明治・大正のロマン漂うペリーロードを歩く
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前のページでは、観光協会から須崎町・大横町通りを抜け了仙寺まで、江戸時代からの
回船問屋や老舗旅館を訪ねて来ましたが、このページでは明治・大正時代に建てられた
旧家が並ぶ、ちょっとお洒落な街並みを歩いてみたいと思います。 |
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了仙寺からペリーロードに出て、まず最初に
見えてくるのが、その外観はさることながら
名前も素敵な「風待工房」です。
こちらの建物は、喫茶店と骨董品を扱う店で、
明治42年に建てられています。
店内に入ると沢山の陶磁器や、懐かしさが
思わずこみあげてくるような玩具類などが
売られていて、幼少の頃にタイムスリップ
させてくれること請け合いです。
【注意】
ここだけに限らず、ペリーロード沿いの店舗は、
昔の建物を改装し、そのまま使用ているので
間口や通路が狭いことから、団体での入店は
危険防止などからお断りしているようです。 |
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風待工房のすぐ隣にも、木造の洒落た雰囲気
の旧家があります。
建てられたのは、80年以上前とのことですが、
その造りからして、明治後期もしくは大正時代
初期の頃ではないかと思われます。
当時は、芸者さんたちが出入りをする置屋さん
だったのでしょう。
格子状に組まれた外壁や木製のバルコニーが、
かつての花町の賑わいぶりを、今に伝えている
ようにも感じられます。
また、この建物や風待工房のある七軒町には、
日露和親条約の調印が行われた「長楽寺」も
ありますので、ぜひ寄ってみてください。 |
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さらに、15メートルほど歩いた角にある家が
「土佐屋」です。
この土佐屋には、吉田松陰にまつわる話が
残されています。
渡米を決意した松陰が、1854年3月27日
に黒船に乗り込む計画を決行するのですが、
その2日前に江戸を出発してからの日記を
封書とし、江戸に住む兄「梅太郎」のもとに
届けるため、この土佐屋に依頼しました。
しかしながら、当時土佐屋の主人は奥州に
出かけていて不在、その後の安政の地震
による大津波で、家屋ごと封書も流失して
しまったようです。
現在ある建物は、大津波直後(安政元年)に
建てられたもので、築後150年ほどが経って
います。 |
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土佐屋は現在、民家になっているのですが、
母屋続きで喫茶店として営業されているのが、
スパゲティー&雑貨の店「ぺーじわん」です。
実は、ここのマスターとわたくし、以前からの
知り合いで、前を通った時などはよく立ち話も
しています。
店頭には、お洒落な雑貨類や洋服も売られて
いますので、通った際には気軽に覗いてみて
下さい。
オススメは、手間隙賭けて仕込みがされている
スパゲティーと本人は言っていましたが・・・
ローカルな話をして申し訳ありません。(^^;
■ スパゲティー&雑貨の店「ぺーじわん」
営業時間: 11:30〜20:00
定休日: 木曜日 |
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■ ギャラリー「草画房」
営業時間: 11:00〜17:00
営業日: 土日と祝日のみ営業 |
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ぺーじわんの隣、外壁を伊豆石で覆われた
大きな倉がある家が、ギャラリー「草画房」
です。
大正3年に建造された家ですが、1999年に
改装され、現在はアトリエ兼ギャラリーとして
土日と祝日のみ開放されています。
中に入ると、そこはまさに大正のロマンを
感じさせる造りで、風情ある小さな階段を
2階に上れば、自然を題材にした感性豊かな
書や九谷焼の器が展示されています。
2階からは、ペリーロードを一望することが
でき、窓から入り込む優しい日差しを受けて
ゆっくりと時間を過ごすことができました。
こちら草画房では、マンゴーをたっぷり使った
カレーライス、コーヒーやケーキなどの喫茶を、
大正ロマン漂う店内で楽しむことができます。
今回は、店内と2階のギャラリーを見学させて
もらっただけでしたが、靴を揃えてくれるような
さり気ない心遣いが嬉しかったです。 |
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ペリーロードは、ペリー提督が海兵隊を率いて
