2003 5月後半                 

春先の怪談 2003/5/30/(金)
 たまたま用事があり学校へ来たママの車の助手席には、ちょこんとゆめが。僕を見つけて手を振る、お辞儀する、お返事する。しかし、その目は全然僕を見ていない・・・。
 いつもは玄関に横付けするママだったが、今日は美術フロアがある南館へやってきた。駐車場からは南館が全部見える。駐車場に止まった車の窓から車内のゆめをのぞき込むと、ゆめは僕の右肩越し斜め上の方、南館の三階窓かその非常階段あたりをずっと見てる。僕とお話ししている間も視線はずっとそちらを見たまま・・。
 「ゆめちゃん、何が見える?じいじ?ばあば?」
 「・・・・・」
 そうか、やっぱり見えるんだね、ゆめ。
 見てしまったんだね。
 じいじやばあばならいつも部屋にいるから分類できても、この南館にいる若い姉ちゃんを表す単語はまだしゃべれないか。
 この南館、やっぱり居るんだなあ、誰かが・・・。

 で、さっきのおふろ。
 うちのお風呂は入り口の扉が中折れの蛇腹式になってる。ぴっちり締めないと三角の隙間が上下にあく。
 ゆめは・・・ずっと下側の隙間の方を見てる。なんだかあっけにとられたような顔で。こんな表情のゆめは初めて見た。
 「どうした、ゆめ?何か来た?じいじか?ばあばか?」
 「・・・・・・」
 またしても無言。隙間から誰かのぞいてたのかなあ。

 この日記を書くまでは、いつものじいじかばあばがたまたま変なところから顔出してるのを見て、ゆめにしては珍しくびっくりしたんだろうくらいに思ってたけど・・・・、奇妙な一致・・・・もしかして南館の誰かさんを連れてきてしまったんじゃないだろうな。でも仮につれてきたとしても、ゆめは怖がってはいないから大丈夫ではあるよな・・きっと。

悪気はなかったんです・・。 2003/5/30/(金)
先生は子供達を抱っこする。
ゆめは抱っこされる。
ゆめも抱っこできるかな?
みんなを抱っこできるかな?

辺りを見回す・・・・、いた。
フリーなのは、”けんちゃん”
誰もマークしてない。
チャ〜〜ンス。

近寄る。
背後から。
いきなりぎゅっ!
けんちゃん、抱っこ〜〜〜!!!

怪しい気配に振り返る先生。
その時、先生は見た!
BGMは「火曜サスペンス劇場」!チャン・チャン・チャ〜〜〜ン!

   けんちゃんを抱きしめるゆめ。
   けんちゃんの首に回されたゆめの手。
   けんちゃんの首を締めるゆめの手。

   白目をむくけんちゃん
   危ない事件簿。
   危険人物ゆめ。
  
   「殺意はなかったんです!!」
   「動機はないようです!!」
   「まさか首が絞まるなんて思わなかったんです!!!」

先生達は、よってたかってゆめを引き離した。当然。

笑い事じゃ・・・ないよなあ・・・。

寝かしつけられ 2003/5/29/(木)
 ある平日の夜、ゆめはお風呂上がりに涼んでいた。パパはお風呂後にもう一仕事、今年度の学校案内を制作中。ママは無心にカリグラフィーの練習。気がつけば時刻はすでに午後10時。
 眠いくせにがんばるゆめ。
 無心に練習するママ。
 眠いけど仕事するパパ。

 両手におもちゃを握りしめたままうつぶせになり、折り上げた両足が眠気のために昆虫の触覚のように左右にゆらゆら揺れている。いつものゆめの光景だ。そろそろいいかなと布団に連れて行く。今日は珍しく抵抗が少ない。すんなり寝そうだ。パパとママでサンドイッチにして寝かしに入る。
 実はまだ寝たくないゆめが小さな声でうなる。
 ゆめがうなる。
 うなるって言うか、いびき?
 あれ?いびきかいてるのは・・・ゆめ?
 あ、俺、いびきかいてる・・・。
 あ〜〜、いびきかいてるなあ・・・・

 
ごちっ

 いてっ!殴られた!
 無言で僕を殴るママ・・・・。なんでよ〜〜!!

