謎のパラダイス〈めしべとおしべのことがわかる場所〉
淡路島は水仙の咲き乱れる美しい場所がある。県道78号線に沿った、灘黒岩水仙郷だ。
初めて淡路島を訪れた大学院1年の春休み、この道路を走っていたときに、車道にはみ出し通せんぼするかのように客寄せしていたおばちゃんに捕まり、半ば強引に訪れたのが最初だった。

正式な名称を『立川水仙郷』という。
急な坂を下りると、そこには動物たちが檻に無理矢理押し込められているかのような動物舎が異臭を放っていた。
館内に入ると、もうこれでもかというくらいにあっち系の物品が所狭しと並んでいる。
ブースの中ではあっち系のビデオ(実はこれは、なんとか音頭とかいう、この館のテーマソングのイメージビデオらしいのだが…)が垂れ流し。
プレハブで床はコンクリート敷きっぱなし、うっすらほこりすらかぶった陳列物の数々は、触ったら何か毒でもついていそう…
古い図書館みたいな感じだった。

なんて言うのかな、秘宝館って、たとえて言うならそっち系に対してある種のプライドを持って展示・公開している感じがするのだけど、ここは、プライドもへったくれもなく、とにかくすべてをやりきっているとでもいった感じで、ただただ不快感しか持ち得なかった。


それでも新婚旅行でまた淡路島に来たときに、再びここを訪れようと思ったというのは、やはりそれなりに感じ入るモノがあったということなのだろうか。人間の野生・本能に根深く浸透する何か…
だてに〈おしべとめしべのことがわかる場所〉ではなかったということなのだろうなあ。


さて、最後に訪れて以来9年。そんなにはやっているとも思えなかったし、あの有様では今頃はもうつぶれているかなあと思い、フェリー乗り場で聞いてみたところ、おっちゃんはあまり口にしたくはなさそうな感じで
「ああ…ええ、まだやってますよ…」
言外に「残念ながらね」とか「お前も行くのか」とでも言いたげな感じ&伏せた視線で教えてくれた。

島民の心中やお察しするが、あれはあれで一見の価値ありと持ってる人は、俺だけではないと思うぞ。
お勧めはしない。
勧めはしないが、死ぬまでに一度は訪れてみても良いのではないかと思う。
出来れば、思考の柔軟な若いうちにな。

時間が出来たら写真でもアップすっかな。。。

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