黙祷

戦後に生まれた親
そんな親達から生まれた僕


あの戦いの中
どんなことがあったか
ほんとのことは
僕は知らない

一分の黙祷を
意味も知らずに
捧げて育ってきた


僕らを包み込むこの空気は
  
ガスに充たされた洞窟の日も
カミカゼが星に変わった日も
雨すらが黒いモノクロの日も
ラジオが皆を直立させた日も

柔らかく汗を呼んだだろうか


この空気には
あの日あの時の空気が
確実に混じってる

黙祷などでは消せやしない


地球が回って過去になり
地球に撹拌しつづけられた空気は
徐々にその濃度を落として

今日も
どこかの誰かの感情が
この空気に流れて混じり

今日も
地球は撹拌の日々





薄らぐ濃度の中
黙祷の意味を
少しずつ知って

黙祷