2004 7月                


楽しい生活 04/7/29/(木)
 今日は、デイケアセンターへ紙漉を教えに行ってきた。メダカの学校という集まりに顔を出し始めて早10年近く。そこで知り合った大東町のサトウキビ農家の鈴木さんに、紙漉の材料としてサトウキビのガラを分けてもらったのがきっかけだ。鈴木さんの奥さんがケアセンターで働いているのだ。

 デイケアセンターは病院に併設されている。病院は精神科だ。ケアセンターへ来ている方々も全員元(中には今も)病棟の患者。今勤務している天竜養護みたいだなと思った。

 道具の用意から材料の煮方、紙の漉き方、紙漉のバリエーションなど、丸1日かけて一通り教えてきた。

 思えば、佐久間にいたときに町の依頼で紙漉を教え、授産所でもできないかと研究を重ね、サトウキビにたどり着いたときは、地域の素材で授産所で作った紙を売るという構想が実現する!と思ったモノだ。その後は授業で教える以上にはなかなか進まなかったが、ここへ来てデイケアセンターなら一歩前進かな。



 デイケアセンターと言えば、今日はゆめは”おおぞら療育センター”にお預かり(ショートステイ)だ。7時くらいまで預かってくれるらしい。
 お迎えに行くと、可愛らしく待っていた。
 それにしても、2年前に利用したときは1日の様子がびっしりノートに書いてあったが、今回はな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んにも書いてない。ママがしつこく様子を聞いていた。



 聞いていたと言えば、母親が見える人に話を聞いてきたのだが、開口一番
「あなたんとこのお墓は、見上げる位置にあるねえ」
確かにあります。実家の墓は見あげる位置に。
「百姓一揆の時代からある家だね。4・5代目の人がすっごくつくしてるね。」
はい、父方の実家は麦飯長者。拾った金で麦飯を、旅行く人にただで振る舞った人です。
 このあたりに来ると母方父方双方の情報がごっちゃだな。嫁に来て長いせいだろうか。

 更に母の手を持つと、
「あんたんとこに井戸があるが、その上を歩いてるだろう?それが出てる。」
どき!その通り!なんでわかる?歩いてる上に車も停めてるよー
「なんであたしに出てるんですか?」
「あなたが家を守る立場だからだね。」
その次に家を守るのが俺だ。だからゆめといい、お腹のこといい、みんな障害を持ってるのか?次に家を守る俺のところに障ってる?

 井戸、何とかしようよ、このままじゃあ、健常児を授からないぜー

ゆめのイヤ
”本当にあった怖い話”の心霊写真コーナーにて。

指さして
「おわ!」
とか言うゆめは、いや。


   

指の豆がはぜて血が出ているのを見て。

「いーたーいー」
とか言いながら傷口を指でつつくゆめは、いや。



開けっ放しの部屋の引き戸を、一生懸命はってきて閉めてくれたとき。

閉めた後で扉に向かって手を合わせて拝み、ゆめ語でお経を上げるゆめは、すっげーいや。
一体何がいたんだー

楽しい生活 04/7/28/(水)
「今日ねえ、すごかったよ。保育園にお迎えに行ったら、ほら、あの男の子、こないだパパと行ったとき、最後までお見送りしてくれた子、ゆめにすり寄って包容して、顔すりつけて、お別れの挨拶してたよ。こうよ、こうんなかんじ!」←ゆめの顔をいろんな角度からかかえて、すり寄って、ほほずりして・・・・
「そのときゆめは?」
「されるがままてかんじ。」
「ふ〜〜ん。じゃあ、次回はすごいな。何しろゆめ様にそんなことしたんだから、ぼっこぼこだな。」
「ぼこぼこにされんの?誰に?パパに?」
「へ?あ、あはは〜」←そんなつもりはなかったが、そういやあ、立場上、俺がやるしかない・・・・のか?


