3月28日 次のうち、一番恥ずかしい勘違いはどれでしょう? 1、ペンCは小さい頃、「ぞうげ(象牙)」というのは「ゾウさんの毛」のことだと思っていた。 2、ペンCは小学生の頃、「ケシ粒」というのは「消しゴムのカスのこと」だと思っていた。 3、ペンCはバイク便の仕事を始めるまで、「田園調布」というのは調布市内にあるんだと思っていた。 4、「イリヤの夏、UFOの空」だと思っていた。(いつまで思っていたのかは恐くて書けない) 今日は、家の近くにあるスーパー銭湯での原稿執筆を試みた。 たった500円かそこらで風呂とサウナに入り放題! 休憩コーナーには畳とちゃぶ台、仮眠コーナーにはリクライニングシート! マッサージ師がいてご飯が食べられてお菓子とアイスクリームもあって、ゲームまでできる。 風呂に入ってさっぱりしたあとは休憩コーナーで原稿書き。 いやあ快適! でもちゃぶ台とiBookってどうよ? 詰まったら風呂に入ってリラックスしようと考えていたが、その必要はなかった。 小説本編も少しいじったが、主にプロットを直しまくる。どうも根本的な筋に不満を感じたもので。 うむ、よく進む。 5、6歳くらいの男の子が後ろからジロジロ見てるのが少し気になる。 子供「……」 ペンC「……」 子供「なにしてんの」 ペンC「小説を書いている。正確にはプロットを直している」 子供「たのしい?」 ペンC「最高!」 子供「……ぶー」 ラジコンで遊びはじめた。 ペンC「ちょ、ちょっと、邪魔だからうわ! こんな建物の中でラジコン走らせちゃだめだから!」 子供「だって外は危ないよ。ぼく死んだらおじちゃんどうする?」 ペンC「おじちゃ……(衝撃を受けている)」 子供「それ、なにか面白いの出ないの?」 ペンC「(エルの画像を見せて)はーいわんちゃんだよー」 子供「つまんない」 犬はうけないらしい。 |
3月27日 吉田親司「異形特務空母<那由多>」(歴史群像新書)を読んだ。 ううむ。 架空戦記の中には「スーパー兵器大暴れもの」ってのがある。 軍事の常識からしてあり得ない、あるいはその時代の技術ではできるはずがない兵器が出て来て、敵をドッカンドッカンとやっつける。その荒唐無稽な大活躍を売りにした作品群。戦艦大和がロケット噴射で飛ぶとか。大和がキャタピラで陸上を走るとか。飛行機に妖刀村正をとりつけてB29をぶった切るとか。 あまり好きじゃなかった。単に考証の手を抜いてるだけ、という悪印象すらあった。 でも、これはひと味違う。 何しろ合体戦車空母だ。 戦車の上に板がついていて、その戦車が数十輛集まって連結! 移動する飛行場、いや陸上空母となる! このアホアホなものを活躍させるために、この作品は、 謎の天体を地球に激突させ、極点をアメリカに移動。合衆国壊滅。シベリアを温暖な地に変えた。さらに海まで一つ作った。 のだ。 もっとぶっ飛んだ状況を用意すれば、変も変じゃなくなるってことか…… この思いきりに感動した。 |
3月24日 今日も雨が辛いねえ。 スーパージャンプを読んでいて仰天。「リーダー伝たけし」の島袋年光が復活してる。 スーパージャンプはけっこう面白い漫画が多い。 流血とエロスに彩られたディストピアSF「狂死郎2030」もいいが、最近気に入ってるのが服飾ウンチク漫画の「王様の仕立て屋」。この作者のことはよく覚えている。ジャンプスペシャルでデビューして、ジャンプ本誌でちょっと連載してすぐ消えてとかそういう典型的鳴かず飛ばず漫画家だった。でも今回やっと芽が出たんだ。よかった。この漫画はイタリアを舞台にした仕立て屋や靴屋によるドラマだが、なじみのない服の知識をうまく人情物語に組み込んで、安心できる暖かい話に仕立て上げてくれる。 ユーモアがよく効いているから、クサいはずの場面もそう感じない。 地味と言えば地味だけど、名作だ。いや、まだ15話くらいしか連載してないけど。 サイトを紹介しておく。 週刊海燕 「全ての物語は平等である。漫画だろうがゲームだろうがSFだろうがファンタジーだろうが、ジャンルに優劣はない。ただ面白いかどうかが大事。面白い物語を見つけたい。その存在を伝えたい」という熱い想いがみなぎる書評サイト。 幅広く読んで、誠実で気合いの入った書評書いてます。 ここまでやるのがホントの書評サイトですね。 じゃあうちは書評サイトじゃないのかも…… |
