前日まで、元気に遊んでいた息子が突然この病気にかかりました。
この病気は、原因不明であること、急性期の症状が非常に重篤なので
発症した子供を持つ親は、不安ばかりが膨らみます。
どうしてうちの子が・・・とも思いました。でも、
早期の診断・治療で、またもとの元気な息子に戻ることができました。
(2000.2.28)
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公害病と思われていることがよくあるようですが、そうではなく、30年ちょっと
前、川崎富作氏という方が発表した病気です。
この病気は、急性の全身症状と、それに続いて起こる全身の血管、特には冠動脈の
炎症を起こします。原因については、いまだ未解明な部分が多い病気です。
現在の診断基準は、以下の6項目の内、5項目以上の症状が出た時です。
(1)高熱が5日以上続いている
(2)発疹ができている
(3)首などのリンパ節が腫れている
(4)目が充血している
(5)舌がイチゴ状に赤く、ブツブツしている
(6)手足がむくみ、その後指先の皮がむける
4歳以下の子供に多く、1歳前後の子供が最も多く、現在では年間6000人くら
いの子供達が川崎病と診断されているそうです。
急性期は、非常に重篤な感じがしますが、それを過ぎると嘘のように元気になりま
す。ただ恐いのは、その急性期を過ぎた後、後遺症として冠動脈瘤ができてしまう場
合ですが、発病後1〜2年ほどの経過で、ほとんどが正常化するようです。
また、再発の可能性は2〜3%程度で、兄弟で発症する可能性も2〜3%程度だそ
うです。
未解明な部分ばかりの病気ですが、早期の診断と治療がカギとなります。
*川崎病のニュース No.1
(1999,11,19 山梨日々新聞)
*川崎病のニュース No.2
(1999,11,19 朝日新聞)
川崎病のもくじへ
前述のように、川崎病の後遺症として最も心配されるのが冠動脈瘤です。
この病気は、全身の血管に炎症を起こすものですが、その結果、血液中の血小板の
数が異常増加し、冠動脈が拡張、ひどい場合は血液が固まり、コブとなって、血液の
流れに支障をきたすのです。
発病後、2〜3週間経過するまでに、患者の半数以上に、冠動脈の拡張あるいは瘤
が見られるようですが、その多くは3ヶ月後には正常化、約1割の患者は、瘤を残す
ものの1年後には正常化するそうです。しかし、約1%が巨大瘤のような後遺症を残
してしまい、更には、0.1%の患者が心筋梗塞を発症し、ごく稀ではありますが、
急死するケースもあるそうです。
*冠動脈(冠状動脈)は、心臓から出ているほそ〜い動脈です。(正常な幼児では、
1〜2ミリくらい)
川崎病のもくじへ
川崎病の疑いが濃いと即入院、医師が「川崎病である」と断定した時点から、血液
製剤であるγーグロブリンの点滴投与が開始されます。また、血小板凝集抑制作用の
あるアスピリン等の薬も内服します。
γーグロブリンは、この川崎病に関して顕著な効果を上げるとされています。昔に
比べ、この病気で命を落とす子供がほとんどいなくなったのも、このγーグロブリン
の効果のようです。
しかし、血液製剤と聞くと、なんだかちょっと嫌なイメージを持ってしまいます。
そうです・・・血友病患者の皆さんが、HIV感染してしまわれたように、将来新し
く出現する病気も絶対にないとは言いきれないんじゃないか・・・というように。で
も、現在では加熱処理を行っているので、よっぽどの事がなければ大丈夫と私は思っ
ています。
血液製剤を使用するにあたっては、医師から丁寧な説明を受け、親の承諾を確認し
て投与が開始されます。
*
γ-グロブリン(免疫グロブリン)製剤について
川崎病のもくじへ
発病 昼頃、38度の熱があり、「頭が痛い。」と訴えました。
・発熱 他に症状はないので、風邪だろうと思いました。
食欲は全くなく、終始ウトウト・・・寝たり起きたり。
夜になって、さらに熱も上がり、39.5度。
発病2日目 朝、熱は39.4度。インフルエンザが大流行した後だったので、遅れてインフ
・高熱 ルエンザにかかったのかと思いました。普通の風邪などの時は、朝のうちぐ
らいは熱が下がったりするもんですよね。
前日の昼から何も食べていなかったので、お腹かも空いたらしく、お昼は普
通に食べました。でも、夜はまた食べず、熱も39.8度。高い!!!