「ちゅーちゅー」
「ゆめ、ちゅーちゅー(小さなネズミ)はここにはいないよ。じいじん家に行かないと。」
「いや〜〜ん。。」
「ゆめ、ちゅーちゅーに会いたいの?」
(いやいや)
「じゃあ、ちゅーちゅーを見たいの?」
(うん)
「会いたくはないの?」
(うん)
「見たいだけ?」
(うん)
「触るのは?」
(いやいや)

わかってんじゃん、ゆめ。そりゃあ、触りたくはないよなあ。


「シエルーカ、チュイシーナ!」
「なに?ゆめ、何語?」
「チョーシエルカ、シュワンナ」
「ロシア語じゃないしなあ。。」
「キョリキュワー!!」
「ギリシャ語だ!おまえ、ギリシャ人だ!」
「ア!キョワイエ!」
「何?怖いのが来た?」
「ノッター、クッター」
「乗ったのか、喰ったのか、どっちよ?」
「あっちー」
「あっちって、どっちよ?」
「コッチー」
「会話が全然かみ合ってない・・・」

変体するゆめ 04/7/26/(月)
 ゆめの何かが一つ、今終わった・・・
 まっすぐにのばした右手の先に握っていたフォークを、ひときわ高く捧げた後、静かにお茶碗の横に置いた。
 フォークは、ゆめの体に対して、きれいにまっすぐに置かれた。

 ♪Thank you for your every thing〜
              さよならの代わりに〜
 
 そう、まるで山口百恵ちゃんか最後の瞬間に、ステージの上に置いたマイクがそうであったように、ゆめのフォークは、新しい始まりを暗示していた・・・・。


「さ!ご飯のおかずは食べちゃったわよ!!パパ、そのノリの佃煮をご飯の中に入れてちょうだい!!」
 ゆめの新しい始まりは、新品のノリの佃煮を食べることだった!!そんなカッコつけんでもいれてやるわい!

 その後、アサリのガーリック炒めを食べたいゆめは、ママにしきりにとってくれるように頼んだ。とったアサリの中身を、自分で食べるかと思いきや、口を開けて待っている。
 お前はひな鳥か!?百恵ちゃんの後はヒナか!

 食後、突如押入の上の段をしきりに指さすゆめ。何があるっていうの?黙って抱っこしろと命令する。
 抱っこして押し入れに行くと、かごの中を指さす。中身を拾ってみると・・・・ん?
 これか!?
 なんということでしょう(byビフォーアフター)それはゆめ専用のデジタルカメラだったのです。ゆめは、決して見えるはずのない位置から、的確にデジカメの位置を指し示したのです。
 最後はエスパーかよ、ゆめ?
 

夏の始まり 04/7/25/(日)
 今年も来た、この季節。。
 夏といえば海、海といえば船。夏女ゆめの季節は、海へ船出してちゃぷちゃぷすることで始まるの!

 じいじ自慢の和船で浜名湖へ乗り出せば、そこはもう、どこもかしこもすっかり夏色。
 太陽の光がきらきら輝く水面。
 足の下を流れる、くすぐったい砂浜。
 産毛をさらさら揺らしながらそよぐ潮風。
 日焼け止めクリームはべとつくからちょっとイヤだけど、波に潜ればすぐに気にならなくなる。
 こんなに気分の良い一日は、夏ならでは。。。

 一回浮き輪から落っこちて水もちょっと飲んだけど、ゆめは泣かなかったモン。
 カレンダーはまだ7月。今年の夏は後何回海に連れてきてくれるのかしら。
 パパは、またウニを踏んで悶絶するかしら。
 ”のぞみ”の宿題は、また”海の思い出”になするのかしら。

 楽しいゆめ夏は、今日から始まるのよ!

呪われた体育館・・・・ 04/7/23/(金)
 昼休みの体育館は、東側半分を中等部の生徒が、西側半分を高等部の生徒が使って遊んでいる。高等部っていっても、全員1年生だけど。遊びの中身はいつもバレー。とにかくバレー、とことんバレー。

 1月くらい前、左手のお母さん指を、衝撃で打撲した。
 おとといは、レシーブの時に当たった右手の親指の関節の血管が、衝撃ではぜて内出血した。みるみる腫れ上がってビックリシタ。今はもう何ともないが、やや色が黒ずんでる。
 今日は、トス上げに失敗して、左手の親指が思いっきり根本から折れ曲がった。一瞬、痛みで☆が出た。指がなくなったかと思った。
 保健室で見てもらうと、親指付け根の手のひら側・外側両方ともに腫れており、骨折の可能性も・・・という。今日はこの後夏休み前の最終日ということでクラス懇談とかある。
 困ったなこりゃ。
 とにかくすぐ病棟に連絡して、看てもらった。結果的にたいしたこともなく、湿布ですませられた。懇談会にもギリギリで間に合った。