 ゆめを寝かしつけて居間に戻ると、ママが一言・・・
 「もうパパは一緒に寝かしつけてくれなくていいから」
 「なんでさ」
 「だって、パパは寝かしつけてるんじゃなくて、ゆめに寝かしつけられていびきかいてるじゃん。パパがいびきかくたびに寝かけたゆめが起きるんだからね!」
 「え〜〜、いびきかいてる?俺?」

 そう言えばいびきかいてた様な気もするなあ・・・。
 俺いびきかくんだなあ・・・。

幼稚園事情 2003/5/27/(火)
 よしっ!
 本当の日記を書くぞっと!

 ある日、ゆめ幼稚園で放送当番。お帰りの準備を促す放送を、幼児達が順番に行う。
 当日その瞬間、教頭先生がマイクを握ったとたん、見事なはいはいで猛ダッシュ!ゆめはこの日を待っていた。前々から狙っていたのだ!カラオケなんか眼じゃない!夢の全館放送!!張り切ってしゃべった!!!
「あーー!ぼぼぼぼーーーーーーーーーーーーーー」
 あっけにとられる園児達!
「きあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
 ヘビメタかよ!!
 翌日の放送当番はたかと君・・・・だったはずなのだが、再びゆめが猛ダッシュ!!たかと君は抵抗する暇すら与えられずマイクを奪われ、再び始まるヘビメタ放送!
 たかと君、茫然自失。ゴメンね。でもありがとうね。
 今日は立派に放送当番出来たんだってね。はい寄るゆめは見事にブロックされ、放送終了後に何かしゃべったらしいね。すでにマイクのスイッチは切られていたとか・・・。

 ディズニーの絵本を見つけて、ちえ先生に何事かを話して聞かせるゆめ。おそらく果てしない意味不明のタンゴの羅列だったであろうに、ちえ先生はママに
「一生懸命説明してくれたんです」
と語ったという。
 幸せ者だな、ゆめ。お前の事を一生懸命理解しようとしてくれてる人がここにも居るぞ。
 感謝の気持ちは正しい日本語で示せ。

 幼稚園でのゆめの一番のお気に入りは、ずばり”色水遊び”。透明なビニール袋に花びらと水を入れてもみもみもみ・・・・色んな色のジュースが出来るよ。それをペットボトルに入れて・・・・・・それだけ?それだけの遊びなの??
 ママに言わせれば、女の子にとってはとってもすごい遊びらしいが・・・・・、男には理解できませんな。
 なにやかにやらと年長さんがとっても世話を焼いてくれる。全く、良かったね〜〜、優しい子供達で♪
 そう言えば、ウルトラマンのお面を作ったときなんかはようへい君が
「ゆめちゃんが攻撃してきても、僕は何にもしないよ」
というと、こうた君も
「僕も何にもしないよ」
と言った。
 お前達・・・何て素晴らしい!その言葉通りに受け取るよ。ありがとう!

 給食当番で給食を配るゆめ。張り切ってるらしいじゃないか。
 受け持ちが牛乳なのは・・・ふふふ、食べ物だとヨダレが入るからかい?ま、中には汚いって思ってる幼児も当然居るものな。正しい配慮ですな。しかるべき役割がしかるべき人間に回る。幼稚園とはいえども一つの小さな社会、社会はこうでなくてはね。

・・・・・ 2003/5/27/(火)
 嘘をつくなかれ
 自分の非をかたくなに否定するなかれ
 事実を偽る事なかれ
 
(残念ながら今年は担任ではないが、俺と関わるすべての)俺の生徒達よ、せめてお前らは正しく生きられる勇気を持て。

問う!!! 2003/5/26/(月)

 新しい支援費制度の元では、すでになされた契約内容の範疇での利用客の一時的な特別な希望を、実現できる内容であるにもかかわらず、利用客を蚊帳の外においた事業所側の勝手な決定によって、果たして却下できるのであろうか。

 全国的に利用客が甚だ不自由な状況に置かれていることは、利用客間では周知の事実。本来対等な自由契約で、利用客がサービス内容によって事業所を選択するはずであるものが、現実には利用客が事業所に選択されている。
 原因は受け皿が出来ていないまま見切り発車させた国と、受け皿整備に本腰を入れない各自治体(一部地域を除く。それに不況だしな。)、なんと言ってもこの法案に関心が薄かったこの問題に切実でない状況にいる大多数の国民だ。

