6日目(7月5日 月曜日)

 

目を覚ましたのは05:30。

ちなみに桃岩の起床時刻より1時間前。

なんでかって、そりゃ今日が八時間コースを歩く日だからだよ。

ちゃっちゃと朝ご飯を食べて、他の人の迷惑にならないように荷物を

作ればもう集合時間。

ここで改めて今日の担当のヘルパーさんから最終確認等がある。

なんせ、ここ桃岩の8時間コースはいわばツアーなのにガイドは

つかない。

宿泊者(ホステラーと言う)のみで歩くから。

だからリーダーなんてものが必要になるんだけど、でも仕事はそれほど

難しくない。

3カ所ほどに設定されている連絡ポイントに来たら電話を入れるだけ。

もちろんちゃんと全員いるかとかのとりまとめはするけどね。

それもあって引き受けた今回のリーダー役。

不安な気分もあるけど、ま、やってみましょか。

まずは桃岩からスタート地点のスコトン岬まではバスで送ってくれます。

で、このバス内で自己紹介をするんだけど……スンマセン。

これだけ人数いると名前覚えるの苦手なワタクシの記憶には残ってません。

(正確にいうと普段は名前というものにあまり価値観をおいてないから

苦手なんだけど、これはまた別の機会で)

しかし、自己紹介の段階で結構クセのある人がいるってのが分かってこの先

不安になったのは事実。

それなりに和気藹々とし出した車内で、オレも他の人と楽しく話しつつも内心

「やれやれ」と思っていた。

しかし、晴れたスコトン岬がそんな気持ちを吹き飛ばす。

さー、みなさん行きましょー。

と、ついに8時間コースが始まったんだけど……

困ったな。

ここから先は、うまく文章で書けないや。

メモ書きも全くしてないしね、

ちょっと淡々つ書くけどご容赦くだされ。

参考地図 西海岸線沿いをたどって順にずらしてください)

最初から結構起伏に富んだ道が始まる。

でも緑が非常に豊かな景色。

晴れていたため非常に眺めがいい。

でもゴロタ山に登る道はきつかったかな。

そんなに階段の段差はないんで、大変ではないんだけど。

それより降りるときの方がきつかった。

丁度一歩で降りれるくらいの段差なんだけど、調子にのってほいほい

降りると膝にきます。

つーか、きました(笑)

後半になって響いてくるんだけど、これはまた後で。

(ちなみにこの時点で4時間コースの二名が脱落宣言。

ちゃんと自分で責任もっていくからとの事で、別れる。

実際歩くペースが違いすぎたしね)

ゴロタ山を下るとしばらくは平地。

というより舗装部分が多い海岸線を歩きます。

で、ここで二つ目の見所……というより遊びどころ(笑)

鉄府(てっぷ)浜という所があって、ここの砂浜では「穴あき貝」の貝殻が

拾えます。

名前の通り丸く穴の開いた貝殻ですな。

これを拾って男ども大はしゃぎ(笑)

先を競って探してましたな。

なのに妙齢の(笑)おねーさん方、見向きもしない。

ちょっと誤解を招く表現かもしれないけど、こういう風に貝殻を拾い集める

のって女子供がやることだと思うんだけど。

この時ばかりは逆転してましたね。

(ただ、後で聞いたらおねーさん方はここがそういう珍しいものを拾えると

知らなかったらしい(笑)

オレはちゃんと言ったのになぁ)

さて、鉄府の次に入り江の美しさは礼文でも屈指の美しさだという

澄海(すかい)岬がある西上泊(にしうえどまり)があるんだけど(地図

この手前がまたきっっつい坂道でね。

うそぉ、と見上げるくらい。

ゴロタ山に引き続ききつかったですな。

おりきった所にある売店等が非常に助かりましたね。

ただ肝心の澄海岬を見忘れたんですが(笑)

で、ここで4時間コースのメンバーとはお別れ。

4時間コースの人たちはこのまま車道を歩き浜中まで行き、そこから

バスで戻るorフェリーターミナルへ。

8時間コースはそのままトレッキングコースを。

ちなみにここから先はもう、戻れません。

礼文林道に出るまでは徒歩でしか行けないので、何が何でもそこまで

歩かないと救援もこれません。

覚悟決めていきましょう。

つか覚悟決めていきました(涙)

いや、もう膝が痛くて痛くてたまらん。

でもオレはリーダー。

リーダーが抜けるわけにはいかない。

でも途中で動けなくなる方がもっと迷惑がかかる。

こと登山などでは引くことは恥ずかしい事どころか勇気がいること。

さぁ、どうする……って利尻登ってたときと同じだよ。

やり残すわけにはいかないんだよ。

根性でいくんだよ。

などと実は人知れず覚悟をがっちり決めていたのであった。

(で、ここにくる前の段階で8時間コースのうち一人がギブアップ。

最終的に8時間を歩くのは男性4名、女性2名の計6名。

昨日一緒に風呂に入ったりしたリラックマ君と、実は利尻山の山頂で

一緒だったという健脚のじっさま。もう一人の男性はいまいち印象が(汗)