 職員室に戻ってから、恐ろしい話を聞いた。
 体育館ではやたらとけが人が出ているらしい。
 足の筋を切った人、アキレス腱を切った人、手の筋を切った人、ついでに外の木の切り株で車をこすった人・・・・枚挙にいとまがないという。
「呪われてるんじゃないですか?体育館」
と聞くと、
「もちろんそうでしょう、だって、もう今は取り壊してないけど、昔すぐ下にあった廃病棟は、有名な心霊スポットだったんだからね。」
 そうか・・そうなのか?
 確かに僕も、体育館で遊ぶたんびにどこかしらケガするしなあ。。。ちょっと一回、お払いしてもらってくださいよ、体育館。。。。

今日は誕生日。ゆめ6歳 04/7/22/(木)
 放課後にどうしても来てくれ、夏休み前にじっくり話したいと言う、病棟に入院中の生徒T君。学部研修があるので遅くなるのだが、それでもいいという。研修が終わってからさっそっくいってきた。
 彼は、部屋に入るなり大きな紙つつみを差し出した。
「今日、ゆめちゃんの誕生日でしょ。これ。気に入ってくれるか分からないけど。。」

 あろう事か、彼はゆめの誕生日を覚えていてプレゼントをくれた。今日どうしても病棟に来て欲しかったのはこう言うことだったのだ。本当は言いたくて仕方なかっただろうに、学校にいる間は黙っていたのだ。

 俺は感動した!元々気持ちの優しい男なのだが、ここまでとは!!彼的には話していたいのだろうが、悪いけど、俺はもう、早く帰ってゆめに中をあけさせたくて仕方なかった。申し訳なかったが小一時間立ったくらいで引き上げてしまった。

 T君、すまん!

 
 帰宅した俺を待っていたのは、誰もいない部屋??
 もう6時半なのに??
 今日は学校で『おれおれ詐欺』の最新版の注意が出ていた。教頭の名をかたり、出張中に事故にあったとか何とかで詐欺を働こうという事件が頻発しているという。もしやママはこれに引っかかって今銀行に行っている最中ではないのか!?←そんな時間じゃないって。

 何事もなく帰ってきたゆめに、早速プレゼントを渡してみた。気がつけばすっかり包装紙はなくなっている。案の定、喜んだのはむしろママで、包装紙をむしり取ったのもママだな。
 中身は、ゆめのために電池で動く子犬のおもちゃ。鳴きながら歩く。ゆめは後ろをついてはい回っている。名前はタローに決まっているらしく、しきりにタローと呼びかけていた。
 もう一つ、お腹の子にもお風呂の水鉄砲が入っていた。ゆめはこちらも気に入ったらしく、既に開けようとしている。今日のお風呂で早速ゆめのものになってしまうな。
 更にもう一つはいっていた麦チョコは、ママがいつの間にやら持ち去っている。。。

 お前らは親子だよ!

 それはともかく、俺はT君の担任で本当に良かったぞ。


 ところで、ママとパパからのプレゼントは?
 ママはない。理由はわからん。
 俺もない。理由は〜、誕生日なのを忘れていたぞ!

 

保育園 04/7/21/(水)
 宿泊訓練の軽減でやや早く帰宅したので、ママと一緒に保育園にゆめを迎えに行った。ゆめの担任の先生は美人と評判だったが、残念ながら出張中だった。

 部屋にはいると・・・・ゆめがどこにもいない。
 よくよく見て見ると、園児達に囲まれて見えなくなっていた。いつもあんなに囲まれているのか。
 うれしいねえ。

 パパが来たと言うことで、ママには目もくれず近づいてきた。
 ついでに他の園児も集まってきた。
 色々と話しかけてきたので、丁寧にお話ししたが、みんないい子だった。