3月22日 今日の雨は一体何か! もう冷たくて冷たく指ちぎれちゃう。 ある日の会話。 某「それにしても、イラク戦争反対のデモに参加する人がナチスの戦闘機が好きってのはやっぱり矛盾してるよ」 ペンネームC「軍オタだからこそ平和をまもります」 某「どんな理屈だよ!?」 ペンネームC「いや、実際どこにも矛盾などないのですよ。アメリカは栄光ある第三帝国の敵ではありませんか。敵の軍事行動を妨害するのは当然の事です!」 某「え……そうなんだ」 ペンネームC「なんてね。いや冗談ですよー」 某「目が笑ってなかったよ。君の意見はよく分かった。(トゥルルルル、トゥルルルル)もしもし、イスラエル大使館ですか?」 早めに帰って来てエゾ共和国を書く。 幕末の資料、たとえば大鳥圭介「南柯紀行」などを読んでいて困る事は、「外国語のカタカナ表記が今とぜんぜん違う」ことだ。 たとえばこう書いてある。 「ロームカドレーキは妻帯を禁ず」 ローマカトリックの事だろうと推測はできるが…… このへんをどこまで再現するか……やりすぎるともはや異世界だ。 |
3月21日 昨日は友人に誘われて、日比谷公園の反戦集会に行った。雨の中だが、けっこう集まっていた。 ぼくは劣化ウラン弾の使用には反対だが自衛隊の派遣には賛成しているので、協力できるところだけして途中で帰って来た。 今日は墓参りに行って、ついでに田舎にも帰った。 祖母の話を真剣に聴く。 小説は十枚そこそこしか書けなかったが、意義ある二日間だったと思っている。 「オタクだからこそ女の子をまもります宣言」を読んでいろいろ考えた。 よいことだと思う。「人を殺さない理由」を増やしてくれるから。 前々からぼくは疑問を思っていた。 「オタクだから殺した、アニメやゲームのせいで人を殺した」とか言う人は、「人間はもともと人を殺さないものである」という認識があるからそう言ってるんだよね。何か悪い存在が心を汚染したからこそ殺人者になったのだと。つまり汚染の源を断ってやれば殺人はなくなると。一言で言えば性善説だな。 だが、それは事実ではない。 人間はそんな善良な生き物じゃない。いじめるのが大好きだし、放っておけば人を殺す。 だからこそ、「殺さない理由」を心に刻む必要がある。 たとえばそれは「警察に捕まるから」かもしれない。 「父さん母さんが悲しむから」かもしれない。 「後悔するから」かもしれない。 「約束を破る事になるから」というのもあるだろう。 ぼくは人を殺したいと思った事はないが、自殺したいと思った事はある。学校で殴られたり、パンツを脱がされたり、牛乳をかけられたり、そんな生活を何年も続ければそうだろう。しかし結局自殺しなかったのは、「死んだら小説家にはなれない。嵩峰龍二先生のようになるまでぼくは死ねない」と思ったからだ。その気持ちがあと一割弱ければきっと駄目だったろう。 きっと殺人もこれと同じだ。 人を殺す人は特別な人間じゃない。「殺さない理由」が、他の人よりちょっと弱い人だ。それ以上でも以下でもない。 だから、少しでも「殺さない理由」を増やしていくのは大切なことだ。 「自分がもし人を殺したら、『オタクが人を殺した。オタクだから殺した』って言われる。同じ趣味をもつ人に迷惑をかけることになる。だからそれはできない」。それも立派な「殺さない理由」だ。 ぼくもこの『殺さない理由』を持とうと思う。 ぼくの場合、エロゲーを過去にやってて、アニメ見て、軍事オタクの傾向もあり、以前は2CHのコテハンで、左翼活動にもたまに参加して……一体どんな理由で殺した事にされるのか。どれほど多くの人を巻き込んでしまう事か。 とてもできはしない。 ってなわけでぼくもこのバナー貼っときます。 ![]() |