女性二人は本人達曰くの4人の山ん婆の二人。

リリィさんと……もう一人は名前が出てこないや(汗))

ちなみにこのころから空は曇りがち。

う〜ん、ひょっとして雨降るかも?ってな感じに。

おかげで景色はあまり良くはないんだけど、でも問題なし。

なんでかっていうとこの辺からあまり見晴らしがいいポイントは無くなってくるから。

物知りなリリィさんの説明を聞きながらドンドン歩く。

(ちなみにリリィさんはかつての8時間コースを歩いた事がある)

もちろんいろんな雑談もしながらね。

もっともこの時点でちょっとの坂でも歩くのがキツクなっていた私は、最初から

少なかった口数がもっと減っていたけどね(笑)

しかもしばらく歩くと林の中にはいり、起伏に富んでくる。

きっっつう(涙)

もー、痛くて堪らない。

でも休憩ポイントはしばらく無し(約二時間くらい歩きづめ)

ようやく昼飯ポイントに着いたときには見栄を張る余裕もなくなってました。

どうしたかっていうと、おねーさま達にテーピングしてもらいました(笑)

おかげである程度楽になったけど、でもきつかったなぁ、

ちなみにこの昼食ポイント。

晴れていればかなり見晴らしがいいんだろうけど、この時点で空は完璧に曇り空。

それどころかごくたまーにポツと雨粒が降る。

しかもかなりの強風で寒いったらない。

もう縮こまるようにして桃岩荘名物「圧縮弁当」を食べてたよ。

で、なぜ圧縮弁当か、というと名前の通り圧縮してあるから(笑)

メンバーからは「圧縮されるからじゃない?」という意見も出たな(謎笑)

でも繰り返すけど本当に寒くて、じっとしているのが辛い。

ご飯を食べてちょっとだけ休憩した後で再出発。

この次に待つのが8時間コースの最危険箇所「砂滑り」

10m位の幅なんだけど、ロープとかは特にないむき出しの急な斜面を

横切ると言えば分かってもらえるかな。

「キャ。こわ〜い」

「大丈夫だよ、僕が手を握っていてあげるから」

なんていう遊びをする場所でもあるんだけど(笑)

(こういうところが『愛とロマン』の由来なんだな、実は(笑)

でも実際一歩間違えると大怪我じゃ済まない可能性もある場所なので

十二分に注意が必要)

もっとも私は膝の痛みと体力の消耗でそんな余裕は無かったけどさ。

それにちょっと女性陣の年齢が高かったしね(おい

そしてこの砂走りを越えるとすぐにもう一つの危険箇所。

特に名前はないので、私が名付けましょう。

ズバリ「宇遠内への崖下り」

感覚的には見下ろすような谷底へ歩いて下る場所。

膝の痛みに耐えていた私は、ホンキで怖かったです(笑)

しかし、これを越えるとちょっとした滝と小川があり疲れた心に一服の

清涼剤と感じられて嬉しかったなぁ。

さて、ここまでは舗装路も途中あるものの、基本的にはトレッキングコース。

しかし、ここから先は大きな石の多い海岸を歩くことになります。

ごつごつした岩場を時には登ったり下ったり。

ここも天気が悪くて波が荒いともの凄く危険な場所になる、とリリィさんは

言っていたなぁ。

この日は干潮時だったのか、波が穏やかだったのか。

あるいは両方の理由でか、特にそういう危険は無かったなぁ。

しっかし、ホントにいろんなトコを歩かせてくれますわ、8時間コース。

丘の道だったり山道だったり林の中だったり海辺の岩場だったり。

でも、だからこそこうやっていろんなトコをみんなで歩くから仲良くなるんだよね。

結構色々話してたからなぁ。

ちなみにこの辺、この写真(写っている人物はリラックマ君(笑)彼は最初から

最後までちゃんとリラックマを持ち完歩し、テンションも高かった)のように

基本的には荒涼としたところなんだけど、綺麗な植物があったり岩肌を伝い落ちる

見事な滝があったりとなかなか面白いです。

それ以前にこういうトコ歩くって事自体が面白いんだけどね。

ほら、私の場合は河原で遊んだりしたお子さま時代を過ごしたから、なんか

童心に還るんだよね、こういうトコって(笑)

もちろん岩場だけに膝には辛かったけどね。

さて、ようやくたどり着いた休憩ポイント宇遠内(うえんない)

久々にたどり着いた人が住んでいる場所で、一応集落ではあるんですが。

車でこれる道はありません。

夏のこの時期だけ船で人がやってくるのです。

(ちなみに4.5世帯で10人くらいって言ってたかな、ここの住人は)

つまり漁師さん達の集落なんですな。

で、ここに何度か来ているリリィさんのお勧めでところてんを食べたり

他にも色々と食べたなぁ。

ちょっと詳細は覚えてないけど、結構珍しいものだった覚えが。

キツイ道のりを超えてきた後に、ここのじっちゃんばっちゃんに親切にして

もらって嬉しかったなぁ。

(リリィさんの「顔」で、だけどね)