鼻黒(現在の下田公園下)から了仙寺までを
行進した道筋として命名されました。
昔は遊郭街だったのですが、現在は建物を
活かしたお洒落な喫茶店や洋食レストランが
建ち並ぶ、下田旧町内では最もポピュラーな
観光スポットになっています。
毎年6月1日〜30日の1ヶ月間、下田公園で
開催される「あじさい祭り」の時期には、この
通り沿いのあじさいも満開となり、風情ある
街並と共に私たちの心の中に美しい風景を
残してくれます。
ぜひ、その時期にお越しください。
草画房の角を右折すると、お吉さんの実家が
あった坂下町、左折して大工町の方へ歩くと
彼女が営んでいた安直楼の前に出ることが
できます。
お吉さんの実家があった場所には、現在は
何も残っていませんので、今回は安直楼へ
行ってみることにしました。 |
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ペリーロードから1〜2分も歩けば、大工町に
ある「安直楼」に着いてしまいます。
お吉さんが、晩年小料理屋として営んでいた
のがこの場所でした。
1882年に開業した後、2年間で人手に渡り
ましたが、現在の持ち主の先祖が数年後に
買い取ったとのことです。
中に入ると、彼女が営んでいた頃の面影が
そのまま残されていて、親切なご主人が
愛用品などの説明を丁寧にしてくれます。
■ 安直楼
営業時間: 10:00〜19:00
拝観料: 大人200円 小人100円 |
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今回もう1箇所、ぜひ皆さんに紹介したいお店が
あったので、旧町内からは少し離れた場所にある
ちりめん細工つるし飾り工房「桜子」へと行って
みることにしました。
ここは、アメリカ総領事館のあった「玉泉寺」の
すぐ近くで、入口には樹齢120年と推定されて
いる見事な松が立っています。
建てられてから90年ほど経つ旧家の縁側には、
所狭しとオリジナルのつるし飾り製品が並び、
見ているだけでも楽しい時間を過ごすことが
できそうです。
この家のつるし飾り製品は、作りが丁寧なのは
もちろんのこと、小物入れになっていたりと独自
の工夫がなされている部分に特徴があります。
女性には、とくにオススメしますので、下田に
来た際にはぜひ寄ってみてください。
玉泉寺で訪ねれば、場所はすぐに分かります。 |
■ ちりめん細工つるし飾り工房「桜子」
営業時間: 9:00〜18:00
定休日: 不定休 |
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今回の散策では、旧家を中心に紹介して来ましたが、新鮮な地魚を使った料理店や寿司屋、
昔ながらの製法や看板を守り続ける老舗の数々・・・
まちあるきMAPを片手に旧町内を歩けば、きっとお気に入りの店が見つかるはずです。
美しい海岸と山間に湧く秘湯、幕末から明治・大正の面影を残す風情ある街並、開国の街
伊豆下田にぜひ一度いらして下さい。
かつて吹き荒れていた新しい風は、今は海からの優しい風に変わっています。
※まちあるきMAPは下田市観光協会の各案内所で配布されています。
今回紹介させて頂いた店舗の営業時間・休業日は、2004年7月現在のものです。 |
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● 道端にある小さな町名
下田旧町内を歩いていると、道端にこのような
道標を見かけることがよくあります。
現在の旧町内は、1丁目から始まる住所に
変わっているのですが、昔は路地ごとに町名
が存在し、それぞれに謂われのある個性的な
名前が付けられていました。
なぜこのような道標が建てられたかと言うと、
行政側の都合で、旧町名を無くされてしまった
ことに対し、「昔の町名を大切にしたい」と願う
住民の意向から建てられたようです。
確かに、今回このページを作成するにあたり、
昔から住んでいる人たちから、町の歴史に
関することを色々と聞いて歩いたのですが、
旧町名に関して質問すると、一同に嬉しそうな
表情で答えてくれたのが印象的でした。 |
当時の行政側としても、人口増加に伴い区画整理を行う必要性を余儀なくされたのでしょうが、
せっかく町の人たちが石に刻んでまで残してくれた旧町名ですから、今後は観光面などの
新しい方向に役立てばと思い、今回は旧町名をあえて使わせてもらうことにしました。
■ 下田旧町内に存在した町名
紺屋町・殿小路町・長屋町・町店町・連尺町・二丁目町・三丁目町・池之町・伊勢町・坂下町
七軒町・新田町・須崎町・大工町・同心町・中原町・原町・弥治川町・上田町・大正町・広岡町
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【下田ボランティアガイドツアー】
