colorful 1

鳴らない電話を
待ってる
名前も知らない病気に
犯されてる
今ちょうど
そんなかんじ
それでも
鳴らない電話を
待ってる

 

 

「たまご」

カレーを甘くしたり
ケーキをふくらませたり
そんなことに
たまごは使う
二人の関係を甘くしたり
夢をふくらませたり
そんなこと
心のどこかで望みながら
今日も食卓に
たまごがのる

 

 

「現実逃避 妄想 あるいは夢」

自転車で橋を渡る
白い息と星空
このまま
あなたのところへ
飛んでゆけたらいいのに
明日はまた来るし
花も枯れてしまう
このまま
あなたのそばに
いられたらいいのに
部屋に上がる階段の途中
ふと 立ち止まる

 

 

「Wherever」

海が
急に
深くなっている
トコロ

空が
急に
高くなっている
トコロ

待ってるから
必ず来てね

人ごみの中

心が
急に
広くなっている
トコロ

 

 

ずっと
遠く手の届かないところにあるみたいだけど
きっと
あたしが見上げていれば
ちゃんと
お月サマからも
あたしが見えているんだろう

 

 

「はる」

きいろいレンズをとおしてみても
さくらはやっぱりさくらいろ
まどからてをふるあなたにむけて
わたしも ふわ と
てをふりました
きいろいレンズをとおしてみても
さくらはやっぱりさくらいろ
そらはみどりのそらのなか
ひこうきぐもはのびてゆく
まどにこいしがあたるおと
わたしはあなたに
あいにゆく

 

 

それが
あなたらしさだと思っていたけれど
どうも
無理をしているようなので
私が
そばにいようと決めました

 

 

誰にも教えられなくったって
夏になる準備はできてる
五月病だなんて
言ってるヒマはない

 

 

「明日の二人」

あなたの影を追いかけて
明日の天気を占う
強烈なオレンジ色の中で
この道はどこまでも続くような気がする
明日もまた
歩いていけるような気がする

 

 

「BODY」

ぴすとるの音
街灯の下
月光の中
だまされたように
蝶のからだ
端の向こうからの三日月
にぶい光に
打ち抜かれて
天に昇る
そこにはもう
蝶のからだだけ

 

 

路上でびんが割れる
みどりいろのはへん
突きつけられた現実に
あたしはちくりと胸が痛む
雨といっしょに
星が降ってくれば
いいのに
いつしか
夜空は
ほんとうの真っ黒に
そうなってしまうのはさみしすぎるから
明日の天気をお祈りして
手を上げて
自転車を走らせてゆく
まっすぐに
まっすぐに
あなたを
つかまえることが
へたくそになった私は
今日も
一人の部屋に帰る

 

 

「Message ― the Mermaid」

あの人がいなければ
幸せになれると思っていた
手渡されたのは
美しい短刀
つきさす胸は
あなた
あの人
それとも 私
流れるのは赤い血
同じことなのは
分かりきってる
それならば いっそ―

そんな美学は
どうか求めないで
誰のせいにもできないことを
誰かのせいにしなければ
生きて行けない程
あなたは弱くありません
おとぎ話は
きっと戯れ言
あなたには
声があります
大切な人への
歌を歌ってください

せめて彼女が
手紙という手段を
知っていたのなら
もっと幸せになれたかも知れないのに
ほんとうのことを知っているのは
自分だけだなんて
勘違いはしないで
伝えてください 伝えてください
ちゃんと

 

 

「蝉の死」

夜鳴き蝉の
夏の夢
昼夜を問わず
見続ける
短い命を
謳歌する
一つの夏しか
知らぬまま
夜鳴き蝉の
夏の夢
乾いた羽音をひびかせて
また一つ
夏が終わる

 

 

「恋とタバコ」

恋はタバコに似ている
火がついてすぐは
気をつけて吸わないと
すぐに消える
煙が昇るようになってから
こまめに吸えば
赤々と燃えるけれど
すぐに消える
ゆっくり吸うのが
いちばん長持ち

恋はタバコに似ている
短い時間で
何本も吸う人もいれば
物思いにふけって
ゆっくりと吸う人もいる
ポイ捨て禁止のルールも
恋はタバコに似ている
吸い始めたら
なかなかやめられないところも
よく似ている
しかし
どちらも吸い過ぎにはご用心

 

 

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