つれずれゆめ日記

                  

これはゆめのパパとママが出会った頃の実話であり、フィクションではありません。

そう、あれは1997年の夏のことだった。パパ(以下P)は、母校である常葉学園菊川高校の美術デザイン科で講師をしていた。運命の8月14日、Pは学校の裏のサル山で同僚の講師(友達)達と花火をして遊んでいた。そこへ仲間の一人である”たいちょう”が同級生のはる(ママ)を呼び出した。はるはスーパーで一番デカイ西瓜を買ってやってきた。このとき集まったのは全部で7人、全員菊川高校美術デザイン科の卒業生だった。はるは2つ年上の先輩であるPのことを憶えていた。Pは失礼にも全然憶えていなかった。が、はるに一目惚れした。(そ・れ・は・う・そ・だ)Pははるの手前”カノジョとは別れたばかりだ”といったが、後日そのカノジョと旅行へ出かけた。はるはPの手前”彼とは別れそうだ”といったが、実はそんなことはなかった。大人ってムツカシ〜。

それから1ヶ月が過ぎた。はるは実家の土木建設業の事務を手伝っていたが、他にも小遣い稼ぎに携帯電話を売っていた。ちなみに当時は携帯電話よりもポケベルが主流だったのだ。はるはPに携帯電話を売りつけた。Pは遠距離恋愛しているカノジョと別れたばかりだったが、カノジョがいつでも電話して来ることが出来るように携帯電話を買った。はるは彼とうまくいかなくなり暇になったので、たいちょうと一緒に遊んでいた。Pも呼び出されては一緒に遊び、次第にお互い惹かれていくようになっった。なんだかハズカシ〜。

浜松のとある喫茶店。そこの2階では占い師がタロット占いをしていて、それがよく当たることで有名だった。10月半ばの月曜日、いつもの仲間でその喫茶店へ行き、占ってもらうことにした。はるは”1つのことが終わり、新しいことがはじまる”と言われた。Pははるがあんまりゴキゲンだったので2人きりになるチャンスを狙ってこういった。
”はるちゃん、僕は君のことが大好きだ!!・・・と思うんだ!”それは店の中に響き渡り、客はみな手をとめ耳を澄ました。はるはPのことが大好きで、Pが自分に気があることを判っていた。何度もチャンスを与えているのにPはなかなか釣れない・・・はるはそんなPにイライラしていたので、ちょっと意地悪を言ってみた。
”ふぅ〜ん。「・・・と思う」んだ〜。思うねぇ。”
        
”あ、いやっすっ好きだっ!”この声も店中に響いた。
”・・・で?だから?どうしたいの?”

        
”うっ・・・つっ・・・付き合ってほしいんだ!”
”いいよ”
そしてPとはるは手をつないだ。女ってオソロシ〜。

それからPとはるは毎日のように会っていた。仕事が終わってからだったので会うのは夜だったが、夜景を観に行ったり、海を観に行ったり・・・時間はいくらあっても足りなかった。ついでにPははるに毎日郵便でラブレターを出した。そのラブレターは現在はるが大事に隠し持っているが、Pはその内容をすっかり忘れている。
つきあい始めて1週間めに、2人は海で月明かりを眺めていた。そこでPははるにこういった。
”はるちゃんとずっと一緒に居たい。結婚しよう!”
      
”結婚しようって言葉は誰でも言える。ホントにそう思うなら証拠を見せて”
”この思いは何よりも透明で純粋で硬い・・・これあげる”
・・・そこには1カラットのダイアモンドがまばゆいばかりに光輝いていて、はるは目がくらんだ。
”これはずっと持っていて。もし・・・別れても返してくれなくていいから。”
はるはダイアモンドをしっかりと握りしめた。5年のローンがはじまったばかりだとも知らずに・・・。

はるのパパは娘の恋人が気になって仕方がなかった。Pは好青年(で高学歴)だ。今は講師だがいずれちゃんとした職に就くだろう。ちょうどその頃Pが新聞に載った(悪いことではない)ことで、はるのパパはPに合格点をだした。はるの家ではミニダックスを3匹飼っていたが、どいつもこいつも何の芸もしなかった。Pはそんなバカ犬の1匹にお手を教えた、しかも2時間で!ほかの2匹もあっという間に手なずけたPならば、はるもしっかり調教してくれるだろう。娘も年頃、結婚する気がないなら早めに別れてほしいし、結婚ともなれば本人同士の問題ではない・・・相手の家柄はどうなんだろうか?はるパパはPと同じ町内の友人に電話して聞いてみた。その友人は実はPの家のご近所でPの家と仲良しだったので、はるパパが心配していることがすぐにばれてしまった。Pのママは
”そんな心配してるんだったらちゃんとご挨拶に行ってきなさい”とPに命令した。そしてPはスーツを着て菓子折を手に、はるの家へやってきた。
”はるさんと結婚させてください”・・・というハズだったが、犬が吠えたり、お茶を入れるのに手間取ってはるとママが居なかったりでなかなかタイミングが合わない・・・。はるパパはおもむろに
”よろしくお願いします”と言った。そしてPは”はるさんと結婚したいと思います”と言った。順番はあべこべだがなんとかつじつまが合ったようだ。秋空も高い、11月の下旬の日のことだった。

Pのママは女の子が欲しかったので、はるをとても可愛がった。そして
”いつ結婚するんだ?すぐに式を挙げなくてもいいから、結婚式にいくらかかるか見積をもらってきなさい”と呪文のように繰り返した。そして12月1日、結婚式場総合案内所へ行った。見積をもらうためには最初に式の日取りを決めなければならない。いつでもよかったが3ヶ月先からというので、とりあえず3月1日にした。そしてそのまま仮予約となり、お金も時間もないまま、あっという間に3ヶ月が過ぎていった。

2月14日・・・正しくは2月13日の夜、2人は市役所の夜間受付に婚姻届を提出した。こうしてつきあい始めて4ヶ月、めでたく正式に・・・ノリノリで婚した。

平成9年3月1日。朝は雨が降っていたが白無垢で家を出る頃雨が上がった。2人の結婚式は変わっていた。ますはPの家代々のお付き合いの”なかむらや旅館”と言うところで親戚だけ集めて披露宴。ここの料理はとても美味しいので、みな喜んでいた。それから結婚式場の教会へ行き、Pとはるのお友達も呼んで結婚式。教会の中はなんだか酒臭かった・・・。そしてそこの式場でくっちゃべり・・・そのあと友達だけで仮装パーティをした・・・。
この日は目が回るほど忙しく、あまり記憶にない。ただ”花嫁さんよく食べるわねぇ”といわれるほど、喰いまくりだった。

     新婚さんいらっしゃい