発病3日目 夜明け前の午前3時、突然嘔吐。朝まで、嘔吐の症状が続きました。
・高熱 朝の体温39.5度。
・嘔吐 「頭が痛い!」「お腹が痛い!」「首の横が痛くて、動かせない。」と訴え、
・下痢 かかりつけの小児科へ。
・リンパ節の 「インフルエンザでも、風邪でもない。少し様子を見ましょう。」と指示さ
腫れ れ、抗生物質、漢方薬(胃腸を整えるお薬)、解熱剤をもらって家にかえり
ました。
その夜も全く解熱しそうもなく、苦しいようだったので、解熱剤の座薬を使
ってみました。が、その直後に下痢症状が現れ、解熱剤の効果もありません
でした。
発病4日目 朝になっても解熱せず、目がずいぶん充血していて、全身にものすごい発疹!
<入院> 水疱瘡、風疹等は、もう免疫ができてるはずですから考えられないし、薬に
・高熱 よるアレルギーも疑って、昨日行った小児科へ、また行きました。
・発疹 先生も驚いた顔で、指示されました。
・下痢 「川崎病の疑いがあります。すぐ、総合病院へ行ってください。」
・リンパ節の そして、総合病院へ急患として入りました。
腫れ そしてすぐ入院するように指示されました。
・目の充血 この時点で、「発疹・首のリンパ節の腫れ・目の充血・手足のむくみ」があ
・むくみ り、川崎病の診断基準のうち、4つの症状が確認できるとのことでした。
●抗生物質点滴開始 ●フロベン内服
おそらく川崎病でしょうと言われたときには、あまり聞いたこともなく、難
病というイメージを持ったので、それはもう心配で心配でいてもたってもい
られなかったです。
「あんなに元気に走り回っていた息子が、どうして・・・?」と納得できず、
涙がポロポロとぼれてきました。おまけに我が家はパパが単身赴任中で、不
安はどんどん膨れあがるばかり。
発病5日目 ●γーグロブリン点滴開始 ●抗生物質点滴 ●フロベン内服
・高熱 「5日以上の高熱」が続いたということで、私達、親の承諾を得て、血液製
・発疹 剤γーグロブリンの点滴が始められました。
・リンパ節の 点滴を始めると、尿量がかなり増えると聞いていたのですが、今日は2回し
腫れ か出ていない。熱を下げる為にも、水分を・・・と思ったのですが、点滴を
・むくみ しているので喉も渇かないようでした。食べものも、ヨーグルトをちょっと
・全身の痛み 食べる程度。
通常は、γーグロブリン点滴と平行して、アスピリンを投与するそうですが、
息子の場合、入院時の血液検査で肝臓が弱っていることで、アスピリンより
肝臓への負担が少ないフロベンを投与することになりました。
「頭が痛い!首が痛い!かゆい、かゆい!!!」で、昨夜から眠りが浅く、
本当に辛そうです。早く、ゆっくり眠らせてやりたいと願うばかりでした。
発病6日目 ●γーグロブリン点滴2日目 ●抗生物質点滴 ●フロベン内服
・高熱 昨日より、さらにぐったりしていました。話すのもしんどいようで何もしゃ
・発疹 べりません。笑いもしません。あんなにニコニコ笑う子だったのに・・・
・リンパ節の 1日中ベッドに横たわっていて、食事がきても座っていることもできず、ス
腫れ プーンを持つこともできない。寝返りをうつこともできないほど、辛いよう
・むくみ です。本当に重篤な病気に見えました。早くお薬が効いてほしいと、ひたす
・全身の痛み ら願いました。
週末でパパが帰ってきてくれたので、付き添いを変わってもらいました。も
ともとお父さん子ではありましたが、こういうときはやっぱり母親の方が、
子供は安心するようです。ウンチやオシッコの始末もしなくちゃならないし、
何と言っても、子供の体のことを一番よく知っている人が、付いててあげた
方がいいですよね。私も、この子にとって、必要な存在なんだ・・・と感じ
ることができて嬉しかったのと同時に、私が一緒に闘ってやらなきゃ・・・
と改めて思いました。
発病7日目 ●γーグロブリン点滴3日目 ●抗生物質点滴 ●フロベン内服
・高熱 体温が38度台になったので、快方に向かうのかと思ったが、症状は全く好転
・発疹 してきません。相変わらず、ぐったりしています。
・リンパ節の むくみもひどく、点滴をしているにもかかわらず、尿量が少ないのです。手
腫れ や足はパンパンにむくんでいます。
・むくみ 今日は、一番心配な循環器の検査をしました。今のところは、以上は認めら
・全身の痛み れないと言われた時には、少しだけホッとしました。
発病8日目 ●γーグロブリン点滴4日目 ●抗生物質点滴 ●フロベン内服 ●利尿剤
・高熱 昨夜も熟睡できず、30分か1時間おきにうわ言で
・発疹 「寒いよ〜!かゆいよ〜!暑いよ〜!う〜ん・・・う〜ん・・・」と見てい