 ま、今更こんな事を言っても始まるまい。通っちまったものはしかたないし、すでにはじまっちまったものも仕方ない。しかし、不条理・不誠実な事柄に、弱い立場(現状では選択される側だから)だからと泣き寝入りしていては、いつまでたっても改善されない!!本来あるべき「サービスのあり方」&「サービスを提供する側の正しい姿勢」を、問うべき時は問わねばならない!!
 私は一教師として、同じく教育というサービスを提供する側の人間として、上記のような不誠実な対応は絶対に許せない。これを許しては私の教育者としてのアイデンティティーが保てないし、私がしてきた教育が成立しないのだ。それに、決定を覆せないまでも一言もの申さねば、やはりこれまでしてきた「これから生まれる障害児ちゃん達に道が開けない」という姿勢も貫けない。
 だが、私一人が叫んでもダメだ。
 権力には声を!
 不義理には団結をもって!
 立てよ!国民!!


運動会 2003/5/24/(土)
 今日は”友愛の里”の運動会でした。ママは朝からお弁当作りに大奮闘です。寝坊したけどね。
 ゆめは朝からなんだかご機嫌斜め。見れば鼻から液体垂らしてる。こりゃあ〜〜風邪の引きはじめかなとちょっと心配。でも、ま、運動会は楽しみにしてたし、とにかく出かけましょう。
 ママはジャージ、ゆめも軽装。パパは一人ジーパンに皮ブーツ。走る気なしかいと思いつつ、実は運動靴がないだけ。毎年パパはブーツだし、第一年中ブーツだから良いのだ。走るときは裸足になるさ♪
 午前中の出場競技は、「リレー」と「ひょうたん島パン食い競争」。
 リレーはゆめはママと出場。リハビリの靴を履いて、ゆめもがんばった。ママと亀井先生と一緒に、「もはや1番はめざさん!」と言いきった先生の勇気に後押しされ、ゆめは一歩一歩大地をかみしめた。結果は・・・何番だったんだ?パパはパパラッチとかしていたので覚えてませ〜〜ん。リレー自体は最終的には1番だったような気が・・・。
 パン食い競争にはパパと一緒に出場。あんパンじゃなきゃ何でも良いぜと思うパパ。秘かにクリームパンが欲しいゆめ(パパの想像)。栗入りあんパンをとってきて欲しいママ。それぞれの思いが錯綜する中、パン食い競争が始まった。
 スタート直後、まずは「ひょうたん島」にちなんで出現する海賊をピコピコハンマーで倒さねばならない。ゆめは、ひげ面で、一番海賊チックな奴にアタックした。と言ってもにやにやしながらハンマーをふるうだけなので、海賊に「ゆめちゃんは優しいなあ」と言われる始末・・・。気がつけばべりに近いじゃないか!大地を踏みしめながら残ったパンをつかむと・・・それはジャムパンだった。ま、あんパンじゃなければいいさ。その後、ママが一回、ゆめがもう一回出場したが、ゲットしたのはあろう事か2回ともあんパン。しかもつぶつぶ入り。
 この世には神も仏もないな、フッ。
と思ったね。
 さて、お昼は楽しくフィアンセのもっくんたちとお弁当を食べ、元のぞみの施設長、鈴木のじいじにちょっかいを出し、パパ一押しの美人ちゃんえりちゃんの写真なんか撮りつつ、いざ午後の競技!!と思っていたのもつかの間、ゆめはますます機嫌&調子が悪くなり、お弁当もあんまり食べない。熱は37.1だが、どうもだるそう。ここで無理して明日寝込まれてもおもしろくないので、今日のところは泣く泣く早引けとなった。まあ、今年も楽しかったから良いよな。
 来年こそメロンパンをゲットするぞ!
悪戯 2003/5/23/(金)
 本当はもう少し様子を見てからと思ったし、いろいろと策略もあったのだが、いい加減我慢比べにも飽きたので、ここらで書こうと思う。