3月14日 LOOP王国とペンネームCは、「このライトノベルがすごい!」を応援します。 面白いライトノベルを見つけだし、いろいろ意見を集めて、投票して、いろんな角度からランキングしちゃう。 そんなお祭りです。 創造する人にも喜びがあるけど、読んで、それを伝えたいという喜びもある。 どっちの喜びもぼくにはよく分かる。 いまうちのサイトは書評サイトで、じっさい本を紹介するのはとても楽しい。 といっても、最近、本を読むペースは落ちてる。 読み方を変えたから。 この本のストーリイ展開はどういう意図があって、どういう効果を出しているのか、という分析的な読み方をしているので、どうしても遅くなる。 いやあ、「龍騎兵」を読み返したら眠れなくなるほど面白かったもんで、ここんとこ過去に面白いと思った作品を引っ張り出しては読み返している。 やはり面白いのだが、ただ面白いってだけでなくて、どこがどのように面白いのか、前にはまったく分からなかった事が分かるようになった。 前読んだ時は、「ああ最高ー!!! 泣けるー! 燃える!」ってだけで、頭なんて使ってないからな。 しかし、「装甲戦闘猟兵の哀歌」は何回読んでもマジ泣き。 抑えて、抑えて、それでも滲み出る激情の物語。 ただ一言で天地が回転する物語。 狼が、人として死んだ物語。 迷いを超えて、覚悟のもとに挑み、そして約束をする物語。 辛いとき読み返すと、歩き続ける勇気が湧いてくる。そんな本だ。 ぼくにとっては支えであり、目標であり。そして「まだそんな所にいるのか!」と叱咤してくれる存在だ。 もう10年前の本なのか…… |
3月13日 本の感想。 田代裕彦「平井骸惚此中ニ在リ」富士見ミステリー文庫 さて皆様、毎度勝手気侭に筆を滑らせてばかりのペンシイ日記でございますが、本日はこの文体で書かせて頂きます。 「平井骸惚」を読まれた方には一目瞭然、文体模写。 其れというのも本作品の文体に強い感銘を受けたが故という次第で。 本作品を一読してまず感じた事は「世界の空気」が在ると云う一点でございまして。 ハテと首を傾げる読者諸兄、全く其の通り、更なる説明が必要かと。 曾てペンシイは拙作を、「総統暦一一一年」をゲエム会社のシナリオライタア氏に読んで頂いたことがございまして。 貴重な御意見、願わくばアドバイスの一つも頂ければという気持ちでしたが、なんとも無惨な酷評でして。 曰く「この作品には一片の価値も無い」と。 その理由というのが詳細の上にも詳細を極め、論理明快にして重厚、ペンシイに出来たことと云えばただ頭を垂れるのみで。 理由の一つに「世界が書き割りの様だ」というものがございまして。 一言で申しますと作品世界が物語の外に広がって見えるか否か、という事に尽きましょう。 では書き割りではない世界とはどんな物か、と云う実例が即ち、此の作品。 大正年間を舞台にしたこの探偵小説は、さほど背景の世界を説明してはおりません。 しかし乍ら見えるのございます。主人公達の生きている「大正の世」が。 其れは軽快でありながら独特の風格漂う文体故か、はたまたキャラクタア達の台詞一言に至るまで込められた考察故か。 まあ理由はさておき、「大正の世に行った気になれる」本でございまして。 ストオリイの魅力もございますとも。マアこちらは王道と云えば王道、意外性や深みをお求めの読者諸兄には些か物足りないかと。 とは言え、テムポよく、引き込まれ、ホホウ成程と言わせる、娯楽として必要十分の物語性で。 更に申しますと、この作品は富士見ミステリ文庫。「L・O・V・E!」なる奇ッ怪至極なモットオを掲げる探偵文庫で。当世風の「萌へキャラ」も用意され、サアビスの点でも抜かりはございません。 この完成度を讃えることには些かの躊躇いもございませんが、何とも残念なのが「すべからく」という言葉の誤用でございまして。 ただ一つのミステイクで高度な知性を持つ筈の人物が知ったかぶりの粗忽者に見えてしまい。 尤も、作中の骸惚先生なら以下の如く仰り、ペンシイの批判を一笑に付すことは確実で。 「誤用が誤用であるのは少数派であるからに過ぎないのだがね。数限りなく繰り返され多数派となれば誤用こそが正しい意味に変わる。丁度『確信犯』という言葉の意味が変わってしまったようにね」 まあ全体として、お薦めできることは確かでございまして。 この文章を書くのに一時間半も要した己の非才を恥じつつ、ひとまずペンを置かせて頂きます。 |