 車の中で、
「いーち、にーい、だー!!」
と言うゆめ。
 だー!って、あんた・・・アントニオ猪木かよ。。。
 他にもお化けの真似なのか、手を広げて
「げげげ」
とか言ってきた。
 保育園で色々覚えてくるなあ。

おふろ 04/7/20/(火)
ピーターパンを見ているゆめ。
「お風呂はいりたい人ー」
「いや」
「お風呂はいりたくない人ー」
「あーい」
「・・・・日本語わかってんじゃん、ゆめ・・・。」

でも、強制連行。

 ノリノリでお風呂に入るゆめ。半身浴で本を読んでる俺に立ち上がってしがみついたり、アヒル隊長で遊んでみたり。
 気がつくと、ふちに手をかけ蛙のようにうつぶせに。ゆめはこの格好がお気に入りだ。でも、うっかりすると、するすると水没。。。
 ぶわっとおきあがったり。。
 
 髪を洗っているとき、湯船の中のゆめが気になる。時々手を水平に走らせてみる。
 ゆめがぶつかる。
「いーたーいー
 ぱーぱー、
        いーだーいー」
 痛いくらい、水没よりマシじゃ。だいたい、痛いほどつよくぶつかっとりゃせん。

 10まで数えてお風呂をでるゆめ。出ると言っても俺が抱えて出してやる。出すときに、入り口の壁の縁にひざをぶつけた。
 ふるえるほど痛かった。。
「いーたーいー」
ああ、痛かったよ。。。

DVD 04/7/18/(日)
 ゆめがディズニーのDVDを見たいという。
 俺はかけてやる。

 おとなしく見ていたはずなのに、
「バーバーーー!!」
と叫びだした。見ると、画面がメニュー画面になっている。今までは予告が流れてたのね。本編は日本語で見たいので、操作しろと言うわけだ。
 俺は操作してやった。

 ゆめは、ちゃんと分かってるのね。

法事 04/7/18/(日)
 実家で法事だった。ばあさんの一周忌と御施餓鬼だ。ゆめは坊さんが好きだし、仏さんを拝むのは大好きだったので、準備で仏間がばたばたしているのを見ていたときから、密かに楽しみだったのかもしれない。

 坊さんが来ると、いきなり柏手を打った。
↑止めた
 御施餓鬼は念仏の唱え方が特殊なので、間違えそうだから静かに聞いててくれと坊さんが言った。念仏が始まると、ゆめは大きな声で歌を歌い出した。
↑あわてて止めた
 坊さんの背中はつかみやすい引っかかりがいっぱいある。ゆめは一生懸命つかもうとして手を伸ばして、ばたばたする。
↑もちろん止めた
 一周忌はふつうの念仏だ。ゆめはノリノリで節をあわせて叫んでいたが、すぐ飽きてしまって坊さんに向かって「じいじーーーーーーーーーー!!」と叫んだり、「いやーーー!!!!」と暴れ出した。
↑別室に強制退去
 
 ゆめは終わった後はすっかり元気いっぱいだった。
 俺は、疲れた・・・・

久しぶりのゆめ 04/7/16/(金)
 ゆめが3歳までは、毎年夏になると野宿の旅に出ていたが、この数年間というもの泊まりがけで数日間も家を空けるということはなかったけな。学校の宿泊訓練は、3日間とはいえ久しぶりに連日のパパ不在状態だった。

 初日、僕の不在に気がついていないゆめは、ぜんぜん気になってない様子。
 ま、こんなもんかな。
 2日目、まだまだパパがいなくても平気なゆめ。お風呂の時間も僕と入らなくても全然オッケー。
 ちょっとさみしい。
 3日目、さすがにおかしいと思ったゆめ。
「パパ〜?」
と時々呼んでみたりして。
 ちょっとかわいい。

 宿泊訓練が終わって3日ぶりに帰ってくると、ゆめはまだ”のぞみ”に出かけていて留守だった。部屋で一息入れていると、ママとゆめが帰ってきた。ママにチュ☆してゆめを車までお迎えに行くと、ゆめの顔はぱっと華やいだ。
 暑かったので、一緒にお風呂でちゃぷちゃぷした。もちろんゆめと。
 夜は、いつものように恋人みたいにくっついて寝た。もちろんゆめと。
 でも、ゆめは熱いので、夏はあまりくっつきたくない。。。