 ママはこのところずっと悪戯電話に悩まされ続けていた。正確には悪戯とわかったのは最近で、それまでは悪戯なのか本当なのか解らなかった。
 事件は4月20日にまでさかのぼる。最初に来たのは「ママを恨んでいる女がいて、仕返ししてくれと言うので10日間あまり身辺調査していた&2〜3日後には拉致する予定だった」と言う内容だった。かけてきたのはやくざを名乗る男。声からは50くらいと想像される(ママ談)。中堅どころのようで、「いろいろ悪いこともしたがそろそろ人助けをしたくなった&下のモンにはストップをかけたから、あわてず騒がずやくざのやり方に任せろ&ダンナにも警察にも言うな&見返りなんかイラン&警察にはパイプがあるから通報すればすぐ解る」そうな。その後に都合十数回電話が来たが、実際金品を要求されたことはなかった。
 具体的に書くと長くなるのではしょるが、恨まれる覚えはない。が、考え出せば「あれかな、これかな、でも、お金出してやくざに頼むほどの恨みを買うかな、普通??」となる。そんなのあり得ない、悪戯だ、と判断してしまっても良いのだろうが、もし本当だった場合や、悪戯であったとしても相手が逆上したりしたら、週のうち半分は別々で暮らしている我々にとっては危険きわまりない、と言うより僕にはママとゆめを守りようがない。通報したところで実害ないのに警察が守ってくれるわけないし。結局疑心暗鬼に駆られつつも成り行きを見ることになった。
 でも・・・さすがに本当だったら怖いと言うことで、ママは次第に体調を崩しだした。相変わらず金品の要求はないし、どう考えても悪戯としか思えないよそこまで行くとと言う内容も中にはあったが、やくざが「事件は解決だ」と言ってきたGW前からこっち、数回にわたり「誰にも言ってないだろうな」「一回事務所に来て上のモンにも挨拶を」「誠意が見られない」と、なんだか雲行きが怪しくなってきたので、せめて声を録音してから、あるいは金品の要求があってからと思っていたが、それを待たずにいよいよ警察に相談した。
 警察では、「漏れるようなパイプなどあり得ない&やくざが人助けなんかしない&総合的に見て、悪戯でしょう」だそうな。この言葉を聞いて、すっかり気が楽になった。警察の人、ありがとう。ドラマみたいなことはそうそうないのね。
 でもさ、相手は住所氏名から家族構成、僕の職業まで知ってたんだぜ、電話帳ではそこまで調べられないしさあ。このHP見た?でも、ゆめの障害は知らなかったんだよなあ。ってことは見てないんだろう?それに、やくざモンでも人助けしたくなることもあるのか、そりゃ人の子だしなとママと二人で思っちゃったんだよね。最初に書いたとおり、週の半分は別々なんだから、仮に悪戯だったとしても離れてるときに手を出されたらどうしようもない。「家庭を壊したくない」「ダンナの職場も大変になる」とまで言われて、立派に脅しジャンと思っても、警察は身辺を守ることは現時点でも出来ないっていってるんだしさあ。一回でもおそわれれば守ってくれるんだろうけど、それじゃあ遅いし。いろいろと奴が言ってることと我々の生活形態に符合する部分もあったしなあ。やくざを名乗る男から電話があったときに、すでに選択肢は限られてたんだな。
 でも、良い教訓になったよ。次からはすぐ通報する。まあ、次があっては困るが。
 ついでに書くが、最後にようやく一回だけ録音できたわずか10秒ほどの声、そいつは僕も聞いたが、聞き覚えがあるぞ。50歳代なんてとんでもない。びっくりした最初と違って冷静な今となっては、上を見ても40半ばと解る。声の感じ、話し方・・・想像が正しければあいつだと。もっとも確証はないから警察には話してないが。