下田旧町内の歴史の散歩道をめぐる無料のガイドツアーです。
親切なガイドさんたちが、幕末の歴史が残る史跡を歩きながら楽しく説明してくれます。
このページの作成にあたっても、ガイドさんたちに色々とご協力を頂きました。
▼スタンダードコース「開国エピソード編」: 予約不要(15名以上は要予約)
下田観光協会駅前案内所→稲田寺→宝福寺→泰平寺→吉田松陰拘禁跡→
了仙寺→長楽寺→下岡蓮杖の碑→開国記念碑→ペリー上陸の碑→安直楼
所要時間: 2時間(約2.5キロ)
▼下田湾・柿崎玉泉寺コース「踏海編」: 予約不要(15名以上は要予約)
道の駅「開国下田みなと」を出発し、吉田松陰踏海の企跡弁天島やハリスの小径、
日本で最初の米総領事館「玉泉寺」をめぐるコースです。
所要時間: 2時間(約2キロ) |
▼その他のコース: 要予約
(1)下田公園散策コース
(2)下田ハーバーミュージアム展示解説
集合場所: 下田市観光協会駅前案内所
(スタンダードコース)
道の駅「開国下田みなと」
(下田湾・柿崎玉泉寺コース)
出発時間: 10:00
土日・祝日: 10:00│13:00
休業期間: 7月16日〜8月31日
12月31日・1月1日
問い合わせ先: 下田ボランティアガイド協会
TEL 0558-23-0308 |
└ 風情あるペリーロードの街並 |
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└ 開国下田みなと(ベイ・ステージ下田)
● 道の駅「開国下田みなと」
写真上が道の駅「開国下田みなと」です。
駐車場は建物の1階にあり、手前が出口
奥が入口になっています。
大型バスは建物手前の屋外駐車場です。
施設内には、歴史の交流館や飲食店、
農協・漁協の直売所をはじめ、お土産店や
観光協会の案内所も入っています。
また、ガラスアートや海藻おしば制作など、
土・日を中心に各種体験教室も行われ、
気軽に参加することができます。
問い合わせ先: ベイ・ステージ下田
TEL 0558-25-3500 |
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【開国の歴史に関する資料館】
■ 玉泉寺ハリス記念館≫
ハリスや領事館時代の資料や古文書
入館料: 300円
休館日: 年中無休
■ 宝福寺お吉記念館≫
唐人お吉に関する資料や愛用品
入館料: 大人300円 中高生150円
営業時間: 8:00〜17:00
休館日: 年中無休
■ 了仙寺宝物館≫
黒船来航やペリーに関する資料
入館料: 大人500円 小人150円
営業時間: 8:30〜17:00
休館日: 年数日有(展示品入れ替え日)
■ 下田開国博物館
開国の歴史や吉田松陰に関する資料
入館料: 大人1000円 小中学生500円
営業時間: 8:30〜17:00
休館日: 年中無休
■ ベイ・ステージ下田≫
歴史の交流館・ハーバーミュージアム
入館料: 大人500円 小中学生250円
営業時間: 9:00〜17:00
休館日: 火曜日(祝日の場合は翌日)
12/31〜1/1 |
【下田市内の観光施設】
■ 下田海中水族館≫
楽しいイルカやアシカのショー
入場料: 大人1700円 小人900円
営業時間: 9:00〜16:30(2月〜10月)
9:00〜16:00(11月〜1月)
休館日: 年中無休
■ 伊豆急マリン≫
黒船が来航した下田湾内めぐり
運賃: 大人920円 小人460円
運行時間: 9:00〜16:00(30分に1本程度)
所要時間: 一周約20分
運休日: 年数回の点検日と高波による欠航日
※石廊崎岬めぐり遊覧も有り。
■ 下田ロープウエイ≫
寝姿山からの下田湾と伊豆七島の眺望
運賃: 大人1000円 小人500円
運行時間: 9:00〜17:00
運休日: 年数回の点検日と強風による運休日 |
└ 下田湾内めぐり遊覧「サスケハナ号」
■ 上原近代美術館≫
ピカソ・シャガールの貴重なコレクション
入館料: 大人800円 小人400円
営業時間: 9:00〜16:30
休館日: 年数日有(展示品入れ替え日)
※上原仏教美術館も隣接しています。 |
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● 関連リンク
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■ 下田市観光協会(観光情報)
■ 下田温泉旅館協同組合(旅館・ホテル)
■ 下田民宿組合連合会(民宿)
■ 下田料理飲食組合(飲食店情報)
■ 下田市漁業協同組合(直売店案内)
■ 南豆製氷応援団(南豆製氷の保存活動ボランティア)
■ 稲葉ホースファミリー(乗馬体験)
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