しつけ 04/7/13/(火)
 明日から3日間、学校で宿泊訓練だ。その軽減措置で今日は1時間早く帰宅。

 居間にはいるといきなり、
「ぎゃ〜〜〜〜〜、うわ〜〜ん!!!」

何で帰るなり泣くんじゃ、ゆめ
「パパ、入り口開けっ放しにしたジャン。ゆめ怒ったんだよ。」
「なんだそれ?」
「さっきから、あたしが開けるたんびにゆめは大急ぎでやってきて閉めてくれてたもん。」
「・・・・・だからって、え?そうなの。。。」

しつけのよい子で、そりゃ結構だね!

花火 04/7/9/(金)
 所用で寄ったホームセンターでは、色々買ったが肝心のものは買い忘れた。
 気を取り直して・・買ったモノの中に、花火が一袋。今日は日が暮れたら、ゆめと花火だ。
 帰宅後、このごろずっと寝付きが悪くて寝不足のゆめはぐっすりと昼寝中だったが、午後7時、僕の帰宅にあわせて目を覚ました。やや不機嫌だったモノの、案の定、花火を見てすっかり夕食後が楽しみになったようだ。

 ご飯を食べ、一息ついたら、もうすっかり日が暮れていた。ゆめはずっと花火をやりたくてうずうずしている。アパートの前庭に出て、地面に段ボールを敷いた上に座って・・・・やる気だ。ゆめはすっかりやる気満々だ。
 
 すぐに火を付けてやった。

 花火はいいねえ。。
 ぱちぱちきれいだねえ。。
 心が和むねえ。。
 でも、煙でむせるねえ。。
 
 あっという間に花火は尽きた。
 後には花火と、たのしかった数分の記憶の残骸。。
 そして、もっと遊ぶとダダをこねる、凶暴化したゆめ。。。

 やっちまった。ゆめのハートにも火を付けてしまったようだ。
 ゆめの心の花火は、まだ燃え尽きてないらしい。。。

退官パーティ− 04/7/3/(土)
 目覚めると午前2時。。。。俺は実家の居間で、しかも足下は半分廊下にはみ出したまま、とても変な格好で倒れ込み、うち捨てられたように眠りこけていた。。。


 何で俺はこんなところで、こんなかっこで???ネクタイまでしてる・・・

 何があったんだっけ・・・?



 ああ、そういえば・・・・・
 今日は、佐久間高校で退官を迎えた元校長先生を囲んでの、退官記念パーティーだった。俺は勇んで出かけたんだ。
 気の置けない元仲間との飲み会は、とても楽しかった。昔話に花が咲いた。
 2次会に入り、少ししたところで耐え難い酔いを感じた。トイレで何度も吐いた。これはダメだと判断して、早々に帰ってきたが、迎えに来てもらったママの車の途中から、もはや記憶がとぎれがちだった。
 
 実家の居間に変な格好で倒れ込んでからは、もはや記憶がない。

 そういうことか・・・。こんなに変な酔い方したのは、35年の人生で初めてだよ。水を飲んで寝間着に着替え、寝室に行った。寝室では、ゆめが俺の寝る場所までで這ってきてたので、ごろっところがして横へよけ、ゆめの寝汗でややしっとり気味の場所へ寝た。

 次の日、昨日のことを聞いてみた。
「ゆめがねー、可愛かったよ。一生懸命パパを介抱してた。」
「”ねんねー”って言いながら、一緒に寝ようとしてたよ」
「”パッパー、ちー”って言いながら、なんどもかんちょーしてたよ。パパは、そのたんびにびくっとしてたよ。」
「パパはちーしてるかもしれないね〜、お着替えしなきゃいけないねーって言ったらズボン脱がせようとしてたよ」
「着替えさせようとして、パパのパンツだけ持ってきて、パパの腰の上に置いてたよ」
「パパの頭なでながら、子守歌歌ってたよ」
「ベットへ行って寝かしつけても、パパ・パパって言ってたよ。パパが心配だったってさ」