 やれるモノならもう一回電話かけてこい。今度こそ声を録音してしっぽ捕まえてやる。くだらん悪戯で人の生活乱しやがって、確証さえつかめれば今度は警察に録音もって即通報だ!
うわさ話 2003/5/22/(木)
 こんな話を聞いた。
 外資系の大手企業。全国的にフランチャイズ店舗を展開している。
 ある人、仮にFさんとしよう。そのFさんの家の近所に大手フランチャイズの店舗がやってきた。Fさんは最初は喜んだ。田舎だと思っていた我が地域にもついに大手の進出がなったと。その店は立地条件が良かったのか、地域で一番の売り上げを誇るまでになった。
 同時に、Fさんに災難も降りかかった。
 自営業を営むFさんは、駐車場とは別に目の前の道路を挟んだ向かいの歩道に車を止めていた。店の従業員のワゴン車だ。また、遠くに住む子供達も帰省の際にはその歩道に止めることも多かった。その歩道、幅が10m位あり、車を止めても何ら支障がない上に、大きな松並木もあり、その間に止める分にはどうせ死角となる場所なだけに、Fさんが店を開いてこの方50年近く、苦情がでるどころか警察すら黙認していた。
 さて、事件は件の大手店舗が開店した5年ほど前にさかのぼる。たまたま駐車場への入り口の一つが、Fさん達が昼間車を止めている場所の横5m程のところにある。Fさん達が車を止めるとちょうど駐車場の入り口を案内する看板が見にくくなるらしい。(実際にはたいして見にくくないらしいのだが)
 最初はFさんが車を止めている場所のすぐ目の前の家(この家の人にすらじゃまになっていないのだ!)の人から、件の店の店長から「この車を止めているのは誰ですか」と問い合わせがあったと教えられた。また、Fさんの従業員も「迷惑だ」と言われた。それでもこちらも商売なんだとどこ吹く風でいたFさん宅に「建設省から車をどかすように通達を受けたからどかして欲しい」と件の店から電話が入った。そんな話があるだろうか?建設省が、何でうちにじゃなくてそっちに電話するのよ?また、別の日には、Fさんとこの従業員が車をおけないようにとその店舗の登り旗をおかれたり、バイトの子のモノらしい自転車を置かれたりと、その妨害は日に日にエスカレートしていった。
 年月がたち、妨害もなりを潜めたある日、たまたま県外で働くFさん宅の子供が帰省し、問題の場所に駐車すると、すぐに警察がやってきて駐車禁止の鎖をつけだした。たまたまその様子を見つけた子供さんがすぐさま飛んでいくと、「匿名で電話があった。通報されたんではどうしようもない」と、抗議むなしく違反切符を切られたそうな。こんな事は50年のうちで初めて。その店舗が出来てからの5年ほどのうちでも初めてだ。一体誰が通報などする?近所の人でないことは確か。駐車して迷惑だと言ってる奴は・・・件の店舗しかいない。これまでの経緯を考えても他にいないだろう。怒ったのはFさんとその子供達。だいたいFさんは、その店舗が出来たおかげで道路の渋滞がひどくなり、店の運営にも支障が出だしたと言うこともあり、他に店を移している。でもお互い客商売だからと文句の一つも言っていないのだ。従業員だって店を移動したからもはや停めるのは子供達だけ。その帰省したときに止めている子供達だって何ヶ月も毎日止めっぱなしにしているわけではない。時々帰ってきたときに止めているだけで、普段は誰も停めていないのだ。しかもそもそも件の店は直接Fさんと話し合おうとしたことは一度もない。そこへ持ってきてしかも県外から年に数回しか帰ってこない子供が違反切符を切られたのだから怒って当然だろう。これが天下の大企業の営業方針なのか!?その店の敷地内だとか、入り口をふさいでいるとでもいうならともかく・・・・。その夜Fさんは、息子に頼んですぐに件の店舗の大本締めの会社へメールを打った。