十二分に休息をとってから出発。

かつてはこのまま海岸沿いを歩いたらしいんだけど、現在は通行禁止。

左、つまり島の中央部に向かって道を曲がり、最後の難関急な坂道を上る。

とはいえ道幅はそれなりにあるので、結構歩きやすいんだけどね。

綺麗な小川−ウエンナイ川−の側を登っていくので、眺めもいいしね。

でも傾斜はそこそこあるのでぜーはー、言ってたけど(笑)

確か1時間くらいひたすら登ってたのかな。

ようやく礼文林道に到着。

ここまでくればもう安心。

キツイ傾斜も危ない場所もなくなるし、最悪迎えに来てもらえる。

良かった良かった……けど、林道にたどり着いた段階でついに雨が降り出す。

今までみたいにパラパラとじゃなくて本格的にね。

あーあ、と言うことでは実はなかった。

むしろ林道に入ってからで良かったねぇ、とみんな言ってたなぁ。

でも見晴らしは悪いし雨に打たれるしで(もちろんレインウェアは着た)後は

ひたすら歩いてたかな。

途中レブンウスユキソウ(エーデルワイス)の群生地があるんだけど、雨だから

留まるのは止めようと皆に意見が一致したしね。

そんなちょっと暗めの雰囲気が一変したのは林道でとあるカーブを曲がった時。

正面に利尻がくっきりと見えた(雨は途中から小振りになっていた)

「これだけ頑張って歩いてきた後に見えたから、これだけ嬉しいんだろうね」

という誰かの台詞はみんなの気持ちを過不足無く表してたね。

うん、ホントに嬉しかったよ。

もちろん雲は切れてないから晴天時の眺めには負けるんだろうけど、でも

どんな時にも負けない最高の眺めだったと思う。

この後はね、結構またぺちゃくちゃ話しながら歩いてじきに礼文林道終了。

地図でいうと白い道が林道ね。

ここから車道を桃岩に向かって歩いて行ったんだけど。

最後に桃岩荘に向かう坂道をおりるときにある事をする。

実はヘルパーに「是非ともみんなで手を繋いで降りてきて下さい」と言われて

たんだね。

でもそれだけじゃ、なんだか物足りない。

どうせなら、と私が提案したのは「横一列になって手を繋ぎ、しかもその手を

上げよう」ということ。

みんなノリノリになってやってくれてね。

嬉しかったわ(笑)

この日はさっきも言ったように雨が降って、屋根が濡れて危険だからってことで

ヘルパーさん達は屋根に登ってなかったけど。

でも、出迎えは嬉しかったなぁ(笑)

たった二人だけでも、ね(笑)

最後にみんなで踊って写真撮影をして締め。

写真みてもらうとわかるだろうけど、みんないい面で笑ってるんだよね。

(ちっちゃくてわかりにくいって?まぁ、気にしない気にしない(笑))

うん、きつかったけど楽しかったわ。

(でも予想以上にきつかったので、宿泊を一日延ばす事に。

こりゃぜってー明日は動けないって思ってね(笑))

ただいまーと桃岩に入ってすぐにゆ〜〜っくり風呂に入ってメシ。

もちろん8時間コースのメンバーでね。

リリィさんがなんか色々作って来ていて(ギョウジャニンニクの佃煮とか)それの

ご相伴に預かりながら喰ってたんだけど。

喰ってる最中にミーティング開始。

正直ミーティングに出るにはキツイ体調だったんだけどさ。

そんな事はどうでもいい位に楽しいから出るんだよ!(笑)

というわけでちゃっちゃと食器をカタして少し遅れてミーティングへ。

昨日同様、謡って踊ってはじけるぜ、イェイ。

膝の痛みも全身の疲労も気にならないぜ。

たんのしぃ〜〜〜〜(笑)

違うのは後ろのほうにいること。

初めて桃岩に来た人たちが前のほうに座って餌食になるからね(謎笑)

あと、8時間コースのリーダーをしたのでサブリーダーと共にスペシャルゲストの

勤めもちゃんと果たしたよ(笑)

みんなの前でツインで「ギンギンギラギラ」踊ったさ(笑謎U)

いやー、もー!

ミーティング最高!!(声を大にして)

終了後もみんなでわいわい。

あっという間に消灯時間。

8時間コースを歩いて疲れた体を回転ベットに横たえて。

そろそろキャンプ場が恋しくなってきたなぁとも思いつつ。

かなり激しくなった雨音を聞きながらお休み〜。

本日までの総走行距離 昨日と同じで不明なんだってば

追記

えと、この日は歩くことに精一杯だったのであまり写真がないです。

膝がホンキで痛くて余裕なくてねぇ。

勘弁。

追記その2

「宇遠内への崖下り」も「砂滑り」の一部らしいです。

あそこだけかと思ってた(笑)

 

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