3月7日 映画を見にいく。そののち友達に連れられて呑みに行った。 「こ……これは夢か!? いや現実だ! すげえ!」という感じの一夜を過ごした。 嬉しかった。 映画の感想。 「マスター・アンド・コマンダー」 エゾ共和国建国記の参考になると思って見にいった。 なるほど、参考にはなった。この映画はナポレオン戦争の海戦を描いているわけだが、数十年経った幕末だって蒸気機関以外はあまり進歩してない。参考にしていいだろう。暗くて狭くて汚そうな艦内の様子、猿みたいに帆に登って行く人たち、被弾したらどうなるか等、本を読んだだけではわからないことがいろいろと認識できた。思い込みが覆された。 しかし、地味な映画だ。 要するに「イギリスの軍艦が、さまざまな苦難を乗り越えて、フランスの軍艦に勝つ」という話なのだが……苦難というのは戦闘ではなくて、「嵐だ!」とか「雨が降らない!」とか「艦長の判断が信頼できない! 造反だ!」とかそういう苦難だ。 観ていて退屈し「あー、早く敵艦でないかなー」とか思った。 狭くて暗くて汚い艦内、痛そうな手術、まずそうな飯を忠実に再現しているせいもあって、気がめいる。 つまらないわけではないんだけど、日本ではうけそうにない。 映画館はガラガラだったし。となりの姉ちゃんが「マスター・オブ・コマンダー」とか言ってたし。 このタイトルも問題あるよな。もっと爽快感のある勇ましいタイトルにすべきだ。 「英国軍艦サプライズ号、南太平洋疾風怒濤!」とか。 それはそれで内容と食い違う気もするが。 いや、疾風怒濤のような活躍をするのではなく、疾風怒濤に襲われるってことで(笑 |
3月6日 ペンネームC「今日はぼくの誕生日です」 某「29歳になったんですよね」 ペンネームC「どんどん歳をとってくなあ。30なんてずっと先の話だと思ってたんだが」 某「あと1年ですね! ところで……ペンCさんは29にもなって女の子の手を握ったことがないというのは本当ですか!?」 ペンネームC「いきなり何をいうかー!! あるよ手くらい。人間の鎖を作る時に」 某「なんですかそれ!? 人間の盾みたいなものですか!?」 ペンネームC「ぜんぜん違うんだけど、実行する人間は微妙にかぶってるな」 某「人間の壁のほうがベストセラーっぽくていいと思いませんか?」 ペンネームC「なんの話だよ! 『人間の鎖』っていうのはね、米軍基地とか原発とかをぐるって取り囲んで、みんなで手を繋いで、『沖縄の民衆とともに戦うぞ!』とか『原発をとめろ!』とか叫ぶんだよ。デモの一種。左翼の人がよくやってるでしょ」 某「ペンCさんは左翼なんですか?」 ペンネームC「それは定義によります。『太平洋戦争は侵略戦争だったと考えるのが左翼、正義の戦争だったと考えるのが右翼』という定義があって、その定義に従えばぼくは確かに左翼です。でも向こうの方も、ドイツ軍の戦闘機がカッコイイとかいってる人を仲間だとは認めたくないだろうし……まあ『微妙に左翼っぽい人』くらいじゃないかと」 某「共産主義者ではないんですよね?」 ペンネームC「もちろん。共産主義とオタクなんて水と油です。だいたい、共産主義が生まれてから150年になるけど、うまくいった共産革命なんて一度もない。どこもろくでもない国ができただけ。それなのに『あれはニセの共産主義だから失敗しただけ。本物なら成功する』とかいわれても信用できるわけがないですよ」 某「ああなるほど、小説家を目指してて、10年間ずっと落選を続けて、『これは本気を出してないだけ。本気をだせばデビューなんて軽い』とか言ってる人と同じですね! 説得力ゼロですよね! あれ? ペンCさんどうしてそんなに顔してるんですか? どうして泣いてるんですか? ペンCさーん」 「SFjapan 09」(徳間書店)を読んでいる。 小川一水の作品がもろにMMORPGなのでびっくり。 冲方丁さんの対談を読んで「ほんと、独特の人だなあ……」と思う。 SF小説ではなく、SF的なアニメや漫画を浴びて、それを血肉にして育ったという点ではぼくと同じなのに、吸収の仕方でこうも違うものか…… |