・リンパ節の る私もいたたまれない晩でした。
腫れ 昨日の心エコーの写真では心臓の外形的な異常はないものの、むくみからく
・むくみ るらしい心臓の膨張が、入院時から見ると顕著だということで、利尿剤を注
・全身の痛み 入しました。間もなく、尿量がぐっと増え始めました。
発病9日目 ●γーグロブリン点滴5日目 ●抗生物質点滴 ●フロベン内服
・高熱 今日で、γーグロブリン5日目です。5日間の投与で、症状が改善される場
・発疹 合が多いと聞いていたので、全く症状が好転しない息子がさらに心配になり
・リンパ節の ます。ただただ、どうしよう・・・こんなに症状が重いと、後遺症の確率も
腫れ 高くなるんじゃないかしら・・・どうしよう・・・と頭を抱え込む毎日でし
・全身の痛み た。
・むくみ 体に触れるだけで、痛い!と訴える息子。一体、私は何をしてやればいいん
だろう・・・見守り、元気付けてやることしかできない自分が歯がゆくてな
りません。
ここ数日、寝たきりでいたので背中が痛くなってきたようで、横になってみ
たり、少しだけ座ってみたりするのですが、当然耐えられなくなって、また
寝ころんで・・・辛そう・・・
目の充血もそれほど良くなってないので、30分くらいテレビをボーっと見
いても、目が痛い!と訴えて、涙をポロポロこぼすのです・・・。
発病10日目 ●γーグロブリン点滴6日目 ●抗生物質点滴 ●フロベン内服
・高熱 朝も熱は下がらず、かえって39度〜40度の高熱が出ました。
・発疹 昨夜は今までより、まとめて眠ることができたようでした。3時間くらいは
・全身の痛み うわ言もなく眠っていました。少しは楽になったのでしょうか・・・
・むくみ 血液検査の結果、白血球の数も多く、炎症値も高いので、引き続きγーグロ
ブリンを投与することになりました。
また、心エコー検査では、左の冠状動脈が少し拡張しているそうです。
検査に行く時も、とても歩けない状態なので、常に車椅子を使いました。
昼過ぎ、体温も37度代になり、少しだけ調子が良く感じたのか、紙ヒコー
キを作りたいと言いました。でも、指先は痛くてとても折り紙どころではな
かったようです。それでもずっと寝たきりだった息子が少しだけ、良くなっ
てきていることを感じました。
しかし、その夜また40度を超える熱を出し、昼間調子が良さそうだと感じ
たのが幻のようです。
発病11日目 ●γーグロブリン点滴7日目 ●抗生物質点滴 ●フロベン内服
・高熱 今日は1日中、37〜38度代で体温が推移しています。
・全身の痛み 毎朝、看護婦さんが体を拭いてくれるですが、これがとても嫌なようです。
・むくみ 体中が痛いのに、あっちこっちとつかまれたり、体勢をいろいろ変えなけれ
ばならないから、とても辛いらしい。
お昼ご飯のとき、入院して初めて「おいしい。」と言いました。この時の
「おいしい」という言葉が、私にとっては本当に嬉しかった・・・。元気な
頃は、晩御飯を待ち遠しくて、台所へ来ては「おかあさん、きょうのごはん
は、なーに?」と覗いて、晩御飯の時には、私の下手な料理でも「おいしい、
おいしい。ぼく、これだいすき!」」と言って食べてくれていた息子が、こ
の10日間、ほとんど食べるということができなかったのですから・・・。
ご飯を食べて、「おいしい」と思うことができるって、こんなにありがたい
ことだったんですね。
発病12日目 ●γーグロブリン点滴8日目 ●抗生物質点滴 ●アスピリン内服
・微熱 昨夜はとてもよく眠れたようです。体温は36〜37度代になりました。
・全身の痛み また、採血をしたのですが、「痛い、痛い!」とポロポロ涙を流すのです。
・むくみ 採血ぐらいで泣くような息子ではないのですが、この病気のせいで、本当に
全身が炎症を起こしているようすがわかります。
血液検査の結果、炎症値が下がったそうです。本当にホッとしました。
食欲も少しづつ出てきたし、話もしてくれるようになったし、笑ってくれる
ようにもなりました。
肝臓の機能が正常に戻ったので、内服薬がフロベンからアスピリン(小児用
バファリン)に変わりました。フロベンは苦い散剤だったので、息子は「ま
ずい、まずい!」と嫌っていたのですが、小児用バファリンはちょっと酸っ
ぱい錠剤なので、喜んでいました。
発病13日目 ●γーグロブリン点滴9日目 ●抗生物質点滴 ●アスピリン内服
・手足、関節 体温はほとんど平熱まで下がりました。
の痛み 「かゆい。」という言葉は出なくなりました。そして、ひじ、ひざ、肛門周
・皮がむける 辺の皮がボロボロと剥け始めました。