 事実をありのままに。
 法律上、歩道に車を止めていること自体の非は認めつつも、場所は決してじゃまになっているとは言い難いのに一度も話し合いの場がないまま意地悪をされ、挙げ句にいきなりの最終手段に出た暴挙を、一利用客として残念だと言う思いを込めて、決して非難や中傷にならないように。
 まあ、金曜日のことでもあるし、月曜日くらいに返信があるだろう程度に思っていたFさんだったが、そこは大手、やることが早い。次の日の午後には親会社のえらい人らしき人物と件の店の店長が、Fさん宅を訪れた。
 「メールの内容と事実が違う部分があるので訂正します。通報したのはうちではありません。車は長期間でなければ止めてもらっても結構です。」
 店長さんはふるえながらメールのコピーを手渡していった。
 それだけ。
 他に一言もなし。
 新しく開店するに当たって、すぐ隣と言っても過言ではない場所の老舗に対して開店の挨拶に来るでもなし、地元の昔から住む人に対して自分のとこの利益だけでいろいろしてくれた挙げ句の果てがこれ?まさか本社に報告されるとは夢にも思ってなかったと言わんばかりの反応。本当に違ったんならふるえる必要あるまいに・・・。これまでの経緯を考えれば他に通報などする人がいるもんですか。おそらく店長の一存でやったことでしょう。確かに「(その店舗としては)うちじゃない」んでしょうね。
 でもね、やはり地元と仲良くやるって言う姿勢は大切だと思いますよ。
 そう言えばこんな話もある。
 ある町の新任の警察署長。成り立てで張り切っていた。その町の中学校の脇の道では、父兄会があるたびに路上駐車があふれかえる。別段じゃまになってるわけでもないたんぼ道らしいのだが、規制に燃える署長は部下の反対を押し切って取り締まった。
 結果は、怒りに燃えた地元父兄や婦人会の反発に会い、署長はあっけなく移動。
 何というのかな、昔からそうしてきたんだからと言う考え方や有り様は、一概に正しいとは言えない状況はあるし、時代の流れでそう言うモノも取り締まりの対象にはなりえるのだろうが、規則とかモラルとかを超えて、人として超えてはいけないやり方ってモノもあるような気がする。実力行使に出る前に、まずは通達や警告や話し合いでしょう。
 じゃまならじゃまで、店のオーナーと話し合えばいいし、父兄会の時は駐車場を確保しなさいって中学校に言えば良かったんじゃないのかな。いきなり実力行使はあんまりに人情がない。やっぱ話し合うって大事だよな。顔を見ながらじっくり話し合って、気持ちを伝えて、お互いに妥協しあう。現代社会はその点がとても希薄だと思うよ。実際我々だって幼稚園のことではいろいろあったけど、顔を見ながら話し合ったことでお互いに分かり合えた部分は多い。言葉通りに受け取れば、園長先生だって「顔を見て話し合ってよく理解できた」って言ってたし。今の担任の先生だって非常によくしてくれている。顔見ながら状況を話し、実際にゆめと交流している結果じゃないかと思う。今の幼稚園の有り様は、全国的に見ても希有な例だと思う。いずれそのことは報告したいと考える。どこの幼稚園、どこの地域でも、ゆめの通うこの幼稚園やこの地域と同じようにしてくれれば、障害者にとってこの上なく住みよい日本となるだろうし、これこそユニバーサルデザインだと胸を張って言いたい。今我々はこの地域に住んで、本当に幸せだ。
 顔を見ながら腹を割って話す。絶対に大切なことだ。


