(C)TOSS-TWO-WAY/国語/4学年/詩の授業/金子みすず「犬」



詩「犬」(金子みすず)の授業  発問・指示・説明


静岡県裾野市立西小学校 神田致久



 犬

うちのダリアのさいた日に
酒屋のクロは死にました。

おもてで遊ぶわたしらを
いつでもおこるおばさんが
おろおろないておりました。

その日学校でそのことを
おもしろそうに話してて

ふっと(      )なりました。
      

 指示「黒板の詩(犬)を、写しなさい」

指示「写した人は、声を出して、何度も読んでいましょう。」
  「意味のわからない言葉に赤線を引きましょう。」

発問「意味の分からない言葉はありますか」 

「ダリア」は、OHCで見せる。
その他の語については、子供同士の話し合いから、解決していく。
(時間は多くとらない)

 発問「感じたことや、気がついたことはありますか」

数人の子どもに発表させる。

説明「この詩は、5・7調で綴られているので、とても読みやすいし、覚えやすい詩ですね」 

 発問「作者は男ですか、女ですか」

「私らを」「ダリア」「うち」「おりました」などの語から、女だという意見が多かった。
ここで、金子みすずさんの写真を子ども達に見せ、簡単に紹介する。

発問「クロが死んだのはいつですか」

「うちのダリアのさいた日」だということを押さえる。

発問「わたし と わたしら では、どう違いますか」 

1人か,1人より多いかの違いを押さえる。

発問「おばさんは、どんな人柄だと思いますか」 

いつもは怒ってばかりのおばさんだが、クロの死に直面したおばさんの悲しそうな様子をとらえ,いつもと違うおばさんの気持ちに迫る。

発問「その日とは、どの日ですか」

うちのダリアのさいた日 だということを押さえる

発問「そのこと って、どのことですか」 

クロが死んで、おばさんがおろおろ泣いていること を押さえる

発問「おもしろそうにはなしていたのは、だれですか」 

ここは、「わたし」か「わたしら」か「わたし以外の人」か意見が分かれると考えられる。
本時では、「わたし」であると押さえた。

発問「(     )には、どんな言葉が入ると思いますか」

「かなしく」「チャイムが」などが発表された。

説明「(さみしく) という言葉が入ります。」 

 中心発問「誰に対して、さみしくなったのですか」

クロに対してさみしくなったという意見が出た。

 説明「先生は、クロではなくて、みすずさん本人がさみしくなったと思います。みすずさんの自分の心に対して、さみしくなったのだと思います。

この後、感想を書いて、授業を終える。


授業後の検討会では、
「おもしろそうに話していたのはだれだろう」
という話題で盛り上がりました。
1、かねこみすず 2、かねこみすず以外のわたしら 3、かねこみすずを含めたわたしら

教師の間でもこれは意見が分かれました。
子どもにも、この発問をしてみるといいなあと思いました。



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