− 運命の2002年6月28日 − |
記念すべきこのゲームが発売した2002年6月28日は大ハッキョ祭状態でした。 『それは舞い散る桜のように』『D.C.』『Lost Passage』など魅力的な作品が目白押し。 残念ながら延期してしまった『マヴラヴ』なんかも当初はこの日が発売日だったんです。 一応購入予定でしたが「F&Cの前作『水月』が面白かったから義理で」程度にしか考えていませんでした。 |
− 高まる期待 − |
そんな発売日1週間くらい前のこと、体験版を遊んだ方々が声高々に“期待大”と評価するのを聞いたのです。 しかも、「どうしちゃったんだF&C」と感嘆の声を上げながら。 で、こりゃただ事ではないぞ、と思ってかなり楽しみになりました。 いや、申し訳ないんですけど「どうしちゃったんだ」という言葉はかなり説得力がありましたね。 |
− その真価 − |
結果はこの通り、御丁寧に紹介ページを作ってしまう程の作品でした。 特筆すべきところは、ゲームとしての完成度が非常に高いところ。 ストーリーは勿論、音楽、グラフィック、演出、システム、全てに斑がないのです。 各所ストレスの溜まることなく流れるように物語を楽しむことができました。 |
− 丁寧な作りこみ − |
勿論、ストーリーや音楽・絵の好き嫌いは人夫々なんですけど、 現代に伝わる伝奇や伝承を上手くストーリーに織り交ぜている部分や、 ゲームの雰囲気に合った音楽、気合の入ったテーマソング、 細部まで綺麗に書き込まれた背景と、躍動感の感じられるキャラ立ち絵、などなど、 非常に丁寧に作りこまれているといて説得力は感じられると思います。 |
− 効果的な演出 − |
演出のレベルはかなり高いです。 まず、物語を盛り上げるアニメーションが非常に効果的に使われます。 本作品では画面が切り替わるなどテンポが悪くなるようなアニメーションは使いません。 ファイナルファンタジー\のムービーがそのままゲーム画面になったりしたようなイメージです。 (ファイナルファンタジー\は未プレイなのですが。店頭デモでちょっと拝見しました。) また、作品全体が「30分アニメ」を意識しており、 各章が終わると次回(次章)予告が入りエンディングムービーが流れます。 この辺の拘りも素晴らしいの一言です。 今では逆に珍しくなったキャラの口パクもバッチリです。 |
− 魅力的な登場キャラ − |
主人公・八雲辰人、ヒロイン・草馬美空は勿論、 作り込みの甘いゲームであれば脇役に徹してしまうであろう 羅生門の鬼や天邪鬼や氷川&榊原といった面々まで存在を立たせることに成功しています。 ストーリーの展開上って部分が勿論あるのですが、 その登場の仕方から台詞に至るまでの魅せ方が上手いんですよ。 まるで各キャラクターの息遣いが聞こえてくるようです。 また、各キャラクターがプレイヤーに媚びていない点も好印象。 意図的にプレイヤーの好みに合わせるようなキャラクター作りをしたように感じられません。 同じく受けそうなキャラクターを作ってユーザに売り込むような姿勢が感じられないのも好印象です。 例えば、流行りのキャラクターを真似た絶対受けるキャラクターを作っている、とかには感じられません。 (某有名アニメの14歳ショートヘア無口少女の人気が爆発したときの傾向を思い出していただければ) もしかすると、少なからず製作者側にその意識はあったかもしれませんが、 それを感じさせない躍動感溢れるキャラクターが揃っているのは御見事です。 |
− フィールドを選ばない − |
ここだけの話、この作品は私の連れと一緒に遊びました。 相方、大絶賛しております。 男女を問わず受け入れられる作品と言うのは、 こと男性向け18禁ゲームに関して言えばあまり多くありません。 双方に受け入れられるための要素は様々で人夫々ではあるのですが、 少なからずゲームとしてその要素を兼ね揃えているのは間違いないでしょう。 誰にでも安心して薦めることができます。 フィールドを選ばない作品であること、これは大きな魅力であり価値であると私は思います。 |
− 揺り籠から墓場まで − |
長々と書きましたが、総括すると 『後世に語り継ぎたい良作』 と自信を持って言うことができます。 私にとって歳を取っても遊びたい作品であることは間違いありません。 機会があれば是非プレイしてみてください。 |