てが三島市分です。
そこで、県内の自治体ごとに把握をしてみると・・・
なんと、三島市は最悪。「0.23」と突出しています。国基準では赤信号団体に該当です。

単位:百万円
市町 A)18年度末
の保有額(百万円)
B) そのうち5年以上
経っている土地の
保有額
C)標準財政規模
との比率
沼津市
8,006
0
0.00
熱海市
922
619
0.06
三島市
4,964
4,295
0.23
函南町
0
0
0.00
富士宮市
2,244
2,128
0.10
伊東市
256
246
0.02
島田市
1,796
1,525
0.09
富士市
2,502
1,407
0.03
磐田市
2,014
2,014
0.06
焼津市
102
0
0.00
藤枝市
4,538
4,089
0.18
御殿場市
1,031
956
0.06
小山町
182
0
0.00
袋井市
1,861
0
0.00
裾野市
1,495
1,455
0.10
湖西市
1,062
913
0.09
菊川市
0
0
0.00
伊豆の国市
466
0
0.00
川根本町
0
0
0.00
吉田町
0
0
0.00
川根町
0
0
0.00
牧之原市
31
0
0.00
森町
0
0
0.00



では、いったいその土地の内容はどうなっているのでしょうか。それが以下の表です。

土地取得年 面積
u
H19年度簿価
(α+β)円
α取得時の価格
β利子分その
他経費 円
鑑定額
*注参照
簿価と
鑑定額の差
大場川改修移転用地H3
326.39
67,730,803
56,857,138
10,873,665
27,882,000
39,848,803
谷田幸原線建設用地H4
2,200.96
806,537,269
694,506,625
112,030,644
264,303,847
542,233,422
市道整備事業代替用地
(文教町2丁目)
H8
369.50
61,021,332
60,967,500
53,832
42,544,000
18,477,332
安久公共事業代替用地H2
710.37
77,394,384
76,837,616
556,768
69,616,000
7,778,384
公共施設建設用地(徳倉)H7
1,015.90
93,480,297
92,446,900
1,033,397
102,605,000
△9,124,703
公共事業代替用地(山田)H3
2,167.32
28,620,903
28,509,603
111,300
28,218,000
402,903
公共事業代替用地(富士見台)S56
778.40
5,294,570
0
5,294,570
6,049,000
△754,430
公共用地(三島駅南口東街区)H9
9,326.98
2,259,491,014
1,958,665,800
300,825,214
1,790,764,800
468,726,214
公共用地(三島駅南口西街区)H9
4,627.63
690,401,565
601,591,900
88,809,665
885,659,411
△195,257,846
公共事業代替用地(大宮町3丁目)H10
302.50
104,747
0
104,747
43,171,000
△43,066,253
向山古墳群保存用地H11
16,658.00
241,953,017
215,274,000
26,679,017
118,671,592
123,281,425
沢地本線道路改良事業用地H16
1,592.39
117,463,255
60,637,110
56,826,145
12,828,517
104,634,738
下土狩文教線関連公共用地H17
1,436.88
57,512,003
57,475,200
36,803
294,173,469
△236,661,493

41,513.22
4,507,005,159
3,903,769,392
603,235,767
3,686,486,663
820,518,496

ちなみに「簿価と鑑定額(正確ではありませんが)との差額分を損することになります。これを「含み損」と言います。
三島駅南口東街区では、ご存じのように駐車場が暫定的に運用されてます。この収益は1億5千万円/年。
他にも、西街区や谷田幸原線事業用地でも駐車場が運営されてます。
これらの駐車場の収益を活かすなどして「含み損」をできるだけ少なくし、市の財政負担(市民の負担です)を軽減する必要があります。
全体としては、このまま後にいくほど簿価は拡大し、「含み損」は拡大するので、早い時期に解決する必要があります。