 俺が気を失っている間に、そんな楽しいことが・・・・・すまないねえ、何にも覚えてないよ。。。。
 

次の子 04/7/2/(金)
 ママは出産予定の医療センターで、要するに筋ジスのような障害を持っている子供の親への援助や家族関係を考えるという研究をしている看護婦さんから、研究協力を受けた。対象はママと僕、それと僕の母親だ。ママは先日検診の時に話をした。母親も電話で話したらしい。今日は僕の番だ。年給をもらって話をしに行ってきた。
 結論から言って、僕の話は果たして研究の役に立つのかなあ?という感じだった。

 それはいいとして、お腹の子供の検診にもついて行った。かなり精度のいいエコーで調べたのだが、その結果は、もう、目の前が真っ暗になっちゃうようなものだった。


 エコーで見えた我が子は男の子。途中あくびなんかして、とっても可愛かった。
 でも、その唇が、3つに別れていた。。。

 俗に言う”三つ口”、口蓋裂&口唇裂・・・・・。脳や心臓の血流も調べ、そちらは異常ないようだが、合併症の可能性もぬぐいきれない。。裂傷の具合も含めて、こればっかりは生まれてこないと分からない。

 確かに筋ジスではないよ。でも、代わりに違う奇形を持ってしまった。
 ママが横たわった傍らで、立ったままモニターを見ていたのだが、もう、途中から立っているのがつらくなってしまった。
 なんでこうなの?
 健常な子供を授かることは出来ないの?
 確かに口蓋裂も口唇裂も手術で治るよ。治るけどさあ。。。。

 実家に帰ってすぐにネットで調べてみた。確かに手術すれば見た目にはほとんど分からなくなるらしい。ちょっと安心はした。
 でも、一番の問題は、口蓋裂が治るかどうかじゃなく、次もまた健常じゃなかったって事だ。口蓋裂や口唇裂はものすごく良くあることらしいし、前の学校にもいた。そのこと自体が問題じゃない。次こそはって期待かけてただけに、やっと、やっと・・・なのに・・・っていう感じだ。一番ショックなのは、”また”なのかっていうことなんだ。期待持ってただけに、ゆめの病気が分かったときよりも、はるかに大きなショックを受けた。。。。

〜談話・ママ〜
 ゆめの障害を受け入れて、障害そのものに対しても受け入れたつもりではいたけど、今度は生まれたときからハッキリ奇形を持っている。ゆめは見た目で分からないだけで、受け入れたつもりになっていたけど、結局見た目の問題が一番引っかかるんだ、私もその程度の人間なんだって思った。健常な子供を産めないのかなあって、女としての自信を無くした・・・。


 ママがこの事実を話した人の大部分は、「子供は親を選んで生まれてくるのよ。この親たちならって選んで生まれてくるんだから」といって慰めてくれる。それが仮に真実ならば、その言葉の裏側には、この親たちを修行させようという、大いなる意志が働いているのだろうか。
 それはともかく、確かにそういう側面(選ばれてる)もあるだろう。俺たちは立派に育てられるよ。でも、その考え方を、ママはともかくとして俺自身は、全く認めてない。
 俺自身は”たまたま”だと思う。障害を持って生まれてくるかどうかなど、たまたまでしかない。俺はそう思う。
 たまたまだから、ちゃんと育てるよ。

毎週水曜あなたとあたしの保育園
〜情熱☆2人の炎 編〜
04/6/30/(水)
 愛は、真っ赤な火よ。。一度ついたその火は、簡単には消せないわ。
 彼の火
 私の火
 一つ一つは小さな火でも、二つあわせれば炎となる。。。
 
 愛は、時に炎のように燃え上がるのよ。。。。

 あの日、保育園の廊下で彼の姿を一目見た私は、思わず彼を押し倒していた。
 気がついたときには、彼は私の腕の下。
 冷たい廊下を、2人の炎が暖める。
 彼は、私のよだれが降りかかることも気にせず、私のなすがまま。。。



《証言》 N先生
「ゆめちゃん、すっかりアメリカナイズされてましたっていうか、おそってました!」
「ああ、そんなの、いつものことですよ〜」
「いつも、ちゅ〜 してますよ〜」
「襲いかかったついでに、おでこを廊下にぶつけてました〜」