今日でγーグロブリン投与は終わりにするとのこと。私が見ていても、もう
川崎病自体は心配ないだろうという気がします。
昨夜は、パパに付き添いを替わってもらって、不安もあまりなくなったので、
本当に久しぶりに家の布団で、娘と一緒に熟睡することができました。家で
眠れることに感激したことは生まれて初めてです。
発病14日目 ●抗生物質点滴 ●アスピリン内服
・微熱 お昼過ぎから体温が37〜38度代に上がりました。でも、本人は、かなり
・皮がむける 調子がいいようなので、それほど心配にはなりません。10日間以上も40
度近い熱が出ていたので、親としても37〜38度くらいの熱では驚かなく
なっています。
元気にはなってきましたが、座っていられる限界も30分程度で、また横に
なります。体力もかなり落ちているようですし・・・。
夕食後、「頭が痛い!」と言って、サッサと寝てしまいました。
発病15日目 ●抗生物質点滴 ●アスピリン内服
・皮がむける 明け方まで、ちょっと体温が高かったのですが、その後は平熱を保っていま
す。元気もあるし、炎症値もほとんど正常まで落ちたそうです。
まだ、立ったり歩いたりはままならないのですが、座ったままズルズルと移
動できるようになりました。まだ、指先は痛くて力が入らないようで、鉛筆
は持つことができません。
たまたま点滴が詰まってしまったので、点滴を外して様子を見ることになり
ました。この2週間ずっとくっついていた点滴が外れて、とてもすっきりし
た顔をしていました。
発病21日目 ●アスピリン内服
胸部レントゲンでは、膨らんでいた心臓も元通りになっているとのこと。
左冠動脈は拡張気味だったのが正常に戻りつつあり、右冠動脈が少しデコボ
コしていて若干拡張気味だそうです。
血小板の数もまだ多いようです。しばらくの間は安静にして、アスピリンの
内服を続けなければなりません。
だいぶ歩けるようになりました。ずいぶん元気になったので、今度は入院生
活がとても退屈そう。でも、こんなにも息子とだけ、向かいっていられる時
間が持てたのだから、いっぱいいっぱい本を読んであげたり、いろんな話を
したり、数えきれないほどの工作を一緒にしたりすることができました。私
にとってはとても貴重な時間でした。
発病28日目 ●アスピリン内服
<退院> 血液検査の結果はもう問題なし。
心エコーの検査も、左右冠動脈とも正常な状態に戻っているとのことで、
「もう退院してもいいですよ。」と言われたので、今か今かと退院を心待ち
していた私達親子は、早々に退院しました。
正直言って、私もちょっと疲れていました。パパが単身赴任ということもあ
って、25日間に渡る息子の入院に昼夜付き添い、固い椅子の上で眠る生活
に…。
この日の夜、家の布団で、息子と一緒に眠れることに、感動しました…。

川崎病日記のもくじへ
退院1週間後
退院後初めての外来診察。心エコー、心電図とも異常なし。
アスピリンの内服を続けながら、自宅でしばらくは療養するようにとのこ
と。確かに、入院前より体重も減り、体力もないのがわかります。大好き
な幼稚園に早く行けるように、たくさん食べて元気になろうね。
2週間後
心エコー、心電図とも異常なし。もう、幼稚園にも行っていいそうです。
やったー!また元気にお友達と遊べるね!
1ヶ月後
心エコー、心電図とも異常なし。運動制限もまったくなしということで、
スイミング教室に再び通うことにしました。
3ヶ月後
心エコー、心電図とも異常なし。
この病気の場合、未知な部分が多いので、10年間位は、定期的に検診を
受けるのだそうです。
6ヶ月後
いつもの心エコー、心電図の検査をしました。今度、小学校に上がるとい
うことで、負荷後の心電図もとりました。2段の階段を4分半の間、登っ
たり降りたりして、変化を見ます。4分半は、6歳の息子にとっては、ち
ょっと大変みたいで、後半はヨタヨタしてました。
結果は、全く異常なし。次の検査は、一年後です。
小学校入学
小学校に入学すると、集団心電図検査があります。この時、異常なしの結
果が出ても、「川崎病後の経過観察期間である」ということで、心臓病管
理指導表なるものを提出するように言われました。担当医の先生の所へ行
って、記入してもらうだけですが・・・。うちの息子の場合は、体育をは
じめ、すべてがEランク(可)です。毎年新学期が始まると、心電図検査
があり、毎回、提出しなければならないようです。
川崎病のもくじへ
*川崎病関連リンク
川崎病をお調べの方は、ぜひ!
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