 ちなみに、この大手店舗や警察の話は両方とも私が住む地域の話ではないので、念のため。
おりこうゆめ日常 2003/5/21/(水)
 このごろゆめはだいぶ成長してきた。
 抱っこしてやると巻き付いてきて、ほっぺにチュッてしてくれる。以前なら口を軽く開いてだったのが、立派に口を突き出してチュッだ。

 歯を磨くとき、あわてておもちゃ箱をひっくり返すから「このやろ〜〜」と思っていると、そうではない、うがい後に水をはき出すトレイを引っ張り出したのだ。これは笑えた。しかも、水はごくごく飲んじゃって結局出してないと。おっとこれは意味無いじゃん。

 「ゆめが寝ちゃったらさあ・・・」と話していると、それまで眠くて眠くてひっくり返っていて、両足が昆虫の触角みたいに左右に揺れていたモノが、突如!
「ごにょごにゅ、あ〜い・・・」
としゃべりながらむっくり起き出したり。
 聞いてたのか、ゆめ!

 「ちーー」
 ん?おちっこ?うんち?と聞き返しても、ひたすら
 「ちーー」
 どっちかわからん。出たのか出そうなのか、ちっこかうんちか・・・。
 今日はしっかりうんちが出そうなのを教えてくれて、オマルで脱糞大成功!でも、けっこう多いのが出てしまってからの
 「ちーー」
 出たのをじゃなくて出そうなのを教えてよね、毎回。あと、勝手におむつ脱ぐのも勘弁してね。
アンチユニバーサルジャパン 2003/5/20/(火)
 ゆめが使っているバギー、実はヨーロッパからの輸入物で、フレームが金属製の頑丈なモノ。現地では介護用品ではなく普通のベビーカーだ。そんなモノをなぜ輸入してまで使っているかと言えば、日本の同様の製品では強度に不安があるからだ。
 こんな話がある。
 日本の某車いすメーカー、日本で唯一と言っていいデザインが良い製品を作っているメーカーだ。では他は?残念ながら昔ながらの乗れればいい程度のデザインしかない。「介護用品がよいデザインだなんて、贅沢だ!」と言うのが今の日本の考え方。だからこそ、その会社の社長は今でこそ社長だが、かつては確か鉄鋼場の人だったか。自分が車いすを使うことになったときに、あまりのデザインや使い心地の悪さに、自分で作ったのがきっかけで注文が来るようになったとか。
 ヨーロッパやらからすれば「冗談でしょ!」と言われる。何故なら、誰しもが幸せに暮らせる権利を持っていると言う言葉がただの飾りじゃなく本当の意味を持っているからだ。車いす一つとったって、デザイン、使い心地ともによいモノが多い。車いすの人専用の洋服メーカーだってあるくらいだ。車いすでもおしゃれする権利があるってわけだ。日本では?残念ながらその言葉に本当の意味はないね。その証拠に新しい介護福祉政策だってアナだらけ。加えて障害者や老人がどんな扱いを受けている?老人ホームなんか介護しやすいからという理由でみんなジャージに短髪、化粧もなし。アメリカやヨーロッパの老人ホームを見てごらん。ミニスカートが好きならミニスカートをはき、髪も伸ばし、化粧もする。死ぬまで人間の尊厳を忘れず、個人の好みを尊重する。
 日本と諸外国がこんなに違うのはなぜか?ひとえに福祉政策の違いだろう。もちろん、それを実現するだけの負担が国民にもあるのは承知。それが運営できるだけの教育がしっかりなされているのも承知。今の日本で同じ事が出来ないのは、教育現場にいる私としては、痛いほど承知している。決して国内企業や老人ホームをなじりたいのではない。むしろ教育者として教育方針を非難したい。
 介護用品メーカーだって独占企業状態で競争があまりないから、全然良いデザインのモノが手頃な値段で出てこない。この点は自衛隊の兵器の値段と全く一緒だな。
 さて、余談が長くなったが、肝心なのはバギー。
 先頃このバギーを扱うメーカーが変わった。しかも、今度は値段も跳ね上がり、助成金を使っても個人負担はこれまでの10倍近く。理由は・・・聞いたところによると国内製品の値段とのバランスを考えてとも、単純に扱う企業が変わって経営方針が変わったんだとも・・・。
 仮にバランスを考えてのことが本当だとしたら、それって逆だろう!?国内の製品がおかしいんだろうが。そっちにあわせてどうするよ。なぜ国外製品の注文が多いかを考えるべきじゃないの!?それに、経営方針を変えたおかげで自己負担が10倍なんて非常識すぎる。障害持ってるとただでさえいろいろとお金がかかるのに、あんまりジャン。助成金降りてたってどうにもならんわい。そんなやり方をだまって推し進めるのはおかしいだろう!?もし僕が公務員じゃなかったら、元の値段に戻すために、その会社に変わって輸入を引き受けたいよ、ホント。でも実際は大変らしい。元々介護用品じゃないモノを扱うわけだから、介護用品としての国内基準を満たす証明が必要だし、人手も時間もかかる。経営方針換えたくなるのも解らなくもない。日本政府もそういうことをやろうという会社にどんどん門戸を広げて欲しいモノだし、国内企業も利用者の声をしっかり聞いて、外国を見習って、質の良い手頃な製品を作って欲しいな。日本の技術なら出来るでしょうが。
 まだまだ日本はユニバーサルじゃない。かくなる上は、校長先生にでもなって、そののち市議会議員にでも立候補するか。最後に目指すのは衆議院議員だ。そんでもって中央教育審議会の一員になって、教育を根本から変えるのだ。政治家にでもならなければ思うように換えられない。

 とかいっちゃってな。大風呂敷はいい加減にせねば。まずは出来ることからと言うことで、養護学校の美術の先生になって、ものつくりの楽しさから教えるさ。そんでもって意識を高め、何かを出来る技術を伝授する。何だって出来るさ、出来ると信じて努力すれば。結果ダメだったとしても、それまでの過程は無駄じゃない。きっと人生のうちに何かに活かせる。身につけたあらゆるモノが、その先に行かす機会がある。無駄なことなど一つもない。無駄にしないのも大事な生き方だし。僕自身がそういう機会に恵まれているのだが、誰しもそういう機会はあるよな、きっと。その機会を見つけられるかどうかの違いだよな。そう信じたいが・・・・そうであって欲